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ThinkPadをSlabtop化しました。


ThinkPad、いいですよね。

壊れにくく頑丈で、サービスマニュアルもあって保守しやすい。
その上TrackPointがあるから、作業時キーボードから手を放す必要がない。
一つ弱点をあげるなら、競合に比べて少し重量が重いこと。
そんな弱点を解消し、しかもどこでもマルチモニタで使えるとしたら……?

HTCのヘッドセット、XR Eliteを入手してから私が考えることは一つでした。
ヘッドセットをかぶってThinkPadのキーボードでどこでも作業をしたい。
しかし、それにはいくつか障壁がありました。

一つ目は、日本語キーで操作できるリモートデスクトップアプリがないこと
二つ目は、外出先から遠隔地のPCに接続すると、かなりの遅延があること
三つ目は、ヘッドセット一式とPCを持ち歩くと、かさばること

しばらく使っていた構成
このほかにXR Elite駆動用の外部バッテリーとコントローラが必要です。

1と2をポータブルなローカルPCで無理やり解決する構成として
しばらくは写真の様な状態で使っていましたが、やはりかさばります。
XR Eliteによるマルチモニター環境は素晴らしいのですが、ノートパソコンのようなシンプルさはありません。もっと最適化したい。

Quest3の入手とSlabtop

そんな折、Quest3を入手しました。主に仕事用ではありますがMR性能の
高さと、ちゃんと操作できるハンドトラッキングはそれだけで面白いです。

XR EliteをQuest3に変え、バッテリとコントローラーが不要になりました。
あとはキーボードとパソコンが一つになれば、荷物が2つで済むのに……

ふとTwitterをみると、Macbookの液晶部分を取り外して使っている方が
いらっしゃいます。なるほど、こういうのはスラブトップと言うのですね。
検索してみると、数年前から結構流行っている様です。
これをThinkPadでもできないだろうか…..?

Slabtop ThinkPadの作り方

早速ジャンクのThinkPadを入手し、いくつか設定を行います。
大まかには以下の通り。サービスマニュアルがあると楽ですね。

  1. 一旦ディスプレイありでImmersedの接続が簡単にできる様にする。

  2. BIOS設定を変更し、BIOSの画面表示先をExternal Displayに変更する。

  3. Disable Batteyで電源を落とす。

  4. 本体を分解し、バッテリー線を抜いてからLCDを取り外す。

  5. ついでにスピーカー線を取り外す。(異常診断用のBeepを黙らせる目的)

  6. LCD以外元通りに組み立てて穴を適当にふさぐ。

LCDとカメラ、スピーカーを外しているので起動時にエラーが表示されて
いるはずですが、これは適当に起動時にEscキーを押すことで抜けられます。
ここまでミスがなければ無事Windowsが起動するのでログイン。
ImmersedがUSBかWi-Fi Directで待機状態になるまで待ちます。
※2024/02/20追記 2の設定を入れた場合BIOSの画面はHDMIポートではなくtype-C経由のDisplayportから出力されるので注意します。

軽量マルチモニタThinkPad

あとはQuestを頭にかぶるだけ。
すると目の前には大画面の複数モニタ、そして手元には
ThinkPadの使い慣れたキーボードが現れます。 最高。

マルチモニターなThinkPad!!

ローカルPCなので操作の遅延も気にならず、Quest PC間をUSBで
接続しておけば、緩やかに電力を供給。
その上無線の影響を受けずに画面が表示されます。

LCDのないThinkPad(L13 gen2)は852gと軽量です。
Quest3と合わせても1.4kg程度、元の重量とほぼ同一です。

これは実用的でしょうか

思ったよりも実用的でした。
Questで使用するImmersedの完成度は高く、あまり不安定になりません。
今回はテスト的な側面もあり、ThinkPad側の性能が少し前のものです。
それもあって3モニタ以上の環境は厳しい側面もありますが
それ以外は快適に使えています。鞄の中での納まりもよくなりました。
ImmersedのVisorが発売されたら、最新のThinkPadでやるのもありかもしれませんね。

おまけ:トラブルシュート

今回の構成は、正しくImmersedが動くことが前提です。
もしImmersedがきちんと動かなかったら?他にトラブルで実モニターを見る必要があったら?

そんなときは、QuestのOSがAndroidをベースにしていることを思い出しましょう。
任意のUSB Captureソフトと、USB-HDMIキャプチャドングルを用意すれば
QuestがどこでもPCのモニターになります。
この手のトラブルは絵をみてみればなーんだ、ということが多く
鞄にケーブルとドングルを投げ入れておくだけでなんとかなります。

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