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雪あかりの自助努力

父の長姉である伯母は文字通りの蛍雪の功の人で、自分の部屋などない開拓民出身の大家族(両親その妹+八男八女)の第一子長女として中卒で家事や弟妹の育児を担うことを期待されながらこっそり裏のお寺から洩れる灯りを雪が照り返す僅かな光で勉強して英文科女子高の特待を勝ち取り卒業後は高給だった国際電話の交換手になったそうだけど、そのことで代わりに家事育児のため中卒にならざるを得なかった次姉は70歳も過ぎた死の数年前でも「お姉ちゃんのせいで」と長姉を恨んでいたし、その次姉に育てられた弟妹も「自分勝手でわがままな何もわかってない馬鹿だ」と長姉を謗っていた。

その謗られた伯母にかつて親の意向を結果的に無視して(知らなかったんだもの)短大から四年制に編入した私は「あんたは私に似てる。自分の好きなことしかしない。」と言われた。そして伯母は高額の図書券をくれた(現金は母に取られるから)。

でも、その長姉である伯母は弟妹死後の今も健在だ。好きに生きたもん勝ち。

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