見出し画像

Scope3を算定する上でのこだわり

株式会社Green Guardianでは製品や組織のLCA分析、Scope3評価を行う際に
基本的に"手動で計算を行う"ことを大切にしています。
時代的には恐らく自動AI分析ツールを駆使して分析・評価にかける時間やコストを削減することが求められていると思います。
(製品評価ならまだしも、組織のScope3評価となると収集しなければならないデータは膨大であり、現場の負担はかなりのものになります・・・・)
もちろん我々もその点はかなり意識をしており、手動でも企業担当者の負担が少なくなるような工夫をしながらサービスの提供をしています。
ただ、それでも何故手動にこだわるのか、という点を今日は少しお話ししたいと思いnoteを書いてみました。

【こだわる理由】

  1. 評価の目的によって必要なデータ・算定方法が変わってくるから
    LCA分析やScope3の算定には、さまざまな目的があります。外部に公表する、削減目標を設定するために利用する、サプライチェーン全体の排出量を把握するために利用するなど、目的によって必要なデータや算定方法が異なります。
    そのため、最初に丁寧なヒアリングを行い、目的を明確にすることを意識しています。目的が明確になったら、その目的に合った必要なデータや算定方法をご提案するようにしています。

  2. データの収集・管理を徹底したいから
    特にScope3の算定では、膨大なデータの収集・管理が必要となります。データの質や精度が低い場合、誤った結果を算出する可能性があります。
    かなりアナログな方法ですが、手動計算をすることで上記のような事態にならないように気を付けています。

  3. 使用する原単位を独自に作成したいから
    LCA分析やScope3の算定は、基本的に下記の計算式になります。
    = 活動量×原単位
    使用する原単位はIDEAなどのデータになり、基本的に共通の数値になってきます。
    ただ、企業が排出量の低い製品の開発を行った場合や、植林活動などによる排出削減を行っている場合、どこかで削減努力をしているということになるので、その部分の原単位の数値は下げてあげるのが理想ですよね。
    なので我々は独自原単位を作成することで、より実態に即した算定結果を出そうとしています。
    恐らく独自原単位の作成ができる人はそんなに多くないので、この部分をカバーできる企業は稀かもしれません。

  4. 算定方法の適切性を確認したいから
    LCA分析やScope3の算定方法は、さまざまなものがあります。算定方法によって、算出される結果は異なります。
    そして企業、製品ごとに適切な算定方法は異なってくる場合も多々あるため、逐一カスタマイズして算定・評価・分析を行うように心がけています。算定方法の適切性を確認するには、以下の点にも注意しています。
    ● 算定方法の根拠を理解する
    ● 算定方法の適用範囲を確認する
    ● 算定結果の妥当性を検証する

以上が、LCA分析やScope3評価を行う際に基本的に”手動での計算を行う”ことにこだわる理由になります。
使用する原単位や算定の仕方1つで結果がかなり変わってきてしまう点は我々にとっても常に悩みのタネではあるのですが、、
何故その数値になったのか、という点をきちんと説明できるように、その後の対策にきちんと結びつくように、ということを意識して日々算定・分析・評価と向き合っております。

弊社では製品・組織レベルでのLCA分析やScope3評価などをサービスとして提供しておりますので、ご相談がありましたらお気軽にご連絡下さい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?