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体の使い方はその人の歴史

こんばんは!

先日、産まれたばかりのこどもがなかなか寝なくて抱っこ紐に入れて階段を降りるを繰り返しました。

計4往復(のぼりはEV)

翌日からふくらはぎと背中に激しい筋肉痛。こうなると歩き方が変わります。ちょっと無理できない状況に。

普段から少し動いているつもりでも、たったこれだけでいつもと違う力を使ってしまうのです。それって反対に考えると、使っているように見えてそうでない部分ってたくさんあるんだろうなーと。

どういう時にそれが問題になるのか。
それは交通事故の後。いわゆる”むち打ち”の症状です。

当日は特に問題なかったのに、翌日からくる頚や肩、背中の痛み。あれはなんなんだろうといつも思います。ぶつかった衝撃によって、頭が大きく振られてケガをしているのであればその瞬間から痛みが出てくるはずです。

それはこう考えると納得できそうです。

実はあの正体は筋肉痛。強い力が体にかかる場合、普段支えるだけの筋肉では補い切れない力がかかります。その時にとっさに使ってこなかった筋肉が反応してしまう。それが負荷となり、翌日以降の筋肉痛の症状に繋がる。

またはこう考えます。大きく振られることで、普段使っていた筋肉が痛んで動かしづらくなってしまう。ですがこの時点では痛みはあまりありません。その代わり、他の筋肉で補おうと代償動作を行います。そのとき、普通であればゆっくり変わっていくはずの動作の変化が急に起きてしまうため、負荷に耐えられなくなる。それで痛みが出てくるのです。

どちらも正しいのかどうかはわかりませんが、普段の臨床ではそんなことを考えながらやっています。

さて、前置きが長くなりましたのでこのまま行きたいと思います。


そう。実は僕らの体の中には使っていない部分がたくさんあります。

姿勢の悪さとはクセや骨の変形などではなく、全て均等に使えばまっすぐになるはずの筋を、左右バランス良く使えていないために起こります。

なので、運動指導でその日のうちにbefore/afterで変えてしまうなんてことも可能になります。

こどもの体はそこまで上手く考えずに動くので、どこもかしこも全力で使っています。それが大人になる間に「ここはそんなに頑張んなくて良いかなー」と手を抜いてしまっています。そうして動き方や姿勢ができあがります。

どういう生活を送っていてそうなったのかは、まさにその人の歴史の教科書を見るかのごとく体に表れてくるのです。

体の使い方に慣れている人はそこを指摘してあげるだけで改善する。

慣れていない人は使っていないことに気付くように仕向ける。


同じ様な症状であっても、その人の歴史を紐解いてみないとアプローチの仕方が変わってくることがあるのは覚えておきたいですね。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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