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ドラマ「イップス」 設定は良かったのに

※画像引用:フジテレビ

2024年春ドラマの代表作「イップス」が最終回を迎えてしまいました。
感想は、結論から述べると設定の面白さは十分だったのに物語には残念な点ばかりでした。

ネットニュースを眺めてるとドラマの視聴率の低さを俳優のせいにする論調が多いですが、それは嘘です。
ほとんどの俳優さんは完璧に役を演じていると思います。
俳優が役に合わないと言うならば、キャストを決定したプロデュース側が間違っているのです。

では9話から最終話まで簡単に感想を述べます。
ネタバレありなのでご注意ください。



第9話

借金を抱えた運のない男、宮永(萩原利久)。
闇金から逃げてる最中に借金取りを殺してしまい、さらに交通事故に遭ってその加害者が運悪く死んでしまう。
亡くなったのはマジシャン赤影、彼の家に会う約束をしていたミコ(篠原涼子)と森野(バカリズム)がやって来て、宮永は赤影の振りをしてやり過ごそうとする。

古畑任三郎でも犯人が被害者の振りをするという同じような話がありました。 
マジシャン赤影が顔バレしてないとはいえ無理に無理を重ねるので、犯人役の萩原利久さんが必死になるところが面白かったです。
死体を隠すトリックはわたしは全然わかりませんでしたが、森野ならすぐわかりますよねー。
低空飛行だった「イップス」では久しぶりに楽しめる話でした。

第10話

トンネルの手抜き工事に関わったとされる議員と建設会社社長が殺される。
死体の横には「令和のねずみ男」の声明文。
犯人はジャーナリストの新正(野村周平)。
彼は森野の姪の恋人でアリバイがあった。

新正のアリバイトリックは東京から大阪への夜行バスに乗っていたというものだけど、そのトリックが穴だらけすぎ。
自分は降りてスマホだけバスに乗せてたって、それはスマホのアリバイで人間のアリバイじゃない!

声明文残せば警察が発表してくれるなどと、大人の男が考えるにしては痛い、痛すぎる。
トンネル手抜き工事の告発か、当事者への復讐か、どちらかだけにすれば良かったのにね。

恋人役の松田るかさんの演技は健気で良かったです。

最終話

アパートで女性が殺された事件が発生。
胸には十字架が刺さっており遺体の上には犯行声明文が。
遺体の第一発見者がミコの弟の慧で、慌ててその場を後にする。

この時点で慧が犯人ではないのは明白。
彼が犯人ではないのを証明し、真犯人が誰かを推理するのがこの回のポイントとでした。

結果として慧のアリバイはミコが証明し、真犯人を指摘したのは森野。
アリバイは慧とミコが時間差で同じ和菓子店に行ったので証明できました。
そして森野が怪しいと思った人物の家を部下に調べさせると、凶器やら証拠がいっぱい。
ご都合主義すぎてミステリーと呼ぶのは辛い。

犯人が嬉しそうに犯行を独白するところは、たまたまですが「約束~16年目の真実」とかぶってしまいました。

ドラマ全体の感想

設定が面白かったので期待したけど、コメディもミステリーも振り切れてなくて残念でした。

でも1話だけは抜群に面白かったです。
イップスに悩むミコと森野の軽快なやり取り。
電撃ウィッチ麻尋の力の抜けたアウフグース。
サウナ施設のメニューや「ひよこ鑑定士連続殺人事件」などの小ネタ。
もう一度観たくなってきました。

篠原涼子のコミカルな演技は久しぶりに観られて嬉しかったです。
篠原涼子主演、クドカン脚本の「ぼくの魔法使い」が大好きでした。


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