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話し、聞くこと

 こんにちは。
 Love Life Project のスタッフをしている角羽といいます。
 (Love Life Project は、名古屋市主催のまちづくりプロジェクト「ナゴヤをつなげる30人第2期」にて結成された Project です。 )

 私たち Love Life Project は、名古屋は栄の久屋大通公園で、夜、歩きながら話す 「夜さんぽ」 というイベントを開催しています。
 このイベントは、参加者が3人1組になり、7つほどのトークテーマを歩きながら話すというものでして、普段は話さないようなことを話してすっきりした気持ちになれたり、想いを分かち合うことで自然と前向きな気持ちになれるものです。
 今日は、なぜこんなイベントを開催しているのか、多くの方に私たちの活動を知ってもらいたいため、タイトルの「話し、聞くこと」ということをキーワードに書いていきたいと思います。

 上記のようなイベントの形態になったのは、一緒にイベントを運営している仲間との対話によるのですが、個人的な要因を振り返ってみると、私が自死遺族の当事者グループの分かち合いへ1年ほど通っていたことにも起因するように思っています。
 当事者グループの分かち合いと言っても、あまりイメージのわかない方もいらっしゃるかもしれないのですが、ただ自分の思っていることを話して、ただ他の方(同じ問題に直面している)の思っていることを聞く、そんな場所です。海外のドラマや映画なんかで時々多くの人が車座になって話をする描写があったりするように思うのですが、あんなやつです。

 そんな自死遺族の当事者グループへ、私は父を自死で亡くしたために1年ほど通っていたのですが、そこでの経験は私にとって本当に大きいものであったと感じています。
 先に書いたように、分かち合いでは、ただ想いを話して他の方の想いを聞くだけなのですが、一時期の私はここで話をすることで、なんとか自分を保っていました。色んな考えが心に湧き上がる中で、このことを今度の分かち合いで話そう、なんてことを考え、そこへ行って話をし、話を聞くことをモチベーションに生きていたと言っても良いように思います。その頃の私は精神的にぎりぎりのところにいて、泣いてしまって話にならなかったこともあったのですが、話すこと自体によって自分の気持ちが整理され、それによって自分自身が少しずつではあるけれど前向きな方向に向かうのが感じられたのです。そして、他の方の話を聞くこともとても大きかった。確かにそれぞれに異なるストーリーを持っているのですが、強く共感する部分があったり、そんな素敵な考え方があるんだ!と思えたり、他の方の話を聞くことによって自分を俯瞰して見ることができるようになっていきました。
 その後、私は1年間、コロナ禍によって分かち合いが開催されなくなるまで(現在は再開しています。)通い続けたのですが、父を自死で亡くし、様々な想いに飲み込まれそうになっていた私は、こんな風に、話し、聞くことで、なんとか生きてこられたと思っています。

 そして、話は 夜さんぽ に戻るのですが、私は、このイベントはある意味当事者グループの一つだと考えています。つまり、私たちは、みなこの今を生きていて、嬉しいことがあったり、悩んだり、苦しんだりしています。私たちの気持ちは時に止められないものなのであって、誰しもが想いを抱えて生きています。そのような意味では、誰しもが想いを抱える当事者なのであり、この 夜さんぽ は、(私の行っていた自死遺族の当事者グループのように参加者が限定されているようなものではなく、)誰もが参加でき、想いを話し、聞くことのできる、そんな場だと考えているのです。あの頃の私みたいに、来てくださった方がなんとなく心が軽くなった、そう思っていただけるような場を作りたい、そんな風に考えて、このイベントを仲間と一緒に作ってくることができたのかなぁと思っています。
 話し、聞くことには大きな力があります。支援する、支援されるのではなく、話し、聞くことで一緒に生きていく、そんなことを大切にしながら私たちは 夜さんぽ を開催しています。

トークテーマ等が記載されている Love Life Note

 ここまでどうしてこんなことをしているのか、ということについて書いてきたのですが、お伝えしたいのはこの一言です。夜、歩きながら話をしませんか? 
 安心して話せる環境を整えてお待ちしていますので、気軽にご参加いただけると嬉しく思います。名古屋という場所的制約もあり申し訳ないのですが、ご興味いただけた方は、ぜひ一度ご参加ください。現在は月に一度のペースで開催しています。申し込みはこちらからお願いします。

Love Life Project についてはこちらもご覧ください。

 また、名古屋には行けないけど気になるという方へ、私たち Love Life Project はこの 夜さんぽ が色んなところで自然発生的に開催される状況を作り出すことによって、「全ての人が生きることを愛する社会の実現」を目指したいと考えています。夜さんぽ を一緒に開催、開催を支援するということも考えておりますので、別途ご連絡いただけましたら幸いです。

 お読みいただきありがとうございました。

角羽

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