宮崎 産直巡り(009) ― 特産物・史話を求めて ―

日南市の産直 “見聞読タナカ日南1号店”編(2024年6月16日(日)快晴)

【基本情報】
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・経営者:会社(グループ)
・住 所:〒889-2541 日南市吾田東10丁目6−17
・電 話:0987-23-7011
・定休日:年中無休(1/1、2、3を除く)【ただし、ゆんぼうどん:木曜定休】
・営業時間:1100-2300(ゆんぼうどん:0630-1900)
・特記事項:書店の隣にうどん店を併設するとともに産直も運営
・創 業:昭和初期、老舗の書店チェーン。日南市戸高にも2号店経営
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一路、日南市へ
 この日、久方ぶりに日南に行くことにした。それは美々鯵(びびあじ)の
シーズンが間もなく終わるからだ。宮崎県では大衆魚、つまり光りもの魚が
なかなか手に入りにくい。スーパーに並ぶ鰯、鯵、鯖のほとんどは、長崎、
鳥取、鹿児島等からの県外ものである。ときに地物が並ぶが、残念ながらい
わゆる脂が少なく、うま味に乏しい。
 しかしながら美々鯵は、違う。脂分が並みのものより多く(7パーセント
以上との基準らしい?)、刺身でも、干物にしても美味しい。
 魚は食物連鎖の中で生きているという、おそらく餌となる小魚を冬から春
にかけてたっぷりと食った鯵が美々鯵なのだろう。期間限定で3月から6月に
かけて、目井津港で水揚げされた重さ90グラム以上のものされている。
 2017年にブランド化され徐々に認知度が上りつつあるが、宮崎市内のスー
パーでもたまにしか入手できない。
 また、日南市のお菓子類も宮崎市内と一風違って、昔懐かしく美味しいも
のがある。例え酒谷のよもぎ餅は逸品である。その他にも所変わればとして
「煎り粉餅(いりこもち)」という珍品がある、これも今回のねらいの一つで
ある。

(めずらしい! 適度な甘さの餡入りの煎り粉餅)

東九州自動車道の清武南IC~日南北郷線
 2023年3月25日に東九州自動車道の清武南IC~日南北郷インターチェンジ
間が開通した。今までは国道220号経由で宮崎市内から日南市内まで1時間半
くらいかかっていたが、4,50分でいけるようになって、かつ無料なのでこ
のルートを使わない手はない。
 宮崎市内の我が家から清武南ICまで約30分、高速に乗ってすぐに「80キ
ロ」維持との標識が、一気にギアアップの動作はロートルにはちょっときつ
い。北郷インターまで15分で到達、国道220号線経由していたころが懐か
しく感じられる。

日南市の地域活性化策
(1)   油津市内の活性化プロジェクト
    すでにテレビや新聞報道等で知られているが、油津商店街の活性化
   のために公募の末、ある請負集団にプロジェクトを委託し、主に地域
   市民との連携を図って、町に元気を吹き込んでいる。いずれにしても
   人口減少が主因であり、地域がそれを良く認識し、若い世代に夢を持
   たせることが最も大事な事なのではないだろうか。
(2)北郷の道の駅開店
   日南市では3か所目の道の駅となる「道の駅きたごう」が2023年10月
  1日にオープンした。昨年、開店直後に訪れたことがあるが、小生の探
  求テーマ「産直探訪」とも共通する分野でもあり、関心をもって見て回
  った。日南市の先行する道の駅はそれぞれに地域の持つ特産品や地域特
  性をうまく活用して運営されているようだが“きたごう”も是非とも宮崎
  市内から近くなったことを活して、新たな特産品を創出して是非とも右
  肩上がりを実現してもらいたいものです。

初めて出会った“コラボ産直”
 さて、道の駅きたごうを堪能した後、県道28号線を南下し東郷町の交差点
を右折し、天然温泉ひなたの宿前を通過してJR日南線の踏切を渡ると目の前
に田中書店経営の「見聞読タナカ」店の色鮮やかな看板が目に入ってくる。

(鮮やかで分かりやすい大看板が・・・)

 ここが第1号店ということで、第2号店は戸高の方にある。実はコロナ禍の
数年前に「見聞読タナカ」の存在は認知していた。戸高地区のその先、西弁
分5丁目2-2で店を構えられている黒木菓子舗さんにスイーツ「餡いり煎り粉
餅」を買いに行った帰りに、本屋さんの前に花卉類が置かれており、多くの
車が出入りしているのを認め、「何で、本屋さんが・・・」と立ち寄ったこ
とがあった。
 その本屋さんの店内は初めてみる光景であった。何と産直と同居している
のである。もちろん本業の本屋さんの部分はちゃんと品揃えしてあり、いさ
さかも蔑ろにされている訳ではない。そこが第2号店であったのだ。

(最初に出会った産直コラボの2号店)

 順番が逆になったが、昨年夏、第1号店があることを知った。昨年8月4日
に2号店と同じく産直を取り込まれると同時に隣にうどん店も併設運営され
ているとのことである。

1号店のコンセプト
 それでは、ここからは1号店について見ていくことにする。もともと1号店
も2号店も本屋専業であったところ、約10年前に将来のことを考えて2号店に
おいて産直を取り入れてみようということでいわゆる産直コラボを始め、
「地産地消」のコンセプトのもと、その何たるかを探求しつつ全体経営の安
定を図ってこられたとのこと。そしてある程度の目途とノウハウを手にさ
れ、更に本屋の顧客(お年寄りが多い)のことを勘案し、隣にうどん店を設
けたとのこと(ちなみに、今のところ2号店の方にはうどん店はない)。

隣接するうどん店の状況
 本屋、産直及びうどん店との詳細な区分け(レイアウト)については後述
のコーナーに任せるとして、うどん店からの見え具合は下の写真のとおりで
ある。

(店名は “ゆんぼ”うどん)

 店名の由来は、名付け親ご本人、田中社長の弁では『ゆんぼ』はショベル
カーの愛称で、あるうどん店に研修に行ったとき、そこで土木建築関係のお
客さまが多かったので、親しみが湧くように『ゆんぼうどん』としたとのこ
と(真にユニークである)。
 入ってすぐにメニュー板が掲げられており、その横に食券販売機が設えら
れており、そこで選択することになる。衛生的な手法である。

(豊富なメニュー、お手頃価格、ご飯・サイドメニューも)
(ピーク時を過ぎたころの店内の状況)

うどんコーナーから書店コーナーへ

(器の返却口の先に書店コーナーへの移動ドアが・・・)

そして書店/産直コーナーへ

(移動ドアの向こうに書店コーナーとレジカウンターが)

その先に、野菜コーナーも

(共用入口を入ってすぐに新鮮な地物野菜が並ぶ)

めしんせ(お惣菜)コーナー

(主婦や独身者の力強い味方:めしんせ)
(こちら側にも「めしんせ」+甘味もの)
(地物、日南の強み、豊富な魚類・・・)

花卉類のコーナー

(生花類も豊富に)

My feedback(所感、評価、手応え)
 これまでと同じように独断と偏見で評価をさせていただき、グラフ化しま
した。
 項目は①品揃え・品質②清鮮度(衛生)③販売価格④サービス・対応⑤コ
ーナー区分⑥特産品⑦立地・利便性⑧お得企画の8項目です。(あくまでも
今時点での筆者の評価です。)
 下図は5点満点の総合評価:あくまでも独断で、公式なものではありませ
ん。

(各項目、5点満点で評価)

相方のコメント
1 確かこの産直さんに出会ったのは、第2号店さんだったわ。黒木菓子舗
 さんに行った帰りに本屋さんの前に多くの車が止まっているのと、花類の
 鉢が並べてある風景が珍しかったのと、産直コーナーに刺身パックや多く
 の魚類の製品が並べてあったのが新鮮だった。
 ≪そうだったね。本屋さんで産直!? という思いだったね。確かに目井津
  や油津の魚があるのは強いよね!≫
2 今日はねらいの美々鯵が手に入らなかったけれど、代わりに鰻が手に入
 ったので良かった。値段も宮崎市内に比べてリーズナブルだったし、有難
 いお店です。
 ≪大好きな鰻が手に入っただけでも有難いと思わなきゃ!≫
3 それにしても、昼時のうどん店は大勢のお客さんが・・・仕方ないので
 時間をずらして入ったわね。メニューも多くて美味しかった。本屋さんと
 うどん屋さん、そして産直コラボは正解だわね。
 ≪うどんは宮崎市内とはちょっと違うタイプみたいだったけれど、麺打ち
  も自分とこでやっておられるとのことで美味しかった。また、お店の看
  板に「めしんせ屋」とあるけれども、「めしんせ」とは日南方面の方言
  で「お惣菜(おかず)」とのこととはこちらに来て初めて知ったとよ。
  宮崎市内の人は知らんじゃろね。≫

施設のレイアウト
 施設の配置は概略下図のとおりである。駐車場も広く、出入りは容易であ
る。産直の展示コーナーは外見より広く、ゆったりとかつ、いっぱいに品揃
えされている。

(駐車場は広いが、出入りに注意)

【周辺地図】

(車道からもアクセス容易だが、十分なる左右確認を)

今回は以上です。
次回は、同じく日南市内の変則的な産直を訪問予定です。

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