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連載小説「光と影」第2章 米国へ:13 理想の国の光と影

 富雄はサンフランシスコでしばらく様子を見つつ、同僚の無事を確認した後で、どうするかを決めることにした。数日後ようやく連絡はつながった。同僚はみな無事であった。本社がワシントンにあり、ワシントンで過ごしていた彼らは、幸運にもテロの被害は逃れていた。


 しかし、彼らだけでなく、アメリカ全土は悲しみに暮れていた。それは、ワールドトレードセンターやハイジャックの飛行機で犠牲になった犠牲者とその家族はかなりの数に上ったからだった。さらにワールドトレードセンターで救助作業していた消防員がかなり亡くなってしまった。

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