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意図的寝坊

意図的寝坊について話したい。意図的寝坊とは、早く起き上がらなければいけない、さもなければ間に合わない、と分かっているのに布団から出ないことで、私が命名した。私が、命名しました。はい。「布団から出ないこと」というのが重要で、「寝てしまうこと」ではないのがポイント。

普通の寝坊と何が違うかというと、意識がはっきりとあることである。よく寝坊の原因として上げられる「二度寝」は意図的寝坊ではない。なぜなら、「あと5分だけ…」といって寝てしまうのは、「あと5分なら布団にいても間に合う」と考えているからである。その結果、5分でなく1時間寝てしまい遅刻したとしても、それは意図した結果ではない。あくまで意図したのは「5分だけ寝る」ことだったのだから。うっかり、意図せず、1時間寝てしまったのである。

一方、意図的寝坊というのは、そもそも寝ていない。頭自体はもう何十分も前にすっきり目覚めている。

よーしよし、寝坊せずに目が覚めたぞ!と思いながらスマホに手を伸ばす。頭はもう冴えているのだから、夜のうちに来たLINEにもきちんと返せる。この文面だと素っ気ない感じだから、語尾に「だよ」って付けとこ、とか、そういう所までちゃんと頭が働く。

が、布団から出ない。せっかく朝5時15分に目覚めたのに、既に時刻は5時30分。しかし指の動きは止まらない。今度はTwitterを開く。最近ツイートする人減ったな~とか思いながらタイムラインをすいすい見ていく。その次はインスタ。みんなのストーリーをパンパンパンパン見ていく。頭は冴えているので、友達の彼氏がこないだの投稿と違う人になっているのにもちゃんと気が付く。

時刻はあっという間に6時。私の中では、6時を過ぎるとかなり厳しい。相当急がないと間に合わない。のに、まだ布団から出ない。やべ~な~早く布団から出ないとマズイやつじゃん~と思いながら、もう一度LINEを開き、LINEニュースをだらだらと見始める。

そして、6時15分。さすがにやべぇ!となって、跳ね起き、そっから怒涛の朝の支度が始まる。5時15分に目覚めてから飛び起きるまで、一睡もしていない。この1時間、自分の意志でもって、布団の中にいた。無意識な時間などない。確信犯である。これが、意図的寝坊だ。

寝ていないのだから寝坊でないという意見もあるだろうが、個人的には6時15分から怒涛の勢いで支度する姿と後悔の様子は、寝坊した時と全く同じであるので、寝坊と同じ類に入ると考えている。

意図的寝坊は普通の寝坊より何倍もタチが悪い。だって、大変なことになると分かっていてやっているのだから。アホか…アホなんだろうな…早起きはできているのに、なんなんだろうなこれ…。

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