小説「光と影」韓国へ渡る:6
(2)出会い
①韓国人との出会い
東京に戻った富雄に待っていたのは、日常だった。2学期はすでに目の前に迫っていた。
何気なく始まったドライブは、彼の脳裏に焼き付いて離れていない。その中の一つにハングルがあった。未だ外国へ赴いたことのない富雄にとっては、新鮮な体験となったことは間違いなかった。
特にラジオから聞こえてきたハングルになぜか惹かれる思いがしていた。
2学期の講義受講のために手続きをしなくてはならなかった。彼は夏の日差しがまだ照りさす大学を久しぶりに訪れた。学生の姿は学期前なのか、意外にも多かった。
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