劇場版100日後には彼女が出来るはず2『パラレルケンジ -GOLD BALL RUN-』 観てきたレポ

 11月の初頭、我がブラザーからの連絡でこの話は始まった。

「12/24 空けれる?」

我がブラザーが空けれる?と言う連絡を入れる時は彼の舞台がある時である。いつもならもちろん即答で行くぜ!!と返信するのだが少し引っかかる点が一つあった。

クリスマスイブに1日だけの公演?
世間様では様々な楽しいイベントやらなんやらが押し付けがましく巻き起こっている日にちだ。しかも日曜日。(悲しい事に予定は入っていなかったが)

そんな中教えられた舞台が
劇場版100日後には彼女が出来るはず2『パラレルケンジ -GOLD BALL RUN-』

正直言ってこの画像を見た時点で絶対面白いだろと確信した。
このオタクセンサーがバチバチに反応するデザインに何か確信めいた物を感じ取った筆者はクリスマスイブの日程表に観劇と記入して当日に挑むのであった。


*注意事項

・本文章は、劇場版100日後には彼女が出来るはず2『パラレルケンジ -GOLD BALL RUN-』の重大なストーリーネタバレ及び設定への言及がございます。ネタバレが気になる方はブラウザバックを強く推奨致します。

・本文章は筆者の主観故、見落としている場面設定、大いなる想像や妄想、本来の設定にはないであろう推察が含まれています。解釈違いの場合でも筆者を始末するのではなく、仏のような心で閲覧していただくことを推奨いたします。

・筆者は、演劇経験者でもなく普段頻繁に劇を観る人間ではなく、演劇に関してはズブの素人であり、感想文を書くのが昔から苦手な人類の為、構成がぐちゃぐちゃな文と、敬称略、忌避感を覚える表現等発生する可能性が御座いますが、非常に温かい目で見ていただければ幸いです。

・前置きが長くなりましたが、本文は結局如何にこの公演が素晴らしかったかという述べるだけなので少しでも筆者が体感した熱が伝わればいいなの精神でお読みください。
それでは対戦よろしくお願いします。



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【村松ママンスキーとは】

 お恥ずかしながら筆者は舞台関係の事は全く知らない。役者さんも観に行った舞台に出演していた方をふんわりと覚えているぐらいで、
「あっ!!!あの舞台に出てた人だ!!」
となる程度の知識しかなく、劇団〇〇所属の〜
とか、演出が誰々で〜とか本当に無知の極みなのである。
なので今回の舞台情報を自分なりに色々見て筆者が朧げに判断できた事は、

①1日限定でやるにしては過剰なメンバーらしい
②派手なお祭りらしい
③村松ママンスキーには彼女がいない

であった。
そもそも村松ママンスキーとはどんな方なんだろうかというのも知らない筆者がこの舞台について行けるのかという不安は少なからず存在した。
なんせ主役(本人は出ないらしい)を知らないし、『2』だけど前作を観てないから完全初見である。
映画でも漫画でも2から見始めると大体モヤっとしてしまう経験が思い出される。
前回で登場していた人物が再登場して盛り上がるとか、
前回のシーンを思い出してニヤニヤするとか、
実は前作で貼られていた伏線を回収するとか、
そう言った『知識がある故に美味しいシーン』を味わいきれないからである。
クリスマスのチキンだって骨周りが美味しいと知っているが故に、身の部分だけを切り渡されても「どうせなら骨の髄まで味わいたいなぁ……」
としみじみ思ってしまう卑しい人間なのだ。
なのでどうしたもんかと手をこまねいているとこんな物が我がTwitter(断じてXではない)に流れてきた。

村松ママンスキーさんのブログの記事である。
今この記事を読んでいる人は殆ど目を通しているだろうが念のため内容をざっくり説明すると、
『村松ママンスキーや彼女がどうこうとかを知らないけど良く知らないけど劇カノ2を予約した方への説明書』である。

凄いびっくりした。もう名指しで指さされたのかと思った。
コレは読むしかねぇ!と天より降ってきた骨の周り部分を通勤の合間に丁寧に食べ尽くし、晴れてクリスマスイブに挑む事ができた。ママンスキーさんの細やかな配慮に感謝するばかりである。
そしてここからは贅沢な事に7つもある短編の中身の感想をつらつらと述べていこうと思う。


『仕事とアタシと不老不死』

 あらすじとしては、闇の眷属もといダークネスママンスキーに誘拐されたアスパラ農家の女性(12歳の頃に攫われたので現在は30歳)が結婚を迫る話。
まず初手のインパクトが凄かった。よくわからないけど「え?こういう感じなの!?」ってなっていた。闇の眷属というどう足掻いてもファンタジーな存在とアスパラ農家が心配な女性という現実感満載の存在が絶妙に鍔迫り合いをしていた。
闇の眷属の優雅な喋りの合間に溢れる社会人みたいな言葉に笑いを抑えきれなかった。
一応実家に訪ねたりとかしたんだ……そりゃあ撃たれるか……
純銀の指輪をくっそ熱がりながらつける所や試してガッテンを観ているところなど、闇の眷属という人を超越した存在であるのにどうにか人間臭い感じがとても良かった。
攻撃方法が大外と小内刈りなの好き。
人間の身体に身を堕としてまでも彼女との愛を求めたダークネスママンスキー、こういう感じで色んなママンスキーが幸せになる話が続くのかなぁとこの時は思っていました。


『オイウチケンジ:コンセクエンス』

あらすじは、ママンスキーと待ち合わせをしていたニュームラマツ。そこへ来たのは並行世界のママンスキーで……というお話。
まさにこの話は前作を観劇していれば相当面白い話なのだろうと感じた。
しかし楽しめなかったか?と言えばそうでもなく、きちんと随時必要そうな部分にはフォローが入れてあり、そういう感じだったんだなときちんと理解させてくれるバランスの良い話だった。
村松ママンスキーを見た事がないのに並行世界のママンスキーを見て朧げなイマジナリーママンスキー像を固めていくのは不思議な感覚であった。
goldenballや並行世界の話など漫画チックな話が出てきてワクワクした。
凄いニュームラマツさんが大変そうだった。
マルチユニバースママンスキーがマッチングアプリを始めるというスタートを主軸に短話が展開されていくのはキレイで分かりやすく、短編同士を組み合わせる中心部のような話であった。
ニュームラマツさんが凄い大変なんじゃないかなと思った。


『ふり、かえる』

あらすじはマッチングアプリをして出会った女性とデートをしたママンスキー、しかし彼女は随分と様子が変だった。どうしてこうなったんだろうと振り返るママンスキー……というお話。
腹パンから始まる出会いの話。奇妙な言動の彼女がどうしてそうなったかを彼女の視点で再度振り返る場面は謎解きや伏線的な物を連続で回収していく気持ち良さの連続だった。
小柄な彼女さんと大柄なママンスキーとの身長差とは対照的にダイナマイトぐらいパワフルな彼女と優しい巨人のママンスキー。
彼女の熱演がとても良く、爽快だった。
最後のシーンが見えないけれど、振り返るで終わる所も素晴らしかった。ああいうスマートなデート出来る男ってカッコいいなぁとしみじみ思うクリスマスでした。


『ニクショク系女子』

あらすじは、デートを楽しむママンスキーと女性、この後どうしますかという話になり……という話。
カマキリだ!!!
いや違うか……いややっぱカマキリじゃん!!!って終始なってた。
カマキリ女性役の方が非常に美しく綺麗だった。カマキリなんだけど。
カマキリだと判明するまでのチラチラ出るママンスキーへの食糧的評価が面白かった。
「栄養が……「栄養??」」とか「腹持ちが……「腹持ち!?!?」」の場面はめちゃ笑った。
ハリガネムシとカマキリの演じ分け(人生で今後二度と使わないだろう言葉)が分かりやすく素晴らしかった。ハリガネムシの演技がすごいってなんだ……
ちなみにハリガネムシが水場にカマキリを誘導するのは水に飛び込ませて本体は脱出し水中で繁殖活動を行うためである。その際にほとんどのカマキリはサカナやカエルに食べられるか、陸地に戻れてもハリガネムシに内臓を荒らされた影響で生存確率は著しく低い。生命の神秘。

『ママンの休日』

あらすじは、マッチングアプリをするもうまくいかないレディママンスキー、偶然近くでマッチしたのは不思議なドレスの女性で……という話。
日本版ローマの休日だコレ!!!となった。ミュージカルチックな演出と歌、身分の違う二人のランデブー、ゴジラに食われる手。随所にローマの休日オマージュが散りばめられた作品だった(ローマ休日観たことないけど)
ミュージカル観たことないけどこんな感じなのかなぁって思ってた。なんか所作の節々から優雅さみたいなのが溢れている。
日本の下々のデートってなると原付でサイゼドリアからの4℃のネックレスでバリアンなのかぁ……確かに庶民の最北端みたいな感じがする。
というか歌凄い上手くないか???????
調べたけど名前のアン王女もオマージュだったんですね。歌のシーンの突如出てくる踊り子綺麗だった。


『Missドラマチックワンダーガール』

あらすじは、マッチングアプリで様々な人間に会ったママンスキー、今回出会ったのは流しの恋愛アドバイザーで……という話。
ミュージカル風からのコッテコテのドラマを顔面にぶつけられる感じ最高だった。
役に立つようで絶妙に胡散臭い恋愛アドバイスと気がつけばその世界に巻き込まれているママンスキー。2人のキャッキャしている所凄い面白かった。
このママンスキー役の浅見さんは以前ナイゲンという舞台で拝見させていただいていたが、やはり演技が非常に上手く、途中のどう足掻いてもダメなデートの誘い文句シーンは最高だった。
ハイヒールなのにあんなに派手に動けるの凄いなと感嘆した。
ラストの雨の崖側の行ったり来たりするとこが1番好き。


『あったかもしれない、夜』

あらすじは、とある居酒屋の喫煙所で二人は何気ない話からどうしてこうなったかを話す……という話。
クリスマスイブの本当にどこかであったかもしれない面白い、でもほんの少しだけせつない話。
テンポの良い会話と時折繰り出されるギャグ、そしてあったかもしれナイト。
自然と並行世界の話が混ざり合っていて凄いなぁと感じた。
二人の演技が非常に自然で、真夜中の澄んだ冷たい空気が容易に想像できた。
あったからどうという訳ではない、でももし、あったのならばそれは良かったのかもしれない。そんな話だった。



『GOLD BALL RUN 』

そして全ての並行世界のママンスキーが集結、無事に彼女は出来たのか……というお話。
もう観るスマッシュブラザーズだった。ママンスキーとママンスキーのぶつかり合い。全員がママンスキーだったし、真のママンスキーにはなれなかった。成果無しのママンスキー軍団に突如乱入して結婚を見せつけるダークネスママンスキー。
あっ本当に貴方もしっかりママンスキーだったんですね。
結婚と彼女が出来るは確かに色んな意味で違うのだろう。重さとか、力とか。
そして迫る危機にたどり着いたお前がママンになるんだよ!!!はめちゃくちゃ笑ってしまった。ニュームラマツママンスキー化計画。
生命エネルギーがピンチで苦しんでるシーンでカマキリのママンスキーが変なダンスを踊ってたのが面白くてずっと観てしまっていた。
そしてサプライズで待望の皆が待ち望んでいたオリジン村松ママンスキー登場。
初めて観るのに凄いもう感動してしまった。あれが本物のママンスキーなんだ!!!!ってめちゃテンション上がった。
そして全ては夢と消える。
ようこそこちら側へ。ニュームラマツさんに幸あれ。


【総評】

何回ママンスキーって書いたか分からないけど、とにかく伝えたかったのは、クリスマスイブ、1日限りの110分ノンストップフルスピードお祭り劇。
全てが豪華で混沌で、はちゃめちゃだけど楽しくて、爽快で。
最高のクリスマスイブを体験できたなと胸を張って言える。そんな劇だった。

村松ママンスキーさん、出演者の皆様、関係者の皆様。改めましてこんな素晴らしい劇を観せていただいた事に深い感謝をここに記したいと思います。本当にありがとうございました。
このレポをクリスマスに一人で仕事の合間に書いてる筆者から皆様へ感謝と祈りを、そしてクリスマスにイチャつく方々へ聖なる中指を突き立ててこの文を締めくりたいと思います。
メリークリスマス。


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