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新人デザイナーがAARサイクルを実践してみた(後編)

こんにちは!Hamasaki です。
前回の記事で、AARサイクルについて概要をご説明しました。
今回は、どんなふうにAARサイクルを回すのか、実践例をご紹介します。
前回の記事より少し長くなってしまいましたが、学校現場やビジネス、日常生活など、幅広く活用していただけると思うので、参考にしていただけると嬉しいです。

Anticipation(見通し)

どうなっていたら目標達成なのか? 理想の状態を明確化する

まずはAARサイクルの最初のA、「Anticipation(見通し)」を立てます。
私の場合は、Miroというオンラインのホワイトボードツールを使ってAARサイクルを管理しています。
普段は仕事でAARサイクルを実践していますが、誰でもわかりやすいようにここでは日常的な例を挙げています。

Miroで作成した見通しのボード。アクション開始からアクション終了までに自分が何をするのか、どんな状態がアクションの終了と定義するかを記載している
すぐにアクションに移るために、見通しはシンプルでOK

まずは今の目標を書きます。
例えば家族から「今夜は最高に美味しい餃子が食べたい!」とリクエストされたとしたら、それを目標にしましょう。Miroで【目標】付箋を作成して、自分の目標を立てます。

次に、【目標】を少し噛み砕いてみます。自分や周りがアクション終了時にどんな状態になっていたらゴールなのか、「自分事」に落とし込んで付箋に書き出します。今回はアクション終了時に「おいしい餃子を家族に振る舞って、楽しい時間を過ごせている」状態をゴールとしました。

【目標】とアクション終了の付箋に赤い囲みがしてある画像
まずはゴールのイメージを固める

目標達成には何が必要か? アクションを決める

自分のゴールをイメージできたら、アクションを決めます。目標を達成するためにはどんなアクションが必要でしょうか?先ほどのMiroで「アクション開始」と「予測されるアクション」の付箋を書いていきます。

アクションは具体的かつシンプルに。

私は必要なアクションを洗い出すこと自体、目標に向かって一歩動き出していると思ったので、「必要なアクションを洗い出す」ことを「アクション開始」としました。もちろんアクションのきっかけになることなら何を書いてもOKです。
「予測されるアクション」は、目標を達成するために自分がやるべきだと思うことを書きます。

私は現在2週間でAARサイクルを回していますが、アクションを書き出しているうちに、「2週間では全部のアクションをやりきれないぞ」「目標が大きすぎる(または小さすぎる)かもしれない」と気づくことも多いです。掲げたものがあまりに無謀な目標であれば、このタイミングで目標を立て直します。

これで見通しは完了です。付箋で書き出してみるとシンプルで、結構簡単だと思いませんか?AARサイクルは見通しに時間をかけすぎず、すぐにアクションに移れるので、動き出しがスピーディですよね!

Action(実行)

アクション中は観察記録を取る

見通しが立ったら、早速Action(実行)に移りましょう。
アクションを起こしている際は必ず観察記録を取ります。なるべく主観や感情を入れず、客観的な事実を集めて整理することがポイントです。

観察記録の例。アクション中に起こった事実を書く。

アクション中の記録は5W1Hを意識すると書きやすいです。5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字を取ったものです。情報をこの要素で整理することで、あとで振り返ったときに自分のアクションがどう結果に結びついたのか、事実に基づいて分析することができます。

Reflection(振り返り)

アクションが終了したら、いよいよReflection(振り返り)です。私が使っている振り返りのテンプレートはこんな感じです。順番に見ていきましょう。

振り返りの全体図

理想と現実のギャップを認識する

アクションを起こせば何らかの結果が生まれるはずです。まずはどんな結果になったのか、最初にイメージしていたゴールと違うところはあるか、比較をします。
今回は1回目に焼いた餃子が丸焦げになってしまったことを書きました(笑)

最初にイメージしていたゴールと現実を比較する

うまくいかなかった原因は何か? 仮説を立てる

イメージしていたゴールと現実の結果に違いが出たのは、どういったことが原因でしょうか?自分なりに仮説を立てて、どうすればよかったのか分析を行います。

仮説は複数書き出してもOK!

ここで立てた仮説はあくまで仮説なので、この時点での仮説が正しいかどうかはあまり重要ではないと考えています。なぜなら仮説が正しかったかどうかは、今後同じような状況に遭遇したときに確かめることができるからです。
AARサイクルは何度も回していくうちに、過去の教訓を活かしてより精度の高いアクションを行うことができるフレームワークだと言えますね!

うまくいったことは何か? 仮説を立てる

振り返りを行うとつい「うまくいかなかったこと」「改善すべきこと」に注目してしまいますが、私は必ず「うまくいったこと」と「どうしてうまくいったのか」も分析するようにしています。単純にモチベーションも上がって前向きな振り返りができるというのはもちろん、「こうすればうまくいく」というナレッジを貯めていくことで、自分のアクションに無駄がなくなるというメリットもあります。

振り返りでうまくいったことを書くとポジティブな気持ちで次のAARサイクルを回せます!

それぞれの分析をナレッジとして集めておく

前述した通り、今後同じような状況になったとき無駄なく動けるように「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」はナレッジとしてどこかに集約しておくことをお勧めします。ナレッジは自分1人で活用しても良いのですが、周りに共有することでさらに効果を発揮します。AARサイクルを回している仲間同士でナレッジを共有できれば、良い相乗効果が生まれそうですね!

まとめ

AARサイクル実践編、いかがでしたか?
AARサイクルの概要についての記事はよく見かけますが、AARサイクルを具体的にどう回すのか説明している記事は少ないなと思い、このような記事を書いてみました。もちろんこのやり方はあくまで一例なので、一部だけ参考にしたり、自分に合う方法にアレンジしたりしてOKです!学校の先生やサイクルがうまく回らず悩んでいる人に、少しでも役立つ内容だったら嬉しいです◎

そして何より、教育現場で導入されるAARサイクルによって、子どもたちが前向きな振り返りを行い自分の成長を実感し続けられるような時間が生まれると良いなと思います!

ではまた!

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