宮崎 産直巡り(004) ― 特産物・史話を求めて ―
【基本情報】
・経営者:団体(JA宮崎中央)
・住 所:宮崎県東諸県郡国富町大字嵐田字中須2434-3
【周辺地図は巻末に表示】
・電 話:0985-41-4831
・定休日:年中無休(ただし、1/1、2、3を除く)
・営業時間:0900~1800
・創 業:平成25年4月24日
この日、自家用の米と、漬物用の白菜を求め“式部の里”に向かった。宮崎
市内から約40キロ、大淀川沿いに西行し有田橋を渡り、綾方面に向かう。遠
くに霧島・九州連山が見える。
その連山の麓に法華嶽(ほっけだけ)があり、近くに薬師寺がある。法華
嶽薬師寺は、三大薬師寺の一つとして平安時代から役病恢復の祈願寺として
庶民にあがめられてきたという。
はるか平安時代、この薬師寺に女性歌人である和泉式部(いずみしきぶ)
が皮膚病に罹り、回復を祈願して滞在したことがあるという故事に因んで
「式部の里」と名付けられたという麗しい呼称である。
江戸時代の本庄地区は天領であり、その本庄を除く現在の国富町の大部分
は薩摩藩領だった。天領の領民の暮らしは隣の薩摩藩や高鍋藩(金崎地区)に
比べれば(いわば税が軽く)豊かであったという。その雰囲気は明治、大正
昭和と保たれていた。
天領時代には域内に4~5の焼酎蔵があったというが、現在はひとり川越
酒造が江戸時代の創業以来、営々と銘柄を守っている(焼酎好きにはたまら
ない)。
式部の里
平成25年に開業されているので、ことしで11年目にあたる。建屋はしっか
りとしており、さすがにJAさんである。奥側(北)が納入者が産物を持ち込
むバックヤードとなっている。他の産直と比べると顧客の動線と交差するこ
ともなくスマートである。
また、トイレも男、女、障がい者用と設けられ顧客に安心なレイアウトに
なっており経営者の配慮を感じることができる。
豊富な野菜類
この産直の周辺は昔から田園・農業地帯として有名であった。また、本庄
川、大淀川の流域で、水源に恵まれているのが大きい。
銘柄米の販売
いろんな産直には当然のことながらご当地の農産物が陳列されている。こ
の産直の一押しが、純粋の国富町産米である。宮崎県の農協関連の資料によ
ると銘柄として「ヒノヒカリ」の収量が圧倒的だが、発注を担当されるここ
の係員にお勧めを聴いたところ、「にこまる」の存在を知り、その味覚にす
っかりはまっている。
その特徴は「冷めても甘いこと、ヒノヒカリに比べて米粒が少し大きく、
しっかりとした歯ごたえがある」ことと言える(九州のブランド米「ヒノヒ
カリ」に代わりうる品種として、おいしさ、品質、収量の3拍子揃った米を
目標に開発された品種、父母ともコシヒカリの系統とのこと)。
この日はちょうど精米された袋がいつものコーナーに積まれていたので2
袋(5kg/袋)を購入した。
「白玉まんじゅう」の発祥
(うるち)米が美味しければ、つまり米粉菓子も当然のこと美味しい筈で
ある。ということでご当地の「白玉まんじゅう」が開発された・・・訳では
ないかも知れないが、茶請けに打ってつけの菓子がある。
その発祥は、国富町商工会の案内によると、下記のとおりである。
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国富町の白玉まんじゅうは、旧本庄六日町で暮らす宮永又次郎・シカ夫婦
が鵜戸神宮参拝に出かけたことがきっかけで誕生。
参拝の道中、堀切峠の茶屋で口にした団子がとても美味しくて夫婦の胃袋を鷲掴みにしたといいます。
その味を忘れられなかった夫婦は、国富町の自宅に戻り、試行錯誤しながら当時の味を再現しようとしました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー そうして誕生したのが「白玉まんじゅう」ということです(誕生したのは江戸時代とのことですので、その歴史は150年以上と言うことになります)。
現在、国富町内で、4店舗(稲田白玉饅頭、井上白玉屋、柚木崎菓子舗、
お菓子の秋月)で製造され、各店舗や宮崎市内の指定店で販売されている。
My feedback(所感、評価、手応え)
相方のコメント
1 厳選された野菜や果物が新鮮で納得できる価格です。そして主食の美味
しいお米が手に入り、北国の米にも負けない食味に満足しています。
≪銘柄「にこまる」は、その名のとおりニコニコそして丸サインを挙げた
いほど、我が家には合っているよね、ついつい食べ過ぎて、血糖値と体重
が心配なんよネ!≫
2 秋には毛ガニ(山太郎ガニ)が外の回廊で販売されるけれど、あのカニ
をすり潰して味噌汁にいれて食べるのが、好きです。
≪そうだね、あのカニは上海ガニの一種らしいから、この地で経験できる
のは、一番のお得なことジャネ!≫
3 ここは、昔薩摩藩領に近かったということで、薩摩絡みの米粉菓子が普
及していて手軽に安く入手できるので、すっかり馴染んでます。最近あく
巻きに目がありません。
≪北国育ちのアンタには、ハードルが高かったようじゃったけれど、今は
ワシより好きになったよね。また煎り粉餅も気に入っているよね!≫
施設のレイアウト
陳列売り場は概略下図のとおりである。建屋の西南側にソフトクリームコ
ナーがある。地域特産の金柑(きんかん)をミックスしたものも販売してい
る。
【周辺地図】
今回は以上です。
次回は西都市三納 直売所「いきいき市場」を訪問予定です。
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