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インド5日目 バラナシを去る

ジェイくんとのお別れ

バラナシからデリーに移動する日だ。朝9時にガートでケンタロウと待ち合わせして空港に向かう約束をしていたが、その少し前にジェイくんとチャイを飲む約束をしていた。
思いのほかモタモタしてしまい、8:30頃に会うことになった。
ジェイくんからケンタロウに、待ち合わせ場所の変更を連絡してくれていたようなので安心してついて行った。
朝にチャイを誘うのさすがインドだな…と。ジェイくんは友達と一緒にいて、意外とこちらに構う様子がなかった。やはりfake loveなのか…。チャイのお金も3人分ジェイくんが払ってくれた。(1杯5~10ルピー)
店の人が紙コップに入れたチャイを運んでくる。手に取るとフニャッと、今までにない柔らかい感触がした。よく見ると紙コップに乾いたチャイの跡がある。
これは使い回された紙コップだと悟った。この街はチャイを飲み終わったらそのままポイ捨てして、朝特定のカーストの人がまとめて掃除する(徳を積んで来世でもっと高いカーストとして生まれ変わるらしい)。きっと掃除される前に拾い集めた紙コップなのだろう…
もはや飲みたくなかったが失礼なことは出来ず、一気に飲んだ。
飲み終わるとジェイくんは友達と解散した。
ペットボトルにガンジス川の水を汲みに行く。ガンジス川の水面は油が浮いていた。
大腸菌、工業排水、遺体エキスのパラダイスだ。

ジェイくんにガイド料金を払い、両替もして貰った。1万円で5700ルピーで過去最高に良心的。

少し遅れてケンタロウと合流する。電波が悪いながらにuberでタクシーを手配しようとくれていたが、宿の近くではなかなか捕まらないようだった。
歩きながら捕まえようとの事で、ジェイくんとお別れ。また連絡してよと。(あれから1ヶ月経つがまだ尚連絡をくれているのでやはりtrue lov…)
寂しいが最高のバラナシ旅を終え、ケンタロウとタクシー探しの旅に出る。

ジェイくんありがとう!

バラナシ空港へ

途中リキシャーのおじさんに声をかけられ、ケンタロウが全て交渉してくれた。
500ルピーでって言っても600,700をせびってくるようでかなりしつこかったが、自分は見ているだけだった。なんて楽なんだ。
5分くらい歩き続け、ようやく話がついたようだ。運転手は私の荷物を引いてリキシャーの方へ向かった。
リキシャーについてから再度確認する。「2people and 1 laggage で500ルピーね?」
運転手、ちょっと考えてニヤってしながら「スーツケースをリキシャーまで運んだから600ルピーだよ」って。
ケンタロウがすかさず、「you said 500! we're friend!」と。
交渉する時にそんなふうに言えるのスゴすぎる。自分はいつも睨みを効かせながら交渉してた。
それからもお互い渋りまくって、500ルピーにしてくれた。ケンタロウ、握手してたし精神力凄すぎる。在庫管理とかの仕事をしてるって言ってたし、交渉が上手いことも納得だ。

ようやく空港に向かう。空港までの1時間ほどでインドで何をしていたか、ラッシーで苦しんだ話、その頃ケンタロウは不思議な葉巻を吸っていた話、インド人あるある、ジェイくんの話……インドの思い出がどんどん出てきた。お互いにひとり旅だったので、共感できる相手が居ることが新鮮だった。
夢を見ていたかのようなカオスで楽しかった日々が、現実のものに色付けされていくようでずっとこの時間が続いて欲しかった。
ジェイくんのことは「心細い土地での頼れるインド人友達」という感じで、一緒にビールを飲みながらプージャを見たりもしていたそうだ。

ケンタロウとのお別れ

空港に着いてからもフライトまで1~2時間ほどあったので、フライトを待ちつつご飯を食べた。
ここに来てイタリアン風ピザを食べると思わなかったw普通に美味しい。

トマトモッツァレラバジル的な

ケンタロウはムンバイ行きのフライトで、時間になりサヨナラした。

自分のフライトが遅れていた為しばらく1人で待っていた。
するとガンジス川の祈り方を教えてくれたヒンズー教の家族から電話がくる。相変わらず何を話してるのか聞き取れないが、とりあえず元気そうだった。また会いたいな。
走馬灯のように濃すぎるバラナシの日々を振り返る。どこを切り取ってもこの上なく宝物の思い出だ。

離陸まで

フライト待ち中、いかにも日本人の女性が横に座ったので話しかけてみた。彼氏さんと来ていて、彼氏さんは食あたりで休んでるらしい。
2日前にジェイくんについって行ってるところを目撃されていたらしく、インド人に連れてかれてるけど大丈夫かな?って思ってたらしいw
日本人少ないからよく目立つのね。
これからニューデリーに行ってその足で電車でアーグラに行くらしい。やっぱりタージ・マハル人気だな。

少し遅れて飛行機搭乗時間になる。
ビスタラエアーが動いているのが見えたので、ケンタロウの飛行機はあれかな?と思い写真を撮っておいた。彼の方もエアインディアならあれかな?と写真を撮っていたようだw

ケンタロウの飛行機
私の飛行機

国内線ではあるが、外国人観光客が多かった。きっとインド人は安いバスや電車を使っていくのだろう。

修羅の国、デリー。ジェイくんはデリーの人間は信じてないと言っていた。
バラナシの人間すら信じられなかったが、デリーの人間は更に信じられず気が重い。ずっとバラナシにすれば良かった…そんな気持ちでデリーへ向かった。

おわり

──デリーでの日々は、知り合いのカントさんのおかげで危険な目には合わなかった。それと同時に旅の中身も薄い。
なのでまた気が向いたら書くかもしれないが、備忘録は一旦ここまでとする。

インドのいい所、悪い所…それは表裏一体な気もする。
私たちは自分に嘘をついて体裁を守るが、インド人は自分に嘘をつかず、他人に嘘をつく。
お金が欲しかったらあの手この手でお金を巻き上げるし、人が困ってたら助けたいがために分からなくても適当に答える。
周りの目を気にして自分を制限することなく、未来を考えて不安になることもなく、自然体でいる。
そんな生きる事に対する気楽さを感じられた。

インドの勢い、面白さは絶対に日本にいたら感じられない。全ての悩みがどうでも良くなるので、もし悩み事があれば何も考えず行ってみて欲しい。バラナシなら大丈夫だ。

長々と読んで頂きありがとうございました。

修羅の国デリー

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