渋谷再開発計画 渋谷駅のホーム移設について
渋谷再開発計画とは
1.はじめに
渋谷駅は、2027年の完成を目指して新たな構想が進められています。現在の渋谷駅は閑静なエリアと繁華街が混在しており、多くの人々が行き交う場所として知られています。そんな渋谷駅をさらに魅力的な都市の中心とするため、再開発計画が進展しています。新たな渋谷駅では、駅舎や施設の大幅な改修が行われる予定です。これにより、より利便性の高い駅空間が提供されるだけでなく、さまざまな新たな魅力を持つ施設が誕生することが期待されています。渋谷駅が一層発展するための構想について解説します。
2.計画の概要
「エンタテイメントSHIBUYA」は、新しいビジネスや文化を世界に発信し続けるため、都市機能の課題解決を目指して9つの再開発プロジェクトを進めています。このプロジェクトでは、下の画像を通じてその概要を示しています。
エンタテイメントの拠点としての渋谷を更に魅力的な場所にするため、様々な施設が計画されており、都心の中でも人々が集まるスポットとなることが期待されています。
3.渋谷駅の大規模工事
渋谷の再開発プロジェクトの中でも注目すべきは、渋谷駅の工事です。この歴史ある駅も再開発によって大きく変わります。渋谷駅は多くの人々が利用する交通の要所であり、今回の工事が完了することで、さらに便利で快適な駅になることが期待されます。だからこそ今回の大規模な再開発工事の機会に渋谷駅のホームを移設するという近年稀に見る大規模工事が行われました。
渋谷駅ホームの移設
1.銀座線
この渋谷駅大規模工事に際して、ホームの移設は3ヶ所で行われました。そのうち最も大きい工事となったのがこの銀座線です。銀座線は渋谷駅が線路の端であり、JR線の上を交差する形で伸びていました。そして、ホームはハチ公広場に接する場所に位置し、東急の中に組み込まれていました。それが今回大きく位置をかえ、JR線を跨がない形でホームを移設する形となりました。
JR線を跨いで、渋谷マークシティ側にあったホームを東口の方に移設しました。
また、銀座線渋谷駅は線路の端のため今回の工事で渋谷マークシティ側の線路は不要となると思われる方もいるかもしれませんが、銀座線は渋谷マークシティ内に車庫を持っているため、移設後に残った線路はそのまま残す予定です。
今まで、ホームの位置が分かりにくいと、不便を訴える声が多く上がっていた銀座線ですが今回の工事でよくわかる位置で、よく目立つホームに様変わりしました。
2.埼京線
埼京線のホームはほかの路線のホームから南に遠く離れており、渋谷駅ではあるもののその遠さから南渋谷とも揶揄されてきました。このホームの配置の理由は貨物線を埼京線として旅客化した際に、山手線の周辺にホームを設置するスペースが無かったからです。
その後、山手線ホームの真横にあった東急東横線の渋谷駅は地下化。そして渋谷駅周辺の再開発にともない、埼京線ホームは山手線と同じ位置に移設されました。残された旧ホームの一部は通路として使われています。
3.山手線
山手線の工事では、外回りの線路を少し外側に移動します。 そして、現・内回りホームをさらに拡張し、内回り/外回りのホームが統合され、最大幅16mの安全な、広い島式ホームへと生まれ変わります。外回り電車を大崎~池袋間で全面運休しての大工事を経て、内・外回りホームが「1本化」されたのです。
山手線と埼京線の二つのホームを移設したことによりこれらのホームは横に並ぶ形で配置され、綺麗にまとまったホームとなりました。
今回のこの工事によって渋谷駅は以前とは比べ物にならないほど駅の利便性が増しました。また、区画が整理されたことによって周辺の開発も進みます。このホーム移設工事は渋谷再開発計画にとっても中心となる工事です。
最後に
まとめ
渋谷駅周辺は、JR線や国道246号線などにより東西南北に分断され、駅構内も各鉄道会社による移設や増改築によって複雑化していました。また、谷地形により、回遊しづらい点も長年の課題でした。
この再開発では、分断された街をつなぐべく、駅周辺に広がる歩行者デッキを設置。施設周辺には、立体的な歩行者動線「アーバン・コア」を整備し、回遊性の向上を図ります。また、駅構内では、JR線と東京メトロ銀座線のホームの移動により、地下化した東横線や東京メトロ副都心線との乗り換えが便利になります。
また、今後も大規模な工事が予定されているので、渋谷再開発計画からは目を離せません。完成は2027年を予定しています。
今後の渋谷周辺開発予定
2023年11月以降開業予定:渋谷サクラステージ(Shibuya Sakura Stage、渋谷駅桜丘口地区)(地上39階・地下4階建てなど、西口歩道橋デッキとつながるJR線路沿いの一帯約2万6000平方メートルにおよぶ大型再開発
2024年度上期開業予定:渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH、渋谷二丁目17地区)(地上23階・地下4階建て、渋谷ヒカリエに隣接する「シオノギ渋谷ビル」などの跡地約3460平方メートル)
2027年度竣工予定:渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト(Shibuya Upper West Project)(地上36階・地下4階建て、東急百貨店本店跡)
2027年度開業予定:渋谷スクランブルスクエア第2期(中央棟・西棟)(地上13階・地下5階建てなど、駅西口側、東急東横店などの跡)
2029年度竣工予定:シブヤ・リジェネレーション・プロジェクト(Shibuya REGENERATION Project、渋谷二丁目西地区)(渋谷ヒカリエの裏手一帯、東京建物・UR都市機構などによる1万8800平方メートルにおよぶ大型再開発)
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