カタン専門学校 その1 初期配置

まず、初期配置での「目標」を設定したいと思います。

・大きく出遅れない

これが私の考える初期配置の目標です。極端に不利でなければなんでもいい、ぐらいにしか考えていません。

だって、ゲームが始まってしまえば、交渉で弱い者同士が協力したり、あるいは泥棒で強力な産地が抑えられてしまったりと、初期配置の差が多少は詰まるからです。

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どんな盤面でも通じる初期配置のセオリーを、以下のように考えています。

・麦+鉄+羊の3種類の、ちゃんとした確率の土地を持っている

・木+土+麦+羊のうちのどれか3種類の、ちゃんとした確率の土地を持っている

※ちゃんとした確率=36分の3以上。数字チップでいうと4・10以上。2タイル合計で超えるというのも一応アリとする。

この基準を満たせていれば、初期配置の段階でそこまで遅れはとらなかった、なんとか勝負を競える状態にあると言えると思います。

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初期配置の一軒目の置き方では、上記の基準を毎回満たすための簡単な指針があります。

・3種類バラバラの種類の土地をとる。 ※2,3,11,12は含まない

3種類は、本当に何の組み合わせでも構いません。バラバラでさえあれば、折り返しの2軒目で、足りないもう1種類をとってこれれば最低限のスタートはきれます。

これは主に1番手や2番手スタートといった、早い順番でスタートできる人のやり方です。次の折り返しの2軒目が置かせてもらえる頃には島はすでにズタズタに荒らされているはずなので、早い番手のスタートの人は、無難なところに構えておいた方がツブレにくくなると思います。

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3種類バラバラで数字のいいところがなくなってしまったら、次の指針で1軒目を探します。

・麦+鉄2種類がとれて、数字が3つともまあまあいいところ

・麦+羊2種類がとれて、数字が3つともまあまあいいところ

・木+土2種類がとれて、数字が3つともまあまあいいところ

優先順位は上からとします。麦+鉄は言わずもがなです。十分強いです。

麦+羊の組み合わせは意外に思えるかもしれませんが、もう一種類の足りない鉄か木か土をとってこれれば最低限のスタート基準は満たせるので、案外ツブレにくいのです。

木+土の組み合わせはわかりやすいですね。道と家をバンバン建てていければ鉄がなくてもそこそこ勝負になります。ですが、折り返しの時にもしかしたら厳しいスタートになることもたまにありえます。

また、数字は3と11もアリとします。ただし、他の2つの数字はできるだけ5か9以上の場所を探してください。3・4・6とかだと、1軒目としてはちょっとしんどいです。

特に3番手スタートの人はこういう少し劣った指針にすがらざるを得ない時がありますが、ガマンしてみてください。変に資源の種類にこだわって数字の悪いところをとってしまうと、4番手が喜ぶだけです。

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4番手の人は、2軒の組み合わせで、最初の指針を満たせるようにがんばってください。

・麦+鉄+羊の3種類の、ちゃんとした確率の土地を持っている

・木+土+麦+羊のうちのどれか3種類の、ちゃんとした確率の土地を持っている

他の人との差が気になるかもしれませんが、極端に遅れてるわけでなければ、ゲームが始まればその差が埋まりますから大丈夫です。

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以下、2軒目では、先の指針の足りない場所を取っていきましょう。ただ、海沿いは極力避けましょう。その後の道+家ののばしがいのなさすぎるところに置くと、ゲーム中盤以降で差になることがあります。

海沿いに置くなら、海でない残りの2タイルとも数字がいいとか、あるいは最初から都合のいい港も絡んでるとかの小さくないメリットがあるときだけにしておいた方がいいです。(自分からわざわざ狭いとこにこもると、他のプレイヤーが喜ぶのです)

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また、4番手以降のプレイでは、以下の点も少し考慮しましょう。

・3:1港が手の届く場所にある

カタンで一番大変なのは、最後の9点、10点目を稼ぐことです。この段階では自分の力がすべてなので、どうしても港の力が必要です。

これまでの指針では、割と種類をまんべんなく取る、オールラウンドな配置を志向してきましたので、その意味では3:1港の方が役に立ちやすいです。2:1港は……相性がよければアリかも、ぐらいの必要さです。

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以上で、初期配置の大体のセオリーの説明は終わりです。

あえて盤面の図を用意しませんでしたが、場面場面の戦術の話をしたくなかった、全体方針の「戦略」の話をしたかったためです。

また、道の伸ばし方も本当はいろいろあるのですが、今回はあえて書きません。まずは今回の全体方針、戦略のことを考えてもらえればと思います。

最初に書いた目標、大きく出遅れない。これが守られているなら、あとはゲームがはじまってからでもなんとかなります。でも、大きく出遅れてしまえば、あとの1時間、ただ審判のようにサイコロを振るだけの人になってしまいます。

カタンの初期配置で決まるのは勝者でなく敗者なのです。

出遅れなければいい、と寛大な気持ちで初期配置に臨めば、案外楽なもんですよ。

(おわり)

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