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雨あがりて #6


☆-HIRO-☆ 第六話
2024年7月8日(月)

第五話はこちら


第六話 寄り道をして

途中、国道沿いに駐車場の広いコンビニがあり、寄ってもらった。

冷房のよく効いた店の中に入り、奥の飲料コーナへ向かう。
また気持ち悪くなるといけないので、缶コーヒーはやめておき、無糖の紅茶を手に取った。
右に回り、チルド棚に沿ってレジに向かう。カップの珈琲が目に入り、ストロー付きなら運転中でも飲みやすかろうとこれも手にする。
その先の棚を見て“今は要らないけど朝から何も胃に入れてなかったな…後でお腹が空くかも…”と思い、サンドイッチとホットドッグ、それに小さいパックの牛乳も取り、レジに行って会計する。
袋は持っていなかったので、レジ袋に入れて貰った。

袋をガサガサ云わせ車に乗り込むと木俣さんは電話をかけていた。
“…そうなのよ…まったく笑っちゃうわよね…あっ、それじゃまた後で…1時前には着くと思うから…うんうん…それじゃあね…”
電話を切るとレジ袋を見て、
「なんかずいぶん買い込んで来たわね…なんなら店ごと買い占めても良かったのよ…」と言う彼女に…
「はい、コレ…」とカップの珈琲を差し出す。
「あら、コレ私のお気に入り!…良く知ってたわね…」
「いや、たまたま手に取っただけですよ。送ってくれるからお礼代わりです…」
「随分タクシー代が安く上がったわね…じゃ遠慮なく…」
彼女は受け取るとすぐにストローを外し、勢い良くフタに差して一口飲んだ。
「良く冷えてて美味しい…それじゃ行きますか…」
方向転換して国道に出る。彼女は元気よく「それでは出発進行〜」と宣言した。

「さっき電話してたのはお姉さんですね。やっぱり事務員さん?…」
「いえ、姉は医者なのよ。私とは出来が違うのね…でも医者の仕事も大変みたいよ…勤務時間は長いし、当直夜勤もあるし…自分の時間が全然取れないってぼやいてたわ…」
「はあ、そうなんですか」
「私みたいに気楽に座って、決められた仕事こなせばいいなんて訳にはいかないから…それに近頃は何かあれば医療訴訟とかもあるから、余計に神経も使うって嘆いてたわ…今日は午後から空いてるそうだからゆっくり会えそう…お互い近況報告しなきゃ…」
しかしよく喋る人だ。ほとんど相槌を打つだけだが、タイミングとか声の調子を合わせるのに段々疲れてくる。話しを聞きながら外の景色を眺めることにした。

車が向かっている方向を見ると、空が黒雲に覆われ始めている。
みるみると暗くなってきた。


☕ Tea Break ☕

街中のどこにでもあるコンビニ…
もはや当たり前の存在となっています。

日本で最初にコンビニがOPENしたのは1974年5月のこと。もう半世紀前からあるのですね。

当時は物珍しさにお客が殺到したとか。記念すべき売上商品の第一号はサングラスだったそうです。
当時アメリカで売れ筋商品だったのを参考に、レジ近くに置いていたそうです。その時に要る物でなく、ついで買い狙い?の商品が最初に売れたと言うのも面白いですね。

その後、様々なチェーン店が生まれ、また消えていったものもあります。今は大手4-5社ほどが競ってる状況のように見受けられます。

コンビニは時間がない時でも、要る物だけサッと買えるから便利ですね。基本的に定価販売…例えば飲料でも同じ物をスーパーで買えば半値近くで買う事ができます。
まあ、“買い物に行く時間や手間をお金で買う”…という事になるのでしょうか。

最近、福岡は外国人の店員さんが目立ちます。これは全国的な傾向なのだろうと思いますが。
肌の色からして東南アジア系の人達でしょうか。日本語も流暢なようですが…「いらっはいまて〜、ありあとました〜」と聞くとガクッとします。(笑)

各店、パン、スイーツ、お弁当、フライ物など特色を出して売り上げを競ってるようです。

皆さんお気に入りのお店はどこでしょうか。


次回は 「第七話 激しい雨」
ご期待下さい。


#創作大賞2024 #ホラー小説




 

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