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永見稀世良について改めて考えてみる

 改めて彼女のことを書こうと思うと、いろいろある中でもやはりまずはその不遇さについて述べなくてはならない。Erewhon本編での彼女は最初はミステリアスな秘密のあるようなヒロインとして描かれており、その挙動一つ一つがなにかしらの思惑があるのではないだろうかと邪推してしまったが、結局のところ永見稀世良という個人にはなんの悪気や思惑もない純粋な恋心(憧れ?)が根底にあるだけなのだった、というのは筆舌しがたい感情になったのを覚えている。しかしそのあまりの純粋さと後半の出番の少なさから友人たちと感想を語り合っているなかでもまだあの村と彼女に心残りがあるような未練を多少なりとも感じていた。そこでその気持ちを少しでも紛らわせるためにpixivでファンイラストでも見るかと思い、運命(ル・レェル)を知ることになる。たったの3件。まだメスオオアリクイのR18イラストのほうが多いんじゃないかと思えるほどの不遇っぷりに覚醒し、そこからは自分の永見稀世良ジャンキーの日々が始まる。

 それは置いといて彼女の属性を一言で表すなら、端的に出来事から考えれば「生贄」だろう。神の供物としてささげられ、それが果たされなければ御三家の延命のために腹を裂かれて死んだ彼女が自分の人生をどう感じていたかは知らないが、最期まで笑顔であったところがまた自分としてはたまらないポイントでもある(あの笑顔が達観なのか結ばれないことへの諦めなのかはわからない)。ちなみに彼女の肉が食べられていた理由は明言されていないものの恐らく太歳を食べた両親から生まれた娘だからと考えている。なので巫女なき後のあの村がそのまま続いていたとしたら、御三家は自分の子供を数年に一回自ら捌き食すというこれはこれで最悪の祭りになっていたであろう。稀世良はそんなモラルの無い狂気の村の中でさえ変わった子扱いをされていることや、自室の中にはかたづけられていない様々な書籍があることからどちらかというと自分の世界に入りがちな生活能力皆無の箱入りお嬢様であっただろう彼女。そんな彼女の人生に救いがあるかはわからないが公式はもう一度彼女の可能性を信じて出番という救いを与えてあげてほしいと願うばかりだ。

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