上空を漂うヘリコプター・マネー

〇高齢者と子育て世代の仁義なき戦い

 政治の目的はひとりでは解決できない暮らしの問題をみんなで解決することといえます。
 「ボケる」くらいに平和な日本において選挙とは万人の万人に対する税金のブン捕り合戦でしかありません。
 巷では「円安好況」とか言われ、たしかに日本経済のいくつかの指標はいい数値を示しているようです。
 問題はその恩恵にあずかれるかです。皆さんの給料は上がりましたか?生活は楽になりましたか?将来への不安はどうですか?

「働けど働けどなおわが暮らし楽にならざりじっと手を見る by石川啄木」な方が大半ではないでしょうか。豊かではないので、親に介護が必要なのに特養に空きがない、子供の教育費が足りないなどの暮らしの問題を自分の稼ぎを増やして解決する(入居費2千万の月額利用料50万円の有料老人ホームに入居するなど)ことができません。
 そこでもっと行政は自分たちの世代の暮らしにお金を使うべきだと、世代間の税金の分捕り合戦が始まります。だいたい高齢の世代が子育て世代より多く予算をブン捕っています。しかし高齢者は数が多すぎて行政の予算が全然足りないのが現状です。
 この問題の解決はひとつには分捕った税金の中身の無駄を省く。これは難しく若い世代の人には老い先短い高齢者で生活保護の人にがんの治療で税金を使い高価なオブジーボを使うのは無駄だという人もいるでしょう。逆に高齢者のなかには乳幼児の医療費免除は無駄、子供は風邪をひいて強くなる、無駄ガネ使ったらあかん、という人もいるので不毛な世代間の争いがはじまります。

〇MMT派に乗っ取られた財務省

 そこで増税して税収を増やし予算全体のパイを増やそうということになります。上級国民の学者・経済評論家・一部の経産省官僚によって財務省は緊縮財政をして日本に必要な予算を削り、国債の発行を減らそうとする悪者に仕立て上げられています。しかしMMT派に乗っ取られた財務省は政治家に言われるままに国債を発行しまくり日銀を国債のごみ箱にして予算というパイを大きくさせてきました。
 しかし国債を発行しまくって恩恵に預かるのは一部の企業とマネーゲームに参加できるほど資産のある上級国民のみです。お金を刷りまくった副作用である円安はウクライナでの戦争による物価高につながり下級国民を苦しめています。
 我らが下級国民は国債発行の恩恵に預かれないのはなぜでしょう。これは上からカネをばらまく国債では日本のピラミッド式の格差社会では下層まで届かないのです。給料の上がらない下級国民が生活の質の向上を願うなら上級国民の間でぐるぐる循環している「ヘリコプター・マネー(上空からばら撒くように国債を発行して生み出されたお金)」と呼ばれる国債のアガリをブン捕らなければならないのです。ではどうすればいいか。
 簡単です。幸いなことに日本は民主主義の世の中なので数の多い下級国民が上空を漂うヘリコプター・マネーをブン捕る方法を選択すればいいのです。その方法をお教えします。

〇上空を漂うヘリコプター・マネーのブン捕り方

 以前の記事でも紹介している消費税の増税と負の消費税のセットが効果的なのです。まず消費税を増税しましょう。そして税収から低所得者世帯の消費税の負担額に相当するお金(負の消費税)を全世帯に毎月ばらまくのです。
 これで実質中流以上の家庭の消費の額に応じた税負担になり、あまり豊かではない庶民(下級国民)の生活は影響されず格差の是正が実現できるのです。
 世の中、消費税を無くせば景気が良くなって国民の生活がよくなるとホラを吹く政治家・学者・経済評論家・一部の経産省官僚がいます。しかし彼らの言う国民は上級国民を指しているのです。上級国民にとって消費税が無くなれば2000万の高級な車や時計を買った際に払う200万円の税を払わなくて済むのです。そして減った税収分の穴埋めは公的サービスの質の低下(特養や保育園の不足)になり困るのは下級国民なのです。増税による積極財政とその副作用の軽減。これこそ今の日本がとるべき道なのです。


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