誕生日会
小学生の頃、Kの誕生日会に誘われた。俺とKはまあ話したことあるけど特に遊んだことないな、という仲だった。ただ当時の自分はそこまで深く考えず、「誕生日会」という単語にテンションが上がったから行くことにした。
そこからはプレゼントを選んだりしてワクワクしながら過ごした。Kが誰と仲良いのかを知らなかったので、誰が来るのだろう?というのも楽しみだった。
そんなこんなで当日を迎えた。プレゼントを持ってKの家に行くと、KとKの家族に優しく迎えられた。他の友達はまだ誰も来ていないな、と思っていたらそのまま誕生日会が始まった。その時になって初めて、誘われているのが自分だけだったことを知った。とりあえずプレゼントを渡してケーキを食べた。
ただ、一通り流れが終わって、2人で遊ぶ、となると少し困ってしまった。それまで2人で遊んだことなどなかったからである。そこからどうやって時間を潰したのかは覚えていないが、「Kの家族が見ているのだから仲良くしなければいけない」と必死だったことだけを覚えている。そして17時頃に門限を盾にして帰宅した。
結局、その後Kと話すことはなかった。そもそもそこまで仲が良かったわけでもなく、クラスも違い、別々の中学に進んだからだ。この誕生日会が、Kの発案だったのか、親に提案されて断りきれなかったらのかはわからない。俺以外にも声をかけたけど軒並み断られたのか、なんとか勇気を出して声をかけられたのが俺だけだったのかもわからない。
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