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iMUSEプラズマ乳酸菌について、キリンさんのHPから考えてみた件

テレビを見ていると、天海祐希がガンガンに宣伝しています。
子役が「天海祐希に似てるな~」と思うのは私だけでしょうか?
CM出稿量からして、かなり推してる商品のようです。
バリバリの社長案件でしょう。

出典 プラズマ乳酸菌 免疫ケアスペシャルサイト|免疫で日本初!機能性表示食品 プラズマ乳酸菌 iMUSE(イミューズ)|キリン (imuse-p.jp)


さて、そんな話は置いといて、「それって一体どうなのか?」
効くのか効かないのか、どっちなんだ?
てことを考えてみます。

専門家ではないのですが、自然免疫について調査をしてきた流れの中で、「天海祐希の商品はこの細胞に関連していたのか!」って驚いた発見があったので、取り上げてみたってことです。

キリンさんの主張

キリンさんが言うには、なんでも「プラズマ乳酸菌がプラズマサイトイド樹状細胞(形質細胞様樹状細胞(pDC))を活性化させ、免疫が向上する」とのこと。

写真でも、「免疫対策」
「医師の約92%が信頼できる」
「プラズマ乳酸菌1000億個配合」
「日本初の免疫の機能性表示食品」
と謳っています。

さて、そのpDCです
勉強不足かもしれませんが、私が調べた限りでは、自然免疫細胞の中では、そんなにメジャーなプレイヤーではないのです。

白血球内でのpDCの割合

白血球の表の赤丸で囲んだのが樹状細胞(DC)で、pDCはその亜種になります。

白血球一覧  樹状細胞は自然免疫細胞で適応免疫を開始させる働きがある


本筋の樹状細胞ではないのがまず、気になります。
DCは白血球の1%以下と言われてます。
さらに亜種のpDCになると、通常のDCより存在比率が少ないと推測されますので、存在比率は0.5%以下ではないかと推測されます。

pDCの働き

pDCは通常のDCのように抗原提示をせず、専らサイトカイン放出を行うとされています。
pDCが活性化されると、ウイルスの防御に貢献すると言われているサイトカインIFN-α、 IFN-βを放出し、ウイルスに感染した細胞において、ウイルスのクローン増殖の抑制したり、NK細胞を活性化するとされています。
その後に、pDCが標準型樹状細胞(cDC)に変わり、細胞障害性T細胞(CTL)の産生を促すそうです。

キリンHPの1枚目のグラフ

キリンさんがiMUSEのHPで、プラズマ乳酸菌の効果を示す2枚のグラフを掲載しており、こちらは1枚目です。
このグラフは飲料ではなく、カプセルを飲んだデータだそうです。

出典 プラズマ乳酸菌 免疫ケアスペシャルサイト|免疫で日本初!機能性表示食品 プラズマ乳酸菌 iMUSE(イミューズ)|キリン (imuse-p.jp)


1枚目のグラフは飲み始めて2週間で効果が出ることを言っています。
2週間を強調したいようです。

2週間後の値からすると、縦軸の値が約300と約360で2割増しを示しており、乳酸菌の効果はあると言えます。

2枚目のグラフ

2枚目のグラフからは、8週目に摂取を止めて4週間後には元に戻ったことが見て取れます。
つまり、効果が欲しいなら「継続して飲んでね」ってことです。
ここを強調したいようです。

出典 プラズマ乳酸菌 免疫ケアスペシャルサイト|免疫で日本初!機能性表示食品 プラズマ乳酸菌 iMUSE(イミューズ)|キリン (imuse-p.jp)


また8週間後のデータからすると、効果は0週から約2割増しでそれ以上継続して飲んでも2割以上は向上しない雰囲気が感じ取れます。
最初のグラフは2週間後で約2割向上してましたから、それから飲み続けるとその状態をキープできることを示唆しているようです。

2つのグラフの差異

しかし1枚目のグラフと比較すると、違う点が多々あるのです。
1)対象者
1枚目のグラフの対象者は定期的に運動している男性51名で、2枚目のグラフの対象者は、健常な男女100名ということです。
2)試験食品
1枚目のグラフの試験食品はカプセルに対して、2枚目のグラフはドリンクです。同じ数の乳酸菌が入っているとはあります。
3)データ採取スパン
1枚目のグラフのスパンは2週間で、2枚目のグラフは4週間です。

気づき

以下の考察はこの2枚のグラフからの気づきになります。

1)なぜ2枚目のグラフでは対象者を変えているのか?
普通に考えたら、1枚目の対象者で良さそうな気がします。

2)1枚目のグラフの数値は2枚目のグラフより高いですから、「定期的な運動すれば、ベースの値が高くなり、飲まなくても良い」ことが推察されます。

3)2枚目のグラフで、男女の比率が不明です。
女性の方が男性より長生きなので、ベースとなる自然治癒力が高いと推測されます。
よって男女によってベースの値が違うことが推測されますから、男女毎のグラフを載せるべきでしょう。
キリンさんですから、データはあるはず。男女の違いが見たかったです。

4)1枚目のグラフでは2週間のスパンでデータ取ってますから、2枚目のグラフでも2週間毎のデータがあることが推察されます。
2週目、6週目、10週目の点がどこにプロットされるか知りたいところです。

感想

私はエンジニアで、新商品をモニターテストしてもらうことがあるのですが、経験上、新商品は既存の商品の最低3割増し以上でないとモニターにとって効果が体感できないという心証を持っています。
お客に「2割性能がアップしましたよ」と言ったら「そうかな?」と思うレベルで、3割増しなら「ちょっと違う気がするね」レベルで、5割増しなら「確実に良くなったね」と感じるレベルです。

ですので、
対象としているpDCは白血球の内0.5%程度で、それが摂取前から2割増しの働き具合になるとして、事実その効果はあるのでしょうが、はたして実際、体感できる効果はあるのだろうか?
と思います。

モニターは、できれば健常者に加えて、風邪を引きやすい人、ウイルス性の慢性疾患を持っている人など層別できれば良かったように思いますが、そこまでいかなくても、免疫が落ちる高年齢の方を入れて行ったほうが良かったように思います。やってるのかもしれません。

個人的には、
慢性のウイルス性疾患、例えば絶えず慢性鼻炎や風邪症状とかを持っている人が2週間継続して飲んでみて、効果が体感できるかな?
普段、健康な人は飲んでも体感できず、プラセボ効果になるかも。
と思います。

キリンが長崎大学と共同でコロナウイルスに対するテストも微妙でしたし、実際効果はあるのでしょうが、どの程度効果を体験できるのかってことでしょう。

深く邪推すると

いやいや、2割増しの効果を5割増し程度にできるのだが、そうすると薬になっちゃうので、これはこれでまずい話になるので、業界やお上と相談の上、止めたんです。
てなことも、無いか?

推せるアミノバイタル

しかしキリンと言えば、元は味の素が開発したBCAAが入っているアミノバイタル飲料は、私が効果を実感できた商品です。
運動中の摂取や運動後の摂取で、筋肉疲労が軽減されます。
驚いた私は、マラソンしている人に聞いたところ、その人もアミノバイタルの効果を実感しているとのことでした。

そして別な友達に運動中に1本、運動後に1本飲ませたのですが、効果を実感できませんでした。
あの商品は推せるのですが、それでも効果を体感できない人もいるようです。
やはり個人差があるようで。

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