見出し画像

8/12「夏休みスペシャル!こども性教育」開催レポート①(低学年向け)

「性教育について子どもたちに伝えられる場を作りたい」と、小学生の子どもを持つファミワンのメンバーが話し合い、昨年より開催している「夏休みスペシャル!こども性教育」。
昨年、大変ご好評をいただき、「高学年向けもやってほしい」といった要望も数多く挙がったことから、今年は、8月12日(低学年向け)、13日(高学年向け)と2日間に分けて開催しました。当日は低学年向け58名、高学年向け55名と多数の方にご参加いただきました。

小学生を持つ親御さんの中には「学校で性教育を教えてくれないのでどうしたら良いのか困っている」「性に対する知識を持たせたい」「子どもの性教育についてどう教えたらいいのか困っている」と声を上げる方が実際に多く、参加者の事前アンケートでも、多くの方が回答しています。

【低学年向けセミナー】
低学年向けのセミナーは、ファミワンの臨床心理士と、不妊症看護認定看護師が冒頭で挨拶し、参加者に対して簡単にセミナーの参加方法をクイズ形式で行いながら、楽しい雰囲気で始まりました。それではさっそく内容をご紹介します。

おへそは何の役割がある?

一番最初の質問は、自分の身体のパーツである「おへそってなんの役割があるの?」という内容をクイズ形式で答えるという質問でした。

「①ほじってあそぶ ②おちゃをわかす ③おかあさんとつながっていたしるし」このように、クイズ形式で選択肢を提示し、子どもたちには、チャットを使って回答してもらいながら進行していきました。

”答えは③です。おへそは、お母さんとつながっていたしるし。女の人のお腹の中には、子宮というところがあります。妊娠すると、子宮の中には赤ちゃんがいるんだけど、赤ちゃんのことを胎児って言います。子宮の中に羊水という温かいお水でいっぱいになっています。これで、胎児を守ってくれています。胎児はへその緒というのでお母さんと繋がっているんだよね。”

赤ちゃんはどうやって生まれてくるの?

ここから本題に入っていきますが、まず最初のテーマはファミワン 看護師にっしーによる「赤ちゃんはどうやって生まれてくるの?」です。

精子と卵子が合わさって命が作られる

赤ちゃんが出来るために必要なものが2つあります。それは何でしょう。
「①お医者さんと女の人 ②バナナとりんご ③精子と卵子 ④神様と魔法のつえ」”

“答えは③精子と卵子です。精子というと卵子というのが合わさって、赤ちゃんのもとになっていきます”

“卵子と精子、どちらか片方だけでは赤ちゃんって生まれてこれないんですね。卵子と精子が合体してくっつくことを受精って呼びます。受精卵という「赤ちゃんのもと」になるものが作られます。「赤ちゃんのもと」が育って、赤ちゃんになっていくんだね。初めて知ったっていう人もいるかな?卵子、精子この2つが必要なんだ、っていうことを今日はおさえておきましょう!”

と、分かりやすく説明しました。

精子が卵子に出会う方法はいくつかある

続いての問題では、「お父さんの精子をお母さんに届ける方法は?」という質問です

“①お医者さんにとどけてもらう ②お父さんがとどける ③ゆうびんやさんにとどけてもらう ④神様がとどけてくれる。一番これかな、と思うものに投票してください”

“正解は、①お医者さんにとどけてもらう、と②お父さんがとどける、です。お医者さんに届けてもらう方法と、お父さんが直接とどける、という方法があります。届ける方法には2つの種類があって、精子と卵子が受精して赤ちゃんのもとができていく。それには変わりはないんですね。”

妊娠するとお母さんのおなかはどうなる?

“赤ちゃんは最初、とっても小さいんだけど、段々大きくなっていきます。お友達のお母さんや、町の中で妊婦さんといってお腹に赤ちゃんがいる人を見たことがある人はいますか?お腹の中に、1つの命を入れているので席を譲ってあげたりとか、お手伝いをしてあげたりするととっても助かるよね。”

このように、妊娠すると、どのようにお母さんの身体が変化していくのか分かりやすく解説しました。

“最後の問題です。①おへそ ②しんぞう ③たいばんのうち、おへそってお母さんのどこと繋がっていたでしょう?はじめに、おへそはお母さんと繋がっていた証だよ、というお話がありました。お母さんのどこと繋がっていたのかわかりますか?”

実際に、①おへそと回答する子や、②しんぞうと回答する子も沢山いました。

“繋がっていたのは、自分のおへそと、お母さんの胎盤というところ。胎盤は、お腹の中の子宮の中にあるところで、そこから赤ちゃんにおへそを通して赤ちゃんに沢山栄養をあげていました。生まれてくるときにちょんと切れて、みんなのおへそになっています。”

お母さんが、胎盤を通して、赤ちゃんに栄養を与えてを育てていたということを説明しました。

赤ちゃんはどうやって生まれてくるの?

“実は赤ちゃんの生まれ方は2つあります。足と足の間から「おぎゃー」と出てくる生まれ方と、お母さんのお腹を切って生まれてくる生まれてくる方法があります。どちらも、赤ちゃんが安全に生まれてこれるように、お医者さんや助産師さんという人と、一緒に決めていくんです。だから、どっちも間違いではないんです。”

前半のまとめとして以下のようなことが学ぶ事ができます。

・精子と卵子が出会って命が作られる
・精子と卵子が出会う方法はいくつかある
・おへそとお母さんの胎盤がつながっていた
・生まれてくる方法は2つある

また、最後に家族の形には色々な形がある、ということをスライドで示しました。
自分の家族がどのような家族なのか、問うような質問で後半は終了しました。

みんなそれぞれに違う。個性がある

ここから後半は、ファミワン臨床心理士のさやねえによるお話です。

まず最初は、この中で一番めずらしいことはどれでしょう?という質問。
“「①7おくえんのたからくじにあたる、②いんせきがあたまにあたる、③きみがいまのきみとしてうまれてくる④かみなりにうたれる」このうち正解は③の、きみが今のきみとしてうまれてくる、です。例えば同じ男の人、女の人、お母さん、お父さん、兄妹であっても同じDNAや遺伝子で生まれてくる確率って殆どありません。もしかしたら、今の君の姿・形じゃなくて、ほんのちょっと違っただけで、見た目だったり声の高さだったり、全然違う人で生まれてきたかもしれないんですよ。”

生きている人の身体は少しづつみんな違っています。背が高い人もいれば、低い人もいる。みんなそれぞれ違う、ということを個性と言います。個性は身体だけではなくて、心や性格にもあります。他の人より背が低い、私はみんなよりおとなしい、とか思う事がみんなあるかもしれませんが、それも個性です。400兆分の1の確率で生まれてきたから、貴重な存在です。

参加している子の中には「個性ってしらなかった~!」と言ってくれる人もいました。

また、自分のどんなところが好きか、という問いに対して、「猫の声真似ができるところ」「ご飯を美味しく食べられるところ」など、沢山の意見を貰いました。

プライベートパーツについて

次に「あなたのからだのいちばんだいじなばしょ」プライベートパーツ
についてお話をしました。

あなたの身体の一番大事な場所は、全部です。その中でもとくに大事な場所があります。
それは、口、胸、おしり、性器です。これは簡単にいうと、水着で隠れるぶぶんと口のことです。男の子だと、水着だと上半身は裸の水着を着るかもしれませんが、男の子であっても胸はプライベートパーツです。プライベートパーツっていうのは、例え相手が親でも、他人でも、勝手に触ったり、触らせたり、見たり、見せてはいけない部分です。”

次に、男の子、女の子の性器の違いについて、図を使って詳しく説明しました。

“性器っていうのは、聞き慣れないかもしれません。男の人と女の人で、しくみが違っています。男の子の身体の性器というのは、お風呂に入ったり、トイレにいったりして、自分で分かりやすいのは、ペニスと呼ばれるところです。あと後ろ側についている、よくみんなが『タマ』と呼ぶところは、精巣とか陰嚢(いんのう)といいます。男の子の性器のプライベートゾーンはペニスと精巣になります。”

“次に女の子の性器を見てみましょう。うんちがでるところは肛門、おしっこが出てくる尿道口というところがあったり、ワギナというところがあります。赤ちゃんは、ワギナ・膣から生まれます。女の人は妊娠して赤ちゃんを産む準備が出来ると、ワギナが
大きく開くようになるんですよ。不思議だよね。”

プライベートパーツのルールについて

・家族でも友達でも先生でも、他の人が勝手に触ってはいけない
・家族でも友達でも先生でも、他の人が勝手に写真を撮ったりしてはいけない
・触りたいときや、触る必要があるときは本人の許可をとって触る
 (例えば、虫刺されなどでプライベートパーツにお薬を塗らなければいけないときに
 触る必要がある場合など。)

“プライベートパーツ以外にも、自分自身の身体は全部大切で、どこに、誰が、
どんな風に触って良いかは自分で決めて良いことです。”

「よいタッチ」と「わるいタッチ」

次に「良いタッチ」と「わるいタッチ」について説明しました。

よいタッチ:こころがホッとしたり、安心できるタッチ
・大好きな人にギュッとされる
・怖いことがあったときに背中をさすってもらう

わるいタッチ:「イヤだな」と思うタッチ
・勝手にからだを触られる
・ふざけてしつこくくすぐられる

“もしイヤだなと思ったら、相手が先生でも親でも兄妹でも、仲良しのお友達でも、ダメ・やめてとはっきり言っていいんですよ。ちゃんと相手にダメ・いやだ・やめてと言えるようになって欲しいと思います。”

もし悪いタッチをされたら?あいことばは?

NO!(ノー):いや!だめ!やめて!
これは、触られたときだけでなく、やりたくない遊びに誘われたときや、イヤな言葉を言われたときにも言ってもいい。心を守るためにも言って良い言葉です。
実際にその場で遭遇すると言えないことも多いのでお家の人と練習すると良いですね。”

GO!(ゴー):その場から離れる・にげる・あんしんな場所・人のところにいく
“イヤなタッチをされて、相手がイヤなことを止めてくれないとき、どんな逃げ方でも良いから、その場から離れましょう。みんなにとって安心な場所はありますか?例えば、子ども100当番の家とか、子ども文化センターなど、ここに行ったら安心できる人がいる、助けてくれる人がいる場所があったらいいですね。お家の人と話し合ってみてください。”

安全な場所はどこか、という質問に対し、参加していたお子さんたちからは「お店やさんに逃げる」「図書館」「警察にいく」「ガソリンスタンド」といった声も上がっていました。

TELL!:相談しやすい大人の人に話す・相談する

こんなイヤなことがあったよ、どうしたらいいかな、と信頼できる信頼できる大人の人に話して相談するのはとても大事な事です。あなたがイヤだなと思った気持を信頼できる大人に話すことで気持が楽になることもあります。悪いタッチをする人の中には、「お家の人には言っちゃダメだよ」「秘密だよ」と言ってくる人がいます。

本当に信頼できる大人の人は、子どもと2人だけで悪いタッチをしないし、悪いタッチを秘密だよ、なんて言いません。「秘密だよ」と言われたことでイヤだと思ったら、その気持は他の大人の人に話して良いです。安心して、こんなことがあってイヤだった。気持ち悪かった。悲しかった。って相談をしてみてください。

みんなにとって相談しやすい大人って誰かな?という問いに対して、子供達からは「ママ」「友達のママ」「知ってるお店の人」「おばあちゃん」などが上がりました。

相談しやすい大人の見分け方は?

・実際にピンチだったときに助けてくれる
・怒ったりしないで、お話を聞いてくれた

“自分にとって、相談しやすい人、話やすい人を思い出せるようにメモしておきましょう。”

_________________________________________

低学年向けセミナーは、赤ちゃんができるまでの流れについて、受精から、自然妊娠と不妊治療での方法があることや、出産についても、自然分娩と帝王切開についての出産方法があることなど、図を用いて分かりやすく説明しました。また、後半では自分自身や誰かの個性を認める大切さや、プライベートゾーンについて学ぶ事ができる内容になっています。
初めて聞く言葉、知らなかったことを知るきっかけになった、という子ども達も多くいたようです。実際にこのような感想も寄せられました。

「双方向のコミュニケーションで子供が飽きることなく集中できた。平易な言葉で優しいトーンの説明で親子で安心して参加できた。」

「小学校低学年の子たちに向けてとても分かりやすく解説されており、自分自身も聞いてみて改めて気づかされたことがたくさんありました。 自身の体のこと、精神面のことというのははなかなか相談しづらいものでもあると思うため、このセミナーをきっかけに誰かに相談できるという安心感を子どもたちは得られているのではないかと感じました。」

ファミワンでは、学校や自治体、企業に向け、多岐に渡るセミナーを開催しております。
これからも、ファミワンの活動を通じて、妊活や不妊治療をはじめとし、性教育などのセミナーを様々な場所で開催できるよう、邁進してまいります!

▼セミナーの開催に関するお問い合わせはこちら



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?