教育勅語とはどんなもの?

木原大臣で話題になっている教育勅語です。
私は今回、初めて読んでみることになったのですが、皆さん読んだことありますか?

今の教育基本法の第一章と並べてみました。


 教育に関する勅語の全文通釈
(読みやすいように改行してます)

朕がおもふに、
我が御祖先の方々が
国をお肇はじめになったことは極めて広遠であり、(国を興したのははるか昔)
徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、(善政を行なってきた)
又、我が臣民は
よく忠にはげみよく孝をつくし、
国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。
これは我が国柄の精髄であって、
教育の基づくところもまた実にこゝにある。

汝臣民は、
父母に孝行をつくし、
兄弟姉妹仲よくし、
夫婦互に睦むつび合い、
朋友互に信義を以って交り、
へりくだって気随気儘きずいきままの振舞いをせず、
人々に対して慈愛を及すやうにし、
学問を修め業務を習つて知識才能を養ひ、
善良有為の人物となり、
進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、
常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、
万一危急の大事が起つたならば、大義に基づいて勇気をふるひ一身を捧げて皇室国家の為につくせ。
かくして神勅のまに々々天地と共に窮りなき宝祚あまつひつぎの御栄をたすけ奉れ。
かやうにすることは、たゝに朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、
それがとりもなほさず、
汝らの祖先ののこした美風をはつきりあらはすことになる。

 ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、
皇祖皇宗の子孫たる者
及び臣民たる者が共々に
したがひ守るべきところである。
この道は古今を貫ぬいて永久に間違がなく、
又我が国はもとより外国でとり用ひても正しい道である。
朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。

12の徳目

孝行;親に孝養をつくしましょう

友愛;兄弟・姉妹は仲良くしましょう

夫婦ノ和;夫婦はいつも仲むつまじくしましょう

朋友ノ信;友達はお互いに信じあって付き合いましょう

謙遜;自分の言動を慎みましょう

博愛;広く全ての人に愛の手を差し伸べましょう

修学習業;勉学に励み、職業を身に付けましょう

智能啓発;知識を養い、才能を伸ばしましょう

徳器成就;人格の向上に努めましょう

公益世務;広く世の人々や社会の為になる仕事に励みましょう

遵法;法律や規則を守り、社会の秩序に従いましょう

義勇;正しい勇気をもって国の為、真心を尽くしましょう


どうでしょうか?

「義勇」なんて、橋下徹さんが読んだら怒り出しちゃいそうですね。

今、消えつつある日本人の道徳心。
私達の祖父の世代はこれを諳んじて暗記してたらしいですね。
倒幕を果たした明治政府は、日本の近代化を図るため、天皇を日本の中心に置き、中央集権を進めました。
その時代に作られ、明治天皇が発した勅語です。

私達の多くが「無宗教だ」なんて言ってますが、それも戦後の話なんですね。それ以前は普通に当たり前に神道を信じてたんだなぁと感じました。

思った以上に私達が失いつつあるモノって多いんだなぁという寂寥感が半端ない。

次に今の教育基本法です。

教育基本法

(教育の目標)

第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

(教育の目標)

第二条 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。

二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。

三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。

四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。

五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。


どうでしょうか?
言ってることの大筋は、そんなに大きく変わるものではないのですが、、、なんというか、、、
こう言ってはなんですが、、、某首相の声明に似た、、、何をしたいのかはっきりしない、ぼんやりとした内容(笑)。

そりゃあそうですよね。GHQ占領下、WGIPによる日本国民の意識改革真っ只中に、新憲法に合致するよう作られた教育方針ですから。
日本人特有の個性なんてものは消し去りたいのです。
日本人がこれまで大切にしてきた道徳ではなく、世界標準の当たり障りのない教育理念です。


戦後の驚異的な復興を成し遂げた世代は教育勅語を暗記していました。
その下の世代、今の80歳以下は少なくとも学校では教わっていないはずです。


日本国憲法が1947年(昭和22年)5月3日に施行された後、衆議院・参議院の双方において、
「神話的国体観」「主権在君」を標榜する教育勅語は
「民主平和国家」「主権在民」を標榜する日本国憲法(GHQが作らせた憲法)に違反しているとされ、
衆議院は憲法の最高法規性を規定した日本国憲法第98条に基づいて、
また参議院は日本国憲法の施行に先行する形で教育基本法が施行された結果、
教育勅語は既に失効していることを明示的に確認し、
それぞれ
「教育勅語等排除に関する決議」と
「教育勅語等の失効確認に関する決議」を
1948年6月19日に行った(wikipedia参照)

とのことです。
戦争に負けて、
「天皇は、日本国憲法第1条において日本国及び日本国民統合の象徴と規定される地位、またはその地位にある個人(wikipedia参照)」
となったので、
確かに教育勅語と新憲法とは相容れません。

ですが、、、。
皆さんどう思います??

神道を信じて、七五三やら初詣をしていた先祖と比べた今の我々。
薄っぺらいというか、、、なんか、、、
なんか残念でならない。

「国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。
これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にこゝにある。」

この言葉は
只々消えていくだけなのでしょうか?
(涙)

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