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シミをとる

シミは体のサビ。いろいろな不調が表面化してシミとなって出ている。

今はそう解釈できます。
しかし、シミがみるみる増えていった産後から40代、そして50代。
シミはホルモンバランスと紫外線の影響がすべてだと思っていました。出産でホルモンバランスに変化が起こり、シミとして出現。さらに、日焼け止めを塗ったりファンデーションで覆っていても、日常生活で容赦なく直撃する日光によってシミはさらに増える。濃くなる。
だから不可抗力なのだ。シミというものは。
そう、諦めていました。

美容外科クリニックの小さな広告

私はエステに通ったこともなければ、美容外科というジャンルに足を踏み入れたこともなく、まったく「美容」という観点に疎い、というか避けていたタイプです。
それというのも、もともとアトピーで肌はカサカサガサガサで、とてもそれをお金を払って診察してもらい・・・という気持ちになれなかった、という理由と、それできれいになるわけではない、と、批判的に見ていたということも理由です。
しかし、ある時、地下鉄の座席近くに貼られた広告ステッカーの「シミとり」という言葉から、目が離せない自分がいたわけです。気になる。すごく気になる!と。
チャラチャラした男性美容外科医、もしくはギラギラした女性美容外科医がそのステッカーで微笑んでいたら、私はまた「それできれいになれるわけではない」と吐き捨てていたでしょう。
しかし、そのステッカーの中の顔は、チャラチャラでもギラギラでもなく、「さあ、今から盲腸切りますよー」と、声に何の抑揚もなく平然と仕事を始める仕事人(顔はいたって普通のおじさんの顔です)。
この人なら、嘘も偽りもなく、シミをとってくれるのではないか?と期待が膨らむ表情がそこにあったのです。

予約にチャレンジ

ネットでそのクリニックを検索。すると、まあ派手なサイトではありませんが、事例がたくさんアップされていて、院長自身の淡々としたコメントが、それこそ抑揚のない筆致で書き込まれていました。
それを読み進めるうちに、私の中の「ここなら」感がさらにアップ。
毎月決まった予約を取る日があるようで、まずはその日が来るのを待ちました。
そして電話です。「ツーツーツー」
まったくつながりません。
スマホの画面には「通話中」の冷めた文字。

喫茶店でコーヒーを飲みながら、切っては履歴の番号をタップ、切ってはタップを繰り返し繰り返し。
しかし、その日は全くつながらず、結局〆切時間の正午を迎えました。
かなりの手強さです。それほど、人類はシミに悩んでいるのか!と、見えぬ同志に思いを馳せる私でした。そして、予約の挑戦は次回に持ち越しとなるのです。

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