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針仕事

ウールの着物を解いて腰紐を作った。
久しぶりに手縫いで縫っていく。 
指抜きを嵌めてタタタタタ、と運針していく。

時折り運針の糸を緩めて、緩みを針の頭で全体に散らすと縫い目と布が馴染んですっと落ち着く。

ミシンは太い針を機械的にブスリブスリと刺して進み、どうも布が痛がってるような気がしてしまう。

私の不器用な運針は呑気に布の上を余所見しながら歩いたりして糸目も緩い。 
ビシッと感はないが布は痛くはなさそうだ。

時々歩みを緩ませて歩いていたらいつの間にか終わりが来る、こんな風に生きたいもんだなぁと縫い物しながらしみじみしてしまった。