さらにあーあ

死に救いを求めるなんてあんまりじゃないか　愛された確かな記憶があるから
喪失する事を恐れ死に魅了される
誰が好きこのんでひとりになんかなるものか　失うものなんてなんもないっていうおろかもの　オマエが殺したいほど憎むソイツにも愛し愛された記憶がある
深い溜め息と泣きたくなるような事件ばかりだ
血に酩酊し血を弄ぶ
芸能人の不倫と殺人を同列に放映する
ワイドショー
犯人の通院歴と生育歴に自分や家族を当てはめて
なんだ
精神病のせいかとホッと胸を撫で下ろす
それよりダブル不倫のほうが
食卓にあがる
和風ハンバーグ とサラダとワカメと豆腐の味噌汁と一緒に

皮をひん剥けばまんことちんこがついた
肉の袋

家族のひき肉500グラム ナツメグなんかいれたりしてつなぎに牛乳を浸したパン粉入れたりして 隠し味はデフォルメされるスパイスのきいた愛憎

愛されたくて我慢しすぎた人たちの
底がぬける
もう何年も前のことにとらわれて
身動きがとれない
フライング気味で花火がなってる
まくらに顔を埋めて力いっぱい叫んだ声のよう
こもって内側でぴょんぴょんはねて
春を飛び越えて夏がきても
何ひとつもどうでもよくはならなかった　痛いもんはいつだって痛かったし　不快なものは目をつぶっても
鼻をつまんでもやっぱり飲み込めなかった
まぢーもんもまぢーんよずっと
大人になってもそれは慣れない
ひとりにはなりたくないのに
どうしてもひとりになってしまう
あなたがどんなに歯を食いしばって
我慢したって一度鳴ってしまった
ものは内側を何度も何度もはねっかえり
もう誰にも抑え切れない
あなたと似たり寄ったりな痛みと共鳴しあって口を両手であわてて塞いでも
指と指の間からどうしようもなく
こぼれる
しいていうなら
さらにあーあ