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一日一詩。

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言葉にできないコトバをことばにします。
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#自己紹介

2024.5.4 題無し

ゴッホと宮沢賢治が37歳で他界した。 だから僕もあと10年で死ぬ。 そんなふうに思うことは おかしいだろうか。 断じて。 世が天才と呼ぶ者への 哀しき憧れなどではない。 まぁ、そう言う他ない。 これは予言でも宣言でもない。 そうであってもおかしくはない、 ただそれだけの独り言である。 しかし、それが 書き留めねばと思われるほどの ある種、実感を伴ったに過ぎない。 焦りも悲しみも痛みもない。 現在は何も動いていない。 見えてはいない私の顔が ひどく真剣に硬まっているのが ほんの

足りない時間

まだ子どもだった頃、 時間はいくらあっても足りなかった 一人で、友だちと、お父さんと、お母さんと とにかく遊ぶことに、 時間はぜんぜん足りなかった いつからか大人になった頃、 時間はいくらあっても足りなかった 仕事に、家事に、育児に、趣味に とにかく生きることに、 時間は全然、足りなかった 遊ぶことは、生きることになった それは、全てではないけれど やりたいことが やらなければならないことになった 夢中でしていた無駄なことが 必死でしている必要なことになった

汚れ

汚れていく それは生活というだけで 汚れていく 生きていればなおさらのこと 汚れていく 強く、厚く、かかわるほどに 汚れという自然を汚さぬように どうか美しくありたい 一緒に汚くなれること 汚れることを厭わないこと そのことで誰かを美しくすること

石ころに。

石ころになりたい 小石でも 巨石でも 石でもなく 石ころに。なりたい 転がって転がって どうしようもなさを生きて、 原形などとうになくなって、 誰も私を知らなくなって、 それでもはじまりは私だったことを 私だけでも覚えていて、 角が取れても どこかが角のままで、 特徴がなくとも そのことだけは特徴になって、 誰の役にも立たず、 たまにいる物好き以外からは 見向きもされず、 気にも止めず踏みのぼられ、 気分次第で蹴飛ばされ、 区別する意味もなく わざわざ石ころと呼ばれる、

2024.4.27 題未定

人生をむつかしくしているのは いつも自分です そもそもは白紙だったのです そこには、道も、山も、 帰る家さえなかったのです 筆を手にしたそのときから わからなくなることは始まっていたのです 悲劇でしょうか、 喜劇でしょうか、 外側からは、 どちらにしても劇的でしょうか、 すると、 内側からは、 どこまでも嘘になりましょうか、 嘘でも、真でも、 それは滑稽な病です、 一方、 私の側からは、 どうも呪われているように見えます 人生をむつかしくしているのは いつも自分で