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マンション購入⑧ ~決心と不信感~

 他社物件の見学も終え、ますます、このマンションを買うぞという気持ちが強くなってきました。
 と、同時に、様々な迷いと不安も訪れるのでした。

 まずは、階数。

 もともと、1から3階を希望していたのですが、担当Kさんに、なぜだか4階で話を進められた。
ハザードマップ的にも、3階以上の方がおすすめです。
 と、このときは言っていた。
 じゃあ、お値段も安い3階でもいいのではないかと思い、3階の希望を伝えたものの、
3階にはまだ変えられます。そうなった場合は、見積りがより安くなったと思えるので、とりあえず、4階でお出ししました。 
とのことでした。
 これが1度目の内覧のときでした。
 そして、2度目の内覧時、マンションの図が玄関正面の壁に貼られているのですが、3階の希望の間取りに「商談中」と赤い花が飾られていました。

 私は元から、1から3階の希望でさらには3階の希望を伝えたはずでは?

「商談中ってなってましたけど、そう伝えていましたよね? 他の人で話を進めているってどういうことですか?」
「3階も希望できますよ。ただ、できるだけ被らせたくないといいますか、抽選になりますので」

 ほう。抽選になりそうだったから、前回、4階で話を進めようとしたのか。それは、随分と感じが悪い。
 それならそうと言ってくれれば、私も考えたのに。
 そのことは告げずに、4階をあたかも私が希望したように持っていこうとしたのか。
 そういうやり方は、なんだか嫌だ。

「4階は、友人のアドバイスもあり、却下したので、3階で話を進めたい、抽選でも構わない」

 いいようにされてたまるかという気持ちが勝ってしまったのです。
 こうなるから、だめなんですよ。
 判断にバイアスが入るので、こういうことはやってほしくなかった。
 Kさんは、わかりました、と応じました。

 それからは、悶々と階数のことを考えていました。
 冷静になってきたわけです。

 私だって、これから同じマンションで暮らすかもしれない相手と抽選(奪い合い)はなんだか嫌だ。
 1から2階は確かにハザード的に不安がある。
 4階は考えからけそう。
 じゃあ、5階はどうだろう。階段を使うにしても、降りる分にはそう気にならないように思える。
 Kさんに、3階と5階の眺望を送ってもらい、思案していました。

私としては、5階の方がハザードマップ的にも安心かと思います。

 そう言っていたKさんでしたが、翌日あたりのメールで、

3階を希望されていた方が抽選が嫌なのでとご辞退されました。3階もご検討いただけます。

 は?

3階の方が〇〇〇万円お安くなるので、その分、オプションも充実できます。

 は?
 言っていることはどちらも正しいのだろう。
 3階はハザードマップ的にやや不安が残るが、安く室内の設備の充実が図れる。
 5階は安全性が高いが、お値段は高くなる。
 そして、どういうことかということ、今度は5階が被ってしまったとのことなんですね。
 だから、今度は3階を進めてくると。

 ほら、そうなると、また、いいようになれたくない気持ちが強くなって、

「5階にしてください」

 とか言ってしまうわけですよ。
 そして、今も紋々としている。
 3階でもよかったんじゃないかって、迷っている。
 周囲の意見では、それくらいの値段の差なら5階の方がよいとの意見が多数だった。

 抽選になったとして、もはや、どちらの階でもいいから、すんなり決まってほしいと願うのでした。
 階数選びって、難しい。
 選べるだけに、難しい。
 Kさんは間違っていないんだけど、むなしい。

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