京都2歳S 予想メモ
コース形態
秋華賞の通りだが、それ用の文章だっただけに少し補足。
このコース形態により、基本的に3角から外を回していくのはロスが大きく得策ではない。インベタだと下り坂の加速を生かしにくいので難しいところではあるが、どれだけ流れに乗ってスムーズに直線へ向かえるかがポイントとなる。
なお、京都2歳Sは、2歳戦においてホープフルS前の唯一の2000mの重賞なので、この距離ならばクラシックを見据えて強い馬が出やすいのでは?と思いたくなるのだが、実は例年凡戦傾向。
具体的になんでかと聞かれると難しいのだが、私なりの仮説は3点。
・ズブかったりスピードが足りないと思われている馬が、2歳最長であるこのレースに出ることがある
・そもそも素質馬はその前の重賞やOPで勝ち上がってホープフルor朝日杯にコマを進めているので、時期的に2歳G1最終予選的な感じになってしまっている
→メンバーレベルが低くなりやすい
・周回コースゆえに実際のスピード能力を立ち回りで誤魔化せることがあるため、若駒で一番重要な基礎能力の重要度が下がりがち
→ここで賞金を積めても、最終的にベースの能力が足りず、クラシックで通用しないケースが多い
TB想定
とりあえず内外フラットで問題なさそう。
シンエンペラー
凱旋門賞馬ソットサスの弟。血統人気は間違いなくしそう。
新馬戦は東京1800。37.0-34.0(5F61.7)。
逃げ馬の後ろのインコースで脚を溜めて、直線でこじ開けて抜け出して圧勝する内容。
テンからかなりスローなので今回も同様のポジションを取れるかどうかではあるが、我慢する競馬を覚えられたのは好感。
まだまだ余力はありそうで、期待。
1着候補。
サトノシュトラーセ
新馬戦はショウナンラプンタの2着。
直線は狭いところを抜けてきたとはいえ、着差はつけられて力負けと言ってもいい。
加速もなかなかつかず、ちょっと印象は良くなかった。
続く未勝利戦は京都2000。37.8-35.1(62.6)と引き続きドスロー。
内容は番手から抜け出しての圧勝。重馬場だったがさほど時計面の悪化は無かったため、良馬場に近い認識で問題ない。
ただし、新馬戦で負かされたショウナンラプンタは東スポ杯で完敗。
またペース経験も2戦ともスローであり、ペースが流れた時の追走力にも不安は残す。
今の想定人気だと、ちょっと過剰人気か?
3着候補。
オールナット
新馬戦は京都2000の同舞台。38.1-34.4(65.3)のかなりのスロー。中盤に13秒台のラップが4つとかなり中弛み。
重馬場ではあったが、ラスト2Fで11秒前半が出るくらいなので、あまり影響がないと思って良さそう。
テン自体はそこそこ良好で、序盤ペースを抑えるのにちょっと引っ掛かるところはあったが、すぐに落ち着き、スローゆえにかなり突かれながらもゆったり運んで後続を完封した。
とはいえ今回は流石にペースがもう少し上がりそうなので、そこで対応できるかどうかが鍵となる。
強いかもしれないが、今回は割り切りで静観。
ホウオウプロサンゲ
超高額馬。
新馬戦はやや出遅れたものの、それでも勝ち馬カンティアーモには大きく離されており力不足を露呈した形に。そのカンティアーモはデイリー杯で力負け。世代トップ候補から外れてしまった。
しかし、出直しの未勝利戦は好位から抜け出してしっかり勝ちきり。比較的内が優勢だったTBを外を回して差し切るあたり全く弱い馬ではなさそう。
この2戦を見る限りは、そこまでスピード面にちょっと疑問か?
続くアイビーSは逃げて37.7-33.1(63.1)の末脚のキレ勝負に持ち込んだが、自身も33.2の上がりは使えたものの勝ち馬の切れ味(32.7)に屈した形となった。
よって、世代トップ候補よりは2枚ほど落ちるが、今回のメンバーならば経験値含めて賞金を詰める公算はありそう。ペース対応も未勝利戦を見る限りは多少なら大丈夫そう。
2着以下候補。
ギャンブルルーム
札幌2歳Sは3番手から進めたが伸びず3着。外3頭目を通っていたので、馬場の中目が使えず、最内が一番使えるTB的に向かなかったところはあるので言い訳はできるが、ただの前残りのワンツースリーなので評価に困るところ。
新馬戦が後方からだったのを考えればよく走ったとは言えるが、馬場が合わなかったか、単純にそこまで強くないのかの2択状態。(振り返り記事より)
オッズがつくならば、前者に賭けるのは一考だが、大自爆したガイアメンテが東スポ杯で力負けしたところを見ると、どうかな?というところ。ただし、今回の方がメンバーレベル的には下であることは多いが。
1着候補。
キープカルム
新馬戦はジャンタルマンタル(デイリー杯勝ち馬)の2着。離されたとはいえ、相手が世代上位候補ならば言い訳はできる。
続く未勝利戦は同舞台の京都2000。37.0-34.1(62.0)の流れを2番手から抜け出しての勝利。スローではあるが極端な中弛みでもないので、そこそこ内容としては悪くない。
能力がこの馬も上位候補であるとするならば、期待できる存在。新馬戦もそこそこ流れたペースで走れているので、多頭数に対応できれば。
1着候補。
コスモエスメラルダ
新馬戦は東京2000。39.7-34.5(64.8)のドがつくスロー。中弛みというわけではなく、極端にテンからゆっくり流れて、徐々にペースが上がるというもの。そこまで折り合いも悪くなく、外目3番手から抜け出しての快勝ではあるが、ここまでスローなら上がり33秒台を出せてよかったんじゃないの?と思いたくなる。アルゼンチン共和国杯の週であり、メインはミドルペースだったのでともかく、他の条件戦は33秒台は普通に出ていたことからも。
また、流石に今回の方が前半は速くなりそうなので、好位を取れるかどうかにも不安が残る。あまり強調材料がない。
見送り。
プレリュードシチー
新馬戦は3番手から、今回出走のオールナットに振り切られた2着だが、上がりも彼に負けていることを考えると力負けの可能性は否めない。
未勝利戦は東京2000で、36.5-34.7(61.5)と今回のメンバーの中ではそこそこ流れており、経験値はある。5番手から狭いところを抜け出しての快勝であることから内容自体はいい。
展開次第では逆転の可能性はゼロではないが、どう立ち回るかがポイント。
3着候補。
カズゴルティス
新馬戦は阪神2000。稍重だが乾く過程だったためほぼ無視で構わないと判断。36.9-35.2(62.4)。
比較的緩みが少ないラップ構成を逃げて、後続を振り切っているので内容自体はそこまで悪くはない。
新馬戦同様、どちらかと言えば持久力を生かした競馬ができれば好走できる可能性はある。
2着以下候補。
パワーホール
札幌2歳Sの2着はスローペースとTBを生かしてロスなく乗った結果なので、外を回ったギャンブルルームと着差ほどの能力差はない。
あとはどちらがもう少し速い時計が望める今回好走できるのか、というところだろう。
札幌2歳S自体あまり評価はしていないが、人気がないなら抑える価値はある。
2着以下候補。
ダノンデサイル
新馬戦は東京マイルで、出遅れたぶん届かなかったものであるが、3着とも離されたものでありあまり評価はしにくい。
続く未勝利戦は京都1800でスタートを決め2番手から。35.6-35.1(60.4)のペースで、スロー寄りだがイーブン気味で、他と比べればまあまあ早めのペース。
逃げ馬を捉えて交わしての勝利だった。
前残り展開のワンツースリーのため評価は難しいが、ペース経験はある。
さらに1F伸びて、器用に競馬ができればというところか?
今回は静観。
ルカランフィースト
新馬戦は東京1800。37.4-33.8(62.5)のスローペースを2番手から押し切った内容。
スタートはそこそこ良く、外目を気分よく追走させていたため、能力を出しやすいように上手く導いたようにも見える。
展開的には前残りのワンツースリーなので評価としては微妙なところにはなるが、ペース対応と今回も気分よく追走ができれば、というところか?
今回は静観。
ディスペランツァ
新馬戦は出遅れて一脚もあまり使えなかった案外な内容だったが、大外ということもあって出遅れた時に外に膨れたロスもあってリカバリーに脚を使ってしまったという言い訳も可能。
未勝利戦は阪神2000に転戦し36.6-35.7(61.2)と緩みが少ないレースに。またも大外枠で出遅れたものの、新馬戦よりはロスはマシに。無理させず中団から進め、3角から外目を進出。4角には先頭に取り付き、直線で先頭に立って押し切る力の違いを見せつけた内容だった。
2戦とも速い上がりよりも長めの脚を使う持久力寄りのレースではあったので、今回も同様の展開ならばチャンスはあるが、スピードの絶対値が高い馬相手だとどうなるか。
2着以下候補。
コスモキュランダ
早くからデビューしているものの、新馬戦はコンバデカーブースに完敗どころかシンガリ負け。夏競馬はパスして未勝利に向かった。徐々に内容は良くなり4戦目(37.2-36.4,63.2)で勝ち上がったものの、3場開催のローカルである新潟最終週&重馬場のかなり馬場が悪いコンディションであることや、前残りワンツースリーであることを考えると、素直に評価できるかどうか難しい。
勝ち上がりに4戦も費やしていることを考えると、現段階では能力不足の可能性は否めないか…。
見送り。
総評
比較が難しいので、馬券はやめた方が賢明。
穴として買えそうな馬はいるが、やってみれば案外というリスクは古馬戦よりも高いため、買うならオッズの基準を高めに設定するのが無難だろう。
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