日記

暑い
暑すぎる
ちょっとふざけてるんじゃないのだろうか
外に出ると、太陽光にジリジリと肌を灼かれていると恐ろしいくらいに感じる
しかし、インドアを極めている私にとって、たまにはこんな日があっても良い。と思い昼頃に買い物に出かけてみたが、これは本気で死人がでるぞ!?
私の子供時代は、美化されている可能性は大いにあるが、もう少し夏でも涼しかった気がする。
少なくとも、母親に、午前中の涼しいうちに宿題やっちゃいなさい。と小言を言われていた記憶はある。

私は体力が無いので、この時期に大量発生するミミズのミイラにシンパシーを感じるのだが、どうやら私の近所の方々は大変元気な方が多いようで、
彼らはかき氷屋に並んでいるのだ。
この暑さの中。
死ぬよ!?

しかも5.6組の老若男女が。
死ぬって!

以前、そのかき氷屋には行ったことがあるのだが、個人商店であり、また流行の果物を凍らせてそれでかき氷を作る。といったこぢんまりとしたお洒落な店である。
ちなみに、私がお店に行ったのは6月ごろだったため、人は少なく、ゆっくり友人、先輩と堪能した。腹は壊した。
つまり、小さいお店なので入れる人数は3.4組程度、かつそれなりに提供に時間がかかり、かつ、お洒落なため皆写真を撮ったりすることから、回転率はあまり良くない。

、、、本気で死ぬぞ!?

かき氷屋に並んで死にたく無い。と私は思ってしまう。
あくまで個人の、体力の無い人間の意見だが。

じゃあ、何なら列に並んで熱中症になってもいいと思えるだろうか。

いや、別にかき氷屋に並んでいる彼らも、熱中症にはなりたく無いだろうと思うが。
なんなら、暑いからかき氷を食べたいのだろうが、そのために暑い中並ぶのは、涼みたいという思いに対して若干矛盾してないか?

私はアンジュルムというアイドルのオタクなので、彼女達のグッズであれば、多少暑くても並ぶかもしれない。しかし、恐らく並ばなくてもいい方法をどうにか考えるだろうし、流石にこの気温だと、諦めるかもしれないとも思う。

それか、不謹慎な考えかもしれないが、何か災害があり、食べ物を配る列になら並ぶ。
なぜなら並ばなければ、ご飯がないからだ。

正直、この気温の中並ぶという行為は、私にとってここまで切羽詰まらなければやりたくない行為であるなと考えつつ、かき氷屋に並ぶ人を横目に、その隣のあまり聞いたことの無いチェーンの定食屋に昼飯を食べに入った。

初めて入ったのだが、お客さんは3人ほどで、店は割と広いため、お父さん?に連れられた小さい子供2人が、非常にのびのびと座っていた。
いい店だ。
早速注文をと思い、注文口で70代位の男性に、ごまだれぶっかけうどん を注文し、水を取って席で、暇つぶしになんとなしにスマホを見た。

店員のお爺さんは、もう1人の店員のお婆さんに向かって、ごまだれぶっかけうどん と言う。
 えぇ?
お婆さんは聞き返す。
 ごまだれぶっかけうどん!
お爺さんはもう少し大きな声で言う。
 何?聞こえない!
お婆さん、怒る。
 だから、ごまだれぶっかけうどん!!
お爺さんも怒る。 
この店大丈夫か。
 ごまだれ!!
 ぶっかけうどん!!!
お爺さんはだいぶ怒っている。
私は怖がっている。
 ごまだれぶっかけそば??
お婆さんが険のある声で聞き返す。
私は壁にかかったお品書きを見る。
この店は蕎麦は出していない。
 違う!!!
 ごまだれぶっかけうどん!!!
お爺さんは怒鳴っている。
 ごまだれ丼??
お婆さんは聞き返す。
ごまだれしかかかっていない丼はちょっと遠慮したい。
 ごまだれ!!ぶっかけ!!うどん!!!!
お爺さんは怒鳴っている。
 ああ、うどんね。
急に冷静になるお婆さん。

沈黙

険悪なムードの中、お客さんは次々に帰っていき、私一人になった。

  20番の方ー
朗らかなお婆さんの声に呼ばれる。
 860円ですー。
 はい、ちょうど。ありがとうございますー。
これまで声しか知らなかったが、とても優しそうな見た目のお婆さんが、愛想良く接してくれる。

なぜかあの会話で注文通り出てきた、あまりコシのないごまだれぶっかけうどんを啜る。

 昨日のオリンピックのバトミントン見た?
突然、雑談を振るお爺さん。
 見てない。
なぜかそれは聞こえているし、秒速で会話を終わらせるお婆さん。
飲食スペースに一人きりで食べる私。

食べ終わり、挨拶をして外に出る。

暑い。
暑すぎるが、この日差しにどこかホッとしている自分がいる。
隣のかき氷屋の列はさっきより伸びている。
暑い中並んでいる彼らに、
 涼みたいなら隣の定食屋に行ったほうがいいですよ。
とは言えなかった。