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「時間を大切に」の概念が異なる日本とドイツ

長男アユの塾の夏期講習が昨日でようやく終わりました。5日間ほどの夏休みと週1回の休みを除いて毎日1日3時間。夜の9時半に終わるので、電車に乗って帰宅すると夜の10時になります。帰宅して1人、日課のドイツ語の子供ニュースをタブレットで見ながらご飯を食べ、その後は日本のバラエティなどを見て脳の疲れを癒す日々。中2にしてその背中には既に多忙な都会のサラリーマンの哀愁が。。。日本の都会の中学生、大変すぎる!(汗)

しかし塾、夏休みくらいせめて午前中にやってくれれば爽やかでいいのに!と思っていたのですが、中学生の多くは部活で忙しく(途中から緊急事態宣言でやっていませんが)、必然的に夜になるようなのです。塾に部活に学校に…日本の中学生は本当に忙しい。というか、コロナで以前と変わった点もありますが、日本では中学受験組の小学生も、社会人も本当に忙しいですよね。

やはりこの忙しさは日本人の大好きな「詰め込み」にあるように思います。

部活もスタメンになりたいし、勉強だって頑張りたい!なんなら恋に友情に行事にイベントに…という読んでるだけでお腹いっぱいになってしまう、進○ゼミのPR漫画のような、詰め込み…もとい充実した学生生活に憧れを感じた人は実は多いと思います。(私もその1人です。。)が、実際にそれをこなせる子って、相当要領がいいか、地頭がいいか、並外れた体力があるかかと。世界中どこにでもそんなスーパーマン的な子はいるかと思いますが、日本では努力や根性論で頑張れば誰でも詰め込んできるという錯覚を起こさせがちです。

社会人になっても基本は同じで、書店でも「賢い人は時間の使い方が上手い」「1日24時間は皆平等。使い方で人生が変わる」といった類の本を目にします。(最近はラクしよう的なものも増えてきたように思えますが)結局会社に縛られている時間はどうにもならないから、隙間時間になんとかしようと頑張ってしまう。結果、日本人の時間の理想的な時間の使い方は「24時間を有意義になるよう詰め込むこと」になっている気がします。

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*日本の都会のカフェでよく見るこの光景。ドイツではノートPCで仕事をする人は見ますが(なぜかいつもスタバ。)勉強している人は見たことがありません。

一方で「効率的」「時間を大切にする」と言われているドイツですが、「有意義な時間の使い方は?」と聞かれると、おそらく大半が「仕事をさっさと終わらせて自分の好きなことをする」と答えることと思います。もちろんキャリアアップのために勉強をすることもありますが、全体的に日本人ほど向上心のある人はあまりおらず(笑)、いかに自分らしく過ごすか、リラックスするか、に力を注いでいるように見えます。客観的に見て、ドイツ人は日本人よりも諦めがいいところがあるというか、あまり能力以上のことを無理してやらない人が多い。2つやりたいことがあった場合、両方こなそうとしてしまうのが日本人に多いのに対し、「だって無理じゃん!」と言って片方をあっさり諦めるのがドイツ人に多い気がします。

日本の品質もサービスも格段にいいのは、日本人の「諦めない」欲張り根性から来てるのかなと思います。まあ、サービス砂漠のドイツよ、もう少し頑張ってよ…と滞在中は何度も思いましたが(涙)。仕事のやり方については「ドイツでもこうやればもっと上手くいくのにな。これじゃ二度手間だよ。」と思った点も多々あったし、会社によって異なるのでこればかりは一概に比較はできない気がします。


あえてひとつ、これはいいなと思ったのは、ドイツ人は圧倒的に朝型の人が多く、社会全体が朝型国家だということ。一般に幼稚園もスーパーも7時半くらいから開いており、デスクワークをする人も仕事を早い時間から始める人も多いのです。そしてガッツリと仕事をして16時くらいに終えてさっさと帰宅。保育園や学童ですら16時くらいまでしか預かってくれないので仕方ありません。なので今日なるべくやったほうがいいこともとりあえず時間が来たら明日。都会は別ですが、スーパーも一般のお店も夜の7時くらいになると店が閉まってしまい、なんとなく強制的に1日の労働が終了してしまいます。


断ち切るというのは勇気がいることもでありますが、やはり生活にゆとりを持たせたり、ストレスを減らすには結局これが一番かも知れません。とは言え「諦め」と「理想」の間で悩むことはしばしばですが。

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夜遅い長男の塾通いも断ち切りたいところではありますが…

彼が望むレベルの高校に入れることを優先し、悩んで話し合って始めたので、今は必要だと家族で割り切って乗り越えていこうと思います。

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