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おすすめのニコニコ動画(作業用)

この記事は筆者が作業をする時によく周回するニコニコ動画を布教共有するためのものとなります。

注:この記事ではTRPGを扱った動画を紹介します。事前知識があればより楽しめるかもしれません。また、合成音声を取り扱った作品を主に紹介するためそれらが苦手な方には不向きな記事かもしれません。

導入

みなさん、ニコニコ動画って知っていますか?
YouTubeとは違いサブカルチャー方面に特化し、それでいてどこかアングラな雰囲気も持つ歴史ある動画共有サイトです。
その昔は会員登録(無料)をしないと視聴できないといったこともありましたが、今は会員登録をせずともお手軽に視聴できます。
また、月額会員となることで動画冒頭の広告も無視して視聴することができます。

何を隠そうこのニコニコ動画、筆者が月額会員として普段利用している唯一の動画共有サイトなのです。作業に集中したい時によく裏で流していたりします。

現在は動画共有サイトと言えばYouTubeやTiktok、配信ではTwitchなどが主流ではありますが国内の企業が運営しているこのニコニコ動画の魅力の一部を知っていただければなと思います。

紹介にあたり

さて、どのように紹介するかと言えば、筆者は作業に集中したい時に特定の「再生リスト」および「ジャンル」をずっと裏でBGM代わりに垂れ流しながら取り組んでいます(以降、ニコニコ動画の文化に倣いこれらをそれぞれ「マイリスト」や「シリーズ」、「タグ」と呼称します)。これがすごい集中できるんですよ。そして、気分が乗らない作業をしている時でも比較的楽しいテンションが維持できる。そんなマイリスト、シリーズ、タグを紹介したいと思います。

1.汚っさんの備忘録

はい、のっけからとんでもないタイトルをお送りしますが帰らないでください。魅力があるんです。

タグ:汚っさんの備忘録
ユーザー:ともつか治臣
ジャンル:TRPG

「汚っさんの備忘録」の作者について

こちらのタグは汚(お)っさんこと「ともつか治臣はるおみ」さんという方が作られる動画につけられるタグになります。いわばシリーズの1つとして定着しているものとなります。このともつか治臣さんという方、どのようなことをされているかというと

エロ漫画家です。

待って!帰らないで!もう少し釈明説明させてください!

えーーーこの方、現在では商業の連載もされてるんです!こちら!

ニコニコ静画より

『令和のダラさん』という漫画です。
エッチな漫画じゃないです!こんな格好ですが健全なんです!!
書店の漫画コーナーで平積みされているのを見たことがある人もいるんじゃないでしょうか!?

このともつか治臣さんという方、こちらの漫画で『このマンガがすごい!2024』にてオトコ編12位を獲得しています。

なぜこのように支持されているかというと、話作りが上手いんです。
伝承に絡めた話がすっと頭に入ってくる、絵柄もさることながらそのどこか日常に潜んでいる非日常、常識に潜む怪異をストーリーに散りばめていくのがとても上手いんです。それでいてギャグのテンポがいいため「怖楽しい」という独特の世界観を描くに至っています。

「汚っさんの備忘録」という動画群について

そんな方が作る動画群がこの「汚っさんの備忘録」です。
「備忘録」というからには何かの体験を記した動画であることが伺えます。
では汚っさんの邪な体験がニチャァ…と綴られているのかというとそういったものでは全くなく、気の置けない友人とTRPGというゲームで遊んだ経験を再現(リプレイ)動画として残そうというとてもピュアな動画群なんです。

ともつか治臣さんは自身の紹介文でこう語っています。

友達と遊んだTRPGをカタチにして残しておきたくて
リプレイ動画を作っています。

ともつか治臣 - ニコニコより

どうですか!ピュアでしょう!?ピュアなんです!!!

このTRPGというゲーム、ゲーム進行役のキーパー(KP)と実際にゲーム内のキャラクターをプレイするプレイヤー(PL)に分かれてゲームをしていくわけですが、このともつか治臣さんの下に集まった方たちです。普通なはずがありません。
そう、プレイヤーの方たちの大半が漫画を描く方達なんです。ですから動画に出てくるキャラクター達が魅力に溢れているんです。

では、動画の内容について見ていきましょう

動画紹介:【クトゥルフ神話TRPG】汚っさんの備忘録:0-1

はい、なんか上半身裸の汚っさんが映ってますけど我慢してください…!ピュア(欲望に忠実)なだけなんです…!
こちらは動画シリーズの第一弾となります。
全員が初心者という中でゲームが行われていくわけですが、友人たちとふざけながらもわいわいと、時に容赦のないツッコミを入れながら話が進んでいきます。初投稿にも関わらず、一目見てクオリティが高いことが伺えます。
合成音声の話速が若干ゆっくりのため間延びした印象を受けるかもしれませんが、合成音声を聞き慣れていない方にとっては聞きやすくていいかもしれません(途中で改善されていきます)。

序盤の内容をざっくり見ていくと

8人のPLがそれぞれ思い思いの学生と先生のキャラクターを創造し、KPに紹介していきます。それを受けてKPが物語の序盤となる部分を語っていきます。
その学生たちは同じ高校のクラスに所属し、少し早めの修学旅行に行くことになるが自然災害によりその行先の変更を余儀なくされる。修学旅行は学校側の苦肉の策でクラス単位での小旅行となったが、意外にも生徒からの反応は悪くなかった。唯一の欠点と言えば担任のくじ運の悪さが発揮され、新たな候補地の中でもとびきりド田舎の村へ行くこととなり――。

といった内容です。
修学旅行といった親睦を深めるにはうってつけのイベントでこの8人の登場人物がどのように関係性を深めて行き、物語が進んでいくなかでどのような選択をしていくのか。若さゆえの無邪気さと危うさ、すっと頭に情景が思い浮かぶKPの巧みな語り、どこか温かみのある物語に引き込まれてくれると嬉しいです。

これ以降のシリーズもどれもおすすめですので気になったものをご覧いただければ幸いです。1話で2~30分前後、シリーズを通すとだいたい6時間程度となりますので、まとまった時間でのご視聴をオススメします。

2.ゆるふわ卓

こちらは打って変わってかわいらしい名前となっております

タグ:ゆるふわ卓
ユーザー:ごんずい
ジャンル:TRPG

「ゆるふわ卓」の作者について

「ゆるふわ卓」と呼ばれる動画群の作者は「ごんずい」さんという方。こちらの方も漫画を描く方で、単発の商業イラストを作成されていたりもします。
ただしこの方、動画でのユーザー名とは別名義で活動されているという一風変わった方でもあります。気になった方は探してみるといかがでしょうか。

こちらの方もTRPGのリプレイ動画を公開されるのですが、特徴としてはとにかく内容がゆるく、そしてふわっとしているのが特徴です。
そのゆるさたるやあまりのボケの多さにツッコミが追いつかず、動画視聴者から度々ツッコミが入る有り様です。

漫画を描かれる方なので、例に漏れず語彙の引き出しの多さが特徴です。
シナリオ自体は無料公開されているものを使用することが多いのですが、その展開のジェットコースターぶりが他では味わえない面白さを生み出しています。その物語の展開に振り回されテンションの乱高下が激しいKPとPLを見てるととても楽しい気分になります。つやつやしてきます。

また、ラジオ感覚で聞けるようにと聞こえてくる合成音声、BGMだけでも楽しめるように配慮がされているのが特徴です。この方、言うなればフリーBGMジャンキーでもありますのでBGMの引き出しがとにかく多く、おすすめされるBGMはどれも筆舌に尽くしがたい聴き心地を放っています。しかも無料でダウンロードして聞けちゃうんですって奥さん。

「ゆるふわ卓」という動画群について

こちらのゆるふわ卓、基本的にはKPはごんずいさん固定で、シリーズごとにPLが切り替わっていくのが特徴です。また、そのほとんどが1~3話で完結し、且つ1話自体も10~20分と短めのシリーズとなっているため、気軽に視聴できるのが特徴です。合成音声のスピードが若干速いため、ある程度の慣れは必要になってくるかもしれません。

動画紹介:単発ゆるふわ系CoCリプレイ「毒入りスープ」~PL:Aの場合~

はい、「毒入りスープ」というゆるくもふわっともしてないタイトルでごめんなさい。でもゆるふわなんです。信じて

こちらの動画、紹介するにあたり注意点があります。
この動画は、泥紳士さんという方が作られた『毒入りスープ』というシナリオを基に作成されているため、視聴すること自体がネタバレそのものになってしまいます。そのため、このシナリオをプレイする予定のある方は視聴を控えていただけると幸いです。シナリオ自体はクトゥルフ神話TRPGをプレイする初心者にとって金字塔とも呼べる出来となっていますので、近くにクトゥルフ神話TRPGの経験者がいる場合は首根っこを掴んででもこのシナリオを遊ばせてほしいとお願いしてみましょう。もしくはツイッター上で初心者である旨を記載しKPを募集しましょう。泥濘の底からいくらでも這い出てきますので。シナリオ自体は無料で公開されています。

こちらの動画、投稿からあと1ヶ月弱で10年を迎えようとしている際に100万回再生が目前に迫っている動画となります(2024年3月28日1時現在の再生数969,383)。根強い人気があることが伺えます。

動画の冒頭では視聴に関する注意事項の説明の後に、AさんというPLが自身のキャラクターを紹介し、KPがそれに辛辣なツッコミを入れ、ダイス係という架空の人物が注釈を入れながら話を進めていくという流れとなっています。初っ端から(主にKPであるごんずいさんの心中に)暗雲が立ち込めていくなか、陽気なBGMを背景に話が進んでいく。このギャップがゆるふわ卓の醍醐味であると言えます。
また、ダイス係さんがきゃっきゃしながらダイスを転がす様が目に浮かびます。かわいいね

物語の冒頭でKPは次のように情景を描写します。

君は今日も仕事を終えてつかれたしにたいって自宅に返ってくるね。

動画時間00:33 KPの発言

という訳で自宅なんだけどどこで寝る?床?

動画時間00:40 KPの発言

キレッキレである。
疲れたという描写がなされたキャラクターに対し、ゆるくふわっとしつつもあまりにも辛辣なこの仕打ち。これこそがゆるふわというオブラートで包みこんだ隠しきれない言葉の棘である。
このような小気味いい言葉での押収が10~20秒に1度は交わされる。地獄か?
なおPLであるAさんはこれらの言葉の棘に対しあまりにもゆるくふわっとしたボケで返してくる。
以下引用

お布団よ、私は戻って来たぞーーーうおーーー。

00:50 Aさんの発言

スヤァ・・・

00:54 KPとAさんの発言

ふわっふわしてる。ふわっふわ
そして終始こんな感じである。
このテンションが終盤までずっと続くから最後まで飽きさせてくれないし、油断ならない。

そして上記の引用の時間を見てほしい。この時点で動画開始から1分が経っていない。
つまり、動画の注意事項の説明→キャラクター紹介→導入の開始から終わりまでという一連の流れに1分掛かっていないのである。これだけでどれだけスピーディーに物事が進んでいるかがわかることでしょう。
このため、動画時間が10~20分であるにも関わらず、その内容はとても濃いものであることがわかります。詰めに詰め込んでいるにも関わらず、それを煩わしく感じさせない。ごんずいさんの構成における手腕には驚かされるばかりです。

こちらの「ゆるふわ卓」もどのシリーズからでもおすすめできます。ただしゆるふわであるにも関わらず、わりとさくっと流血描写が随所に現れますので、そこだけは苦手な方は注意が必要かもしれません。

3.ボイロ劇場まとめ

こちらはTRPGではなくSS(ショートショート)のような短編の動画となります

シリーズ:ボイロ劇場まとめ
ユーザー:ごんずい
ジャンル:劇場系、紙芝居

「ボイロ劇場まとめ」の作者について

こちらのユーザー名ですが、見覚えがありませんか?
そう、こちらも先程紹介させていただいた「ごんずい」さんが手掛ける動画群となります。

「ボイロ劇場まとめ」の動画群について

先ほどの「ゆるふわ卓」では既存のシナリオを使ってゲームを遊ぶものがほとんどではありましたが、こちらの動画群は物語をすべてごんずいさんの手で手掛けたオリジナル創作となっております。
キャラクターの名前や設定、容姿に関しては合成音声のイメージキャラクターである「ボイスロイド」「VOICEVOX」などから引用してきているのが特徴です。
ただし、動画に出てくるキャラクターや背景は全て1枚1枚ごんずいさん自身の手書きとなっています。
基本的にはデフォルメキャラクターか、あるいはキャラクターが登場しない風景を背に紙芝居風に文章が表示されていくのですが、この単色の背景と繊細な線で構成された独特の世界観で夢中にさせてくれます。そして、一番盛り上がるシーンでフォーカスされるキャラクターの表情、心理描写がとても心地良いものとなっています。喜怒哀楽の描写がすごく上手く、そのシーンの前後の繋がり、シーンの切り替わりでの変化もとても綺麗でこれでもかと世界観に浸らせてくれます。
動画の最後にはBGMを背に登場するキャラクター同士の関係性についての簡単な解説で〆られます。この余韻に浸れる時間、感想のコメントがせせらぎのように流れていくのが小説を読み終わった時のあの読後感、爽快感のようなものを生みだしてくれます。

また、ごんずいさんはキャラクターの特徴を把握し合成音声に感情を載せるのが得意な方で、キャラクター同士の掛け合い、短い動画時間(だいたい1分~3分)の中での緩急の変化がとても心地良いものとなっています。一時期、ニコニコ動画の視聴後に流れる提供音声として「VOICEVOX」のキャラクター15名とコラボすることがあったのですが、その合成音声の編集をすべて一任されるという大抜擢をされるほどの実力の持ち主でもあるんです。


動画紹介:夢という名の化け物【VOICEROID・TALQu劇場】

今回はすべて単発の動画であるため、個人的に好きな動画を1つピックアップして紹介させていただきます。悩みましたが印象的だったものを1つ。

(中略)お試し動画です。この口調でお喋りさせたかっただけ。

動画説明文より(前後、中略しています)

部屋の片隅で「あんた様」と「あなた」がお喋りをする動画となります。
視覚情報から得られる違和感を置き去りにしながら物語は進んでいきます。
動画を進めていくと、言葉を交わしていくなかで、ぽつり、ぽつりと背景となる情報が散りばめられ、語られていきます。3拍子のワルツ。ピチカートにピアノ、打楽器で刻まれて。どこか不思議で、暗く、穏やかな、ゆったりとした調べを背に。
それらの語りから「あんた様」と「あなた」はそれぞれの自論を紡ぎ出し語り聞かせていくのですが、それが相手にはどう映ったのか――

といった動画です。
「言葉や文字、書体ってこんな風に使って遊べるのか」と見て、聞いて、その両方でそれぞれ楽しめる作品となります。さっと見れる動画になりますので是非気軽にご覧ください。そしてこの沼にはまりましょう。

終わりに

長い文章となってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。他にも紹介したい動画はありますが、どうしても紹介したいものに絞り掲載させていただきました。そっちまで書いてると終わんなくなる
どうかお気に入りの動画を見つけ、日々の活動の活力としていただければ幸いです。

それでは、よき生活を!

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