岡山大学理学部化学科3年次編入学試験合格体験記

昨年の7/2に行われた岡山大学理学部化学科の編入学試験に合格しましたのでその体験を記します。

1. 試験の概要

 試験は2022年7/2に岡山大学津島キャンパスにて行われました。岡山駅からバスで20分ほどにあります。もしくはJR津山線法界院駅から徒歩10分ほどです。試験当日は駅から大学直通のバスが運行されていて非常にありがたかったです。私は県外から来ていたので、前入りして岡山駅のホテルグランヴィアに泊まっていました。二か月前に予約したら新幹線とセットで安かったんですよね。せっかくならちょっといい旅にしようと思い切って¥36,000払いました。前置きが長くなりましたね。
 試験科目は面接(口頭試問あり)のみです、と募集要項には示されていますが実際は面接の前に40分で問題を解いて、その問題について口頭試問で深堀りするといった内容で当時私も焦りました。具体的には後述しますが。

2. 試験の内容

試験は先ほど述べた通りまず筆記試験一人ずつ40分で行ってそのことについてほかの2つの面接室で聞かれるという具合です。3つに分けて書いていきましょう。
1. 筆記
筆記試験は全部で英語、有機化学、無機化学、物理化学(量子化学を含む)の4つです。それぞれ問題と解答用紙が一体になっているタイプで手元にないため忘れてしまっていますが、可能な限り思い出します。英語は化学英語を書かせる単語問題と、化学に関する文を和訳するというものが出ました。そんなに難しくないです。
有機化学は主に反応について、アルケンから芳香族、カルボニルまで基礎的な反応を広く聞いてくる問題でした。
無機化学は原子の構造について、周期表上におけるイオン化エネルギーの変化や、第三遷移金属の電子配置について聞かれました。
物理化学は、量子化学として正規直行化、ほかに気体のした仕事を計算させる問題が出ました。
個人的には量子化学を全く勉強せずに特攻したので当然物理化学は半分死にました。無機と英語は得意だったので完答、有機化学は不安な芳香族、エポキシドを攻められ半壊といった感じでした。
2. 面接1
ここでは二人の教授と私一人の2:1で、一人ひとり教授の役割が分かれていたようです。一人目には志望動機や岡山大でやりたいことなど一般的な面接のほかに、社会問題への関心を図る名目として「地熱発電が今後発展していく可能性」について論じさせられました。また、英語についてよくできているといわれ、そこは安心しました。加えて、もう片方の教授から物理化学について聞かれました。内容は先ほど解いた試験に関することで私の場合、量子化学がダメダメだったので教授に「ここ(正規直行化の問題)できてないけどどうしたの?」と聞かれました。素直に習ってないんですと言ったらゆるしてもらえました(笑)。
3. 面接2
ここでは無機、有機の先生が待ち構えておりまず無機化学の先生からなぜ第三遷移元素の原子半径は小さくなっていくのかについて問われました。幸いこれには答えることができ、よくできているとお褒めの言葉をいただきました。次の有機化学の先生はなんだかとっても雰囲気が怖く委縮してしまい頭が白くなりました。そのためにエポキシドの名前をド忘れしたり、なぜ級数の高いカルボカチオンは安定なのかについてあまり良い解答を出せませんでした。今振り返るととても悔しい。その先生からは「もっと有機化学勉強した方がよいね」と厳しいお言葉をいただき、空虚のままに試験は終わりました。
試験自体は総合して一時間半ほどかかりました。当日9:00集合だったのですが私が終わったのは12:00ごろでした。実は岡山大学理学部の編入試験は珍しく推薦と学力入試が同じ日に行われるのです。学力入試の前に推薦組をやっていたのでこれだけ時間がかかりました。おそらく当日は推薦組が6人くらいいたのかな。すぐ終わると思っていただけに何も飲み物や軽食をもっていかなかったのが悔やまれます。ですので、もしこれを読んでいて岡山大学の理学部を受験する方は相当な待ち時間が生まれることを覚悟しておいてください。

3. 結果

結果は合格でした。正直手ごたえが皆無だったので意外でした。結局当日一般組が7、8人いたのに対して合格者は私を含め3人だけでした。ごくごく普通ですかね。

4. 対策

岡山大理学部化学科の編入試験には過去問が存在しません。なぜならすべて口頭試問だからです。ですので、対策としては自分が受けていた講義内容の振り返り、加えて併願校の勉強に注力していました。
これで受かったのは運がよかったとしか言えないので、正直シラバスを確認して岡山大学は何をやっているのかは確認すべきだったと思いますね。私は大学から編入したので高専の方は何とも言えないですが大学生については明らかに大学二年の夏前までにやらない内容が含まれているので(特に量子化学)、そこは対策をすべきだと思います。理学系の編入試験は日程が速いのできついですよね。今回痛感しました。

5. 併願先

ちなみにこのほかに2校受けています。
電気通信大学 情報理工学域Ⅲ類
茨城大学 理学部化学コース
いずれも合格です。この二校については体験記を書いておりますのでそちらもぜひ。

6. 終わりに

ここまで長らくのお付き合いありがとうございました。この記事があなたの編入試験に役立てば幸いです。私は編入試験を考えている高専生、大学生を応援しております。
何か編入試験について聞きたいことあればTwitterのDMまで。
Twitter K.O (https://twitter.com/ThisisKyoichi)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?