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【今週の週末ごはん】#1 梅酢に漬けたぶりのポワレ・白菜と人参のクリームソース

我が家は平日夜は基本「各自自由」、週末は可能な限り夫婦で食卓を囲む。
夫は帰宅が遅い職種(日付が変わる前後)なので平日にごはんを用意しても食べるのが遅過ぎて身体によくないし、お腹も空く。故に平日は各自食べたい時間に食べたいものを食べ、その代わり週末は予定を合わせ、ゆったりとおしゃべりしつつ時間をかけて食事を楽しむスタイルに自然となった。
そうした時間に適したお酒は、我が家にとってはワインだ。秋田県人の酒飲み夫婦であらゆる種類のお酒を呑むが、リラックスするのに最も適したお酒は赤ワインだと思っている。フランスやスペイン、チリ、ニューワールド等様々な国のワインを試し、イタリアやポルトガルのテーブルワインが我が家好み。国産ワインも最近はよく飲む(山ぶどう系品種か、新潟のカーブドッチが好き)。
それらのワインに共通する特徴は、普段使いに適した味、食中酒として優秀であること。個性が立ち過ぎず、食事をより美味しくしてくれる。時間と共に香りや味が変わって行くのも良い。週末の一食あたりおよそ1本の目安で、1時間半~2時間ほどかけて食事をする。

そんな訳で、ワインに合う料理を習得するようになった。習ったことはなくあくまで我流だが、各地で食べた美味しいものと長年集めて来た料理本、ネットから得られる新しい情報を参考に、より美味しくなる工夫を(執念レベルで)しているので我が家的には美味しい。近年は名店のシェフの方々が料理動画を上げてくださり、貴重な知識やコツを画面越しに習得できるようになったので、より求める美味しさに近付いているように思う。
そうした我が家の週末ごはん。特に記録に残しておきたいものを、この場所に留め置いて行きたい。

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先週は美味しそうな鰤の切り身を買えたので、ポワレにしたいと思った。皮目パリッと中ふっくら、秋冬の鰤は旨味が豊かでさぞ美味しいに違いない。数日冷凍したので念のため焼く直前に梅酢に漬け、臭みを抜くと同時に旨味を補い、表面を引き締めしっとり仕上がるよう狙った。
合わせるソースは優しいまろやかな食感と味に。パプリカやトマト等のはっきりした味のソースも合わなくはないが、この日の気分的には乳製品の柔らかさ、それも濃過ぎない感じが欲しい。舌触り良く甘い白菜と味が締まる人参を使い、丸みを出すためスライスした玉ねぎも使った。ソースのベースは干し肉+魚介系、フュメドポワソンの粉末を使用。蒸したあさりを刻んで入れても良いと思う。

ほっくり焼けた鰤に優しい味のソースがとてもよく合います

《梅酢に漬けたぶりのポワレ・白菜と人参のクリームソース》2人分
1)鰤の切り身(人数分、2切れ)は焼く直前に梅酢に15分ほど漬けて臭みを抜き、身を少々締めておく(漬け過ぎると締まり過ぎるので注意)。⇒自家製梅干しの梅酢(市販の梅酢より塩分低めの10%前後)使用。これだと身が締まり過ぎず、臭みも程良く抜けてふっくら仕上がる。
2)その間にソースを用意。白菜1枚は繊維に逆らう方向で2mm程度に刻み、その1/4程度の人参は火が通りやすいよう小さめの薄切りに。玉ねぎ(白菜よりやや少ない)はごく薄くスライス。美味しいベーコンやパンチェッタの脂を熱したフライパンでまず玉ねぎが透き通る程度に弱めの中火で炒め、次に人参を加えて脂が回るまで中火で炒め、最後に白菜を加えて軽く塩をし(水分を出す)、全体をざっくり混ぜたら火を弱めて蓋をし、しんなりするまで蒸し焼きに。
3) 2)に小麦粉大さじ半分程度を振り入れ、粉臭さがなくなるまで具材に混ぜながら炒め、軽く温めた牛乳100ccとフュメドポワソン適量、ナツメグ少々を加えて弱火で熱し、とろみがつくまで煮る。味をみて塩・白胡椒で調えソースの完成。
4)梅酢に漬けた鰤の水気をキッチンペーパーできっちり丁寧に拭い(特に皮目と身の間に水分が残らないように)、胡椒とタイム少々をまぶして表面にごく薄くまんべんなく薄力粉をまぶす。余分な粉ははたいて落とす。
5)オリーブオイル大さじ半分を熱したフライパンで4)の鰤を焼く。十分熱した厚手のフライパンで、最初に皮目を押し当てしっかり焼き目をつけ、更に各面がきちんと焼かれるよう順番に面を押し当て、必要に応じオイルを足しながら焼いて行く。全ての面の色が変わったら盛る際に下になる面を下にして弱火で蓋をし、全体に熱が通る程度に蒸し焼きに。
6)温めた皿に3)のソースを平らに盛り、その上に焼いた鰤を載せてできあがり。お好みでレモンやすだち、かぼす、柚子などを添えても。

いやー大変美味しかったです。厚みのある鰤の臭みをとって旨味を加える点で、梅酢は最適かも知れない。市販のだと少々塩気が強過ぎる気がするので、漬け時間を短くするか、或いは少量の水か米酢、りんご酢等柔らかめの酢で薄めて使うと良いかも。

この日の他のメニューは、
◆シルキースイート(さつまいも)とりんご(親戚の山形産)、レーズンのサラダ(ほぼ主食。さつまいもは茹でて食べやすい大きさにカットして微量の牛乳と混ぜ、りんごはダイスカット後塩水に浸けてから軽くレンチン。レーズンはぬるま湯で戻し、全体を混ぜる際に柚子の絞り汁少々)
◆ほうれん草ととら豆のギリシャ風煮(スライス玉ねぎと茹でほうれん草をやや多めのオリーブオイルで炒め、皮むきトマトと茹でた豆、ディルを加えて軽く煮、塩で調味)
◆グリンピースの炒め煮(美味しいベーコンの脂をみじん切りにして玉ねぎと炒め、グリンピースを加え、さやで取ったブロード少々で軽く煮る)
◆鹿肉のリエット(横浜ジビエフェスタにて購入。とても美味しい)
あと美味しいパン。

どれも美味しかった。夫が特に喜んだのがグリンピース。最近は冷凍ものも美味しいけれど、生のさや入りは香りや食感が全く違って目を見張るほど美味しい。見つけるとつい買ってしまいます。
シルキースイートは名前通り、なめらかで甘くて蒸すか茹でるかで十分美味しいので余分な手や味を加えずシンプルに。りんごは芋と食感が離れすぎないよう、レンジで軽く加熱。
ほうれん草と豆の組み合わせは、滑らかに煮るためいつもより少しだけオリーブオイルを多めに(小さじ1⇒大さじ1ぐらい)。オリーブオイルは加熱時に食材を柔らか&滑らかにする作用もあり、用途に応じ量を調整。イタリア料理やギリシャ料理に、その辺りのコツが豊富な印象を受けています。

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