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少年少女プロテクト


アマゾンミュージックに、幽白のアルバム入ってたので聞いてる。私が最後と思って買ったCD集より後にもあったようで。コエンマ役だった田中真弓さんがデイドリームジェネレーションカバーしてた。歌の上手い声優さんだから、もあるだろうけど(蔵馬役だった緒方恵美さんも何曲かカバー歌ってる)コエンマと思うと。ヒトの子と関わって、彼は変わったのだろう。目を開けて見る夢のため、闘うように。
よく「作者そんなつもり無いよ」という意見見るけど、幽白は間違いなく最初作者が思っていたのとはさっぱり違う話として展開していったであろう作品だ。コエンマ美形設定あってもあの過去なかったろうし、霊界探偵のあんな前任最初想定ないだろうし。
幽助が仙水に胸を貫かれた時、驚きつつ「ジャンプ主人公だし死なないよね」と友人と笑い合ってもいた。当時の少年ジャンプなら、主人公サイドの少年少女にはプロテクトがあった。死んだかと思わせて引いても絶対死なない、という。でも結果を見るなら、あの時人間の少年浦飯幽助は死んでしまった。雷禅に人を食えと、なんなら2、3人連れてくると言えてしまうようになった幽助は当初の根本がお人好しでそこをコエンマにつけこまれていた少年ではなくなった。
幽☆遊☆白書は作品としての完成度は、後のハンターやレベルEを思えば低いだろう。最初そうじゃなかった、のお話で。でも幽助を結局は死なせた冨樫は、少年マンガの「大人な作者としての誠実さ」より「物語への誠実さ」を採らざるを得なかったのだと思う。
ジャンプの少年少女プロテクトを壊したのは、冨樫だと思う。今の少年ジャンプなら、たぶん桑原はどこかで死んでいる。そう思う。優しさと弱さで。
呪術やチェンソーの物語の必然の中で死に行く少年少女や、死ななくても不可逆に変わってしまう少年少女にそう思う。

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