関屋記念 予想メモ


コース形態

向正面から3角が緩い登り坂、4角から直線入り口までが緩い下り坂、それ以外はほぼ平坦のレイアウト。
直線が600mより長いということも重なり、ワンターンマイルの中でもスローからの直線勝負になる確率が高いのが特徴である。
とにかくトップスピードが物を言うレースになることが多い。末脚の質はもちろん大事。
展開は先行馬が競るかどうかでほとんど決まると言ってもいいくらいで、実力下位馬が単騎逃げドスローに持ち込むと圏内に滑り込んだりする。
直線が長いからといって差し馬に過信しない。高速馬場の場合逃げ馬が惰性で押し切ることも多く、前残り決着には注意が必要である。

TB想定

先週のままだと少し内有利。高速馬場でもあり、変化がなければ先行馬の押し切りには警戒が必要。

ジュンブロッサム

水無月Sは完勝といっていい内容で力の違いを見せつけたが、1600にしては縦長展開で、かつ少頭数で中団をほぼ単騎で楽に走れているため、能力を発揮させやすい状況であった。
今回はフルゲートの18頭立てであるうえに重賞級も含まれて相手強化であるため、前走ほど楽には運べなさそうなのは自明である。
よって、能力全開ならば重賞級相手でも通用する素質は見せているものの、前走よりは馬群で包まれるなどストレスがかかる競馬になる可能性が高く、外枠だとしても距離ロスを強いられやすいことを踏まえれば、過信禁物である。また、人気先行型なのも馬券戦略的には美味くない。
2着以下候補。

ディスペランツァ

アーリントンCの勝利はドスローの前残り展開を差したと見れば悪くないが、2着にスプリントでも勝ち上がれなかった1勝馬が来てしまうかなり弱いメンバーであったうえに内有利TBを生かした面もあるので、決め手は評価しつつも能力が高いと見るのは早計。
NHKマイルCの7着は出遅れと直線やや不利でスムーズさを欠いたところはあれど、上位には力負けである。ただ、ロジリオンとは0.4差だが、ロジリオンは流れに上手く乗ってスムーズなレース内容ということを踏まえると、着差ほどの能力差はなさそう。
よって、ロジリオンに評価を与えるならばこの馬にもそれに近い評価は与えるべきであるが、あまり器用なタイプとはいえないので、TBや展開には注意すべきであり、さらに人気しそうな雰囲気であるため、過剰に人気するようならば素直にロジリオンを上に取るべきである。
ただし、内枠を引いて中団でジッと溜める競馬ができれば、逆転のチャンスはあるとは思っている。
2着以下候補。

プレサージュリフト

メイSはスローペースの前残り展開で、ほぼ行ったっきりの決着を3番手から抜け出しただけであるうえに、相手関係もけっして強くはなかった。
しかし、トップハンデの55.5kg(牡馬換算57.5kg)であったため、力を見せた内容でもある。
怪我もあって一時期よりは若干ピークが過ぎた感もなくはないが、昨年京都金杯イルーシヴパンサー、エアロロノアの3着(0.2差)、昨年東京新聞杯では内有利TBで外を回りながらウインカーネリアン(今年は衰えたっぽいが、この時点では健在)、ナミュールに0.1差まで詰め寄っての3着で、ジャスティンカフェ、エアロロノアに先着している。
それに比べれば今回のメンバーはやや弱く、力を出し切れれば重賞級であるのは自明。京都牝馬Sは無理して前に出したぶん自分のペースよりも速い流れで脚がたまらなかったうえに、内前全滅の展開を誘発してしまったもので度外視可能。
よって、展開に応じて好位から抜け出す競馬も差す競馬も可能であることも踏まえ、能力的には上位と見て高評価を与えるのが妥当。
1着候補。

パラレルヴィジョン

安田記念はさすがに相手が強すぎた。
ダービー卿CTは逃げ馬の大きく離れた番手から抜け出しただけ、かつその逃げ馬(エエヤン)も2着に残る行ったっきりの流れなのでこれも高い評価はできないが、先行力はあるし逃げ馬が少ないメンバー構成なので、今回も2.3番手や好位の内で脚を溜める展開に恵まれれば、実績もあるし相手弱化で巻き返す可能性は考えておくべきである。
1着候補。

ロジリオン

NHKマイルCの3着は勝ち馬ジャンタルマンタルの後ろをそのまま通って進路を楽に確保してのもので、G1(例年よりも少しレベルは高そう)なのでそれなりに評価はしつつも、他馬がいろいろゴチャついて不利などがあったなかスムーズに走れた展開に恵まれた側面がある。
ただ、そのジャンタルマンタルと2着アスコリピチェーノが内容としては抜けており、地力的にはこの馬はいくらか落ちるという評価が妥当。
それまでは1400路線が中心であり、この路線なら崩れなく走っており世代上位。(前壁で上手くいかなかったなどはあるが)
パラダイスSはスローペースでほぼ行ったっきりの流れであったうえに、その日は外を回った馬がほとんど圏外になるようなTB(内を空けるわりに、外が伸びない)であったことも加味すれば、外を回って上がり33.8で追い込めなかったのは酌量の余地がある。
あとは3歳世代と古馬の比較だが、NZT2着のボンドガールがクイーンSで2着に入っており、勝ち馬も3歳馬であったこと、この世代はやや牡馬優勢であることを踏まえれば、現状ボンドガールより格上(NHKマイルの内容的に)のこの馬がOP以上で好走できる可能性は十分に考えられるが、現古馬牝馬路線は混合重賞より低調であることと、今回のメンバー構成に重賞級が複数いることから手放しで軸向きとは断言できない。
しかし、G1 3着馬が54kgで出られること自体反則のようにも見えるので、3歳マイル上位のこの馬が格を見せつけることがあってもおかしくはない。
よって、1400中心の路線の馬ではあるが、NHKマイルでも通用したことを踏まえればそれなりに高評価を与えておくのが妥当だが、過信禁物。
1着候補。

ディオ

米子Sはスローペース&超高速馬場の惰性押し切りの流れにのって好位から雪崩れ込んだだけである。単騎で逃げたトゥードジボンですら上がり33.5であったため、レース質としてはかなり低い。ただし、トゥードジボンよりも1kg重かったことを踏まえれば、0.3差ほどの力差は無いと言える。とはいえ、メンバー構成もOPレベルで、もう少し格好をつけて欲しかった。
初重賞であるダービー卿CTは11着に大敗したが、外を回らされたうえに行ったっきりの流れで多少酌量の余地はある。それ以外は安定して走ってはいるので、今回改めて力試しの1戦と言える。重賞級とはまだ言えないので、相手まで。
2着以下候補。

サンライズロナウド

阪急杯の3着は内有利TBを生かして差してきたものではあるが、前残り展開を唯一追い上げた馬である。なお、1,2,4着はスプリントでも重賞級であり、ウインマーベルは京王杯SC、アサカラキングは函館SSこそ惨敗も、モルガナイトSで58kgをものともせず完勝、サトノレーヴは函館SSでウイングレイテスト(スワンS勝ち馬、函館SS、アイビスSD2着)に勝ち切っており、それ以外は1200のOPレベルの相手とはいえ、1400のカテゴリでこの上位3頭に割り込んだのは立派である。スプリント路線なら重賞級の片鱗を見せた可能性があるといっていい。
シルクロードSでも初の1200で4着と目処は立てていた。
今回はマイル戦のため1200,1400よりはレベルが上がるので、好走するにはロス無く立ち回るなど何かしら展開やTBに恵まれる必要がある。
3着候補。

トゥードジボン

米子Sの1着はスローペースかつ超高速馬場で楽に逃げて前残り展開を作り出したものであるため、0.3差つけて逃げ切ったとはいえ高評価は不要。相手もディオはともかく他はそこまで強くなかった。
京都金杯の3着もかなりの内有利TBを生かしてのもので、勝ち馬コレペティトールや2着セッションはその後の重賞で全く見せ場がないように低レベル重賞であったことも事実である。
よって、先行馬こそ多くはないが、相手も揃った今回この馬が好走するには再度かなりの内有利TB(逃げたもん勝ちレベル)で楽逃げするくらい恵まれないといけないと判断するのが妥当である。
3着候補。

アスクコンナモンダ

米子Sの8着は前残り展開だったため中団から上がり33.3でも追い込めずで展開に恵まれなかったものであるが、メンバーの弱さを考えればもう少し格好はつけたかった。
東京新聞杯の4着はかなりの内有利のTBを生かして最内枠から差しに行ったもので、TB的には恵まれたが上がり33.2で届かなかったことを踏まえれば位置取りの差で敗れたものである。
ダービー卿CTの3着は中団の内から勝ち馬パラレルヴィジョンの進路を使ってロスなく差したものである。なお、進路取りの差で4着だったニシノスーベニアはエプソムCで2着と好走しており、メンバー的にはこれと大差ないのでこの馬も通用水準にはある。
しかし、基本的には後方寄りから差す競馬であるため、新潟の高速具合とTBが継続の場合、内枠を引いて中団の内で脚を溜めて差せるかどうか、と考えるのが妥当なライン。恵まれるかどうか。
3着候補。

サクラトゥジュール

東京新聞杯の勝利はかなりの内有利のところを最内枠を生かして雪崩れ込んだ結果抜け出せたものであり、基本的に高評価はできないが、今の新潟のTBが継続であれば、内有利度合いこそ当時ほどではないが、高速馬場で惰性が使えるので、内枠を引ければその再現に期待できる。
東京新聞杯に比べれば相手は手薄なので、再度の激走も?
1着候補。(一発穴)

コレペティトール

京都金杯はインベタから差す競馬でTBを最大限生かした騎乗をしたもので高評価はしにくく、実際安田記念はともかくマイラーズCでも凡走している。
今の新潟のTBなら内枠を引ければ再現もできなくはないが、京都金杯よりは相手が強いことと、メンバー的に先行馬が少なくスローになりそうなことを考えると、厳しい印象を受けるが…
3着候補。

オニャンコポン

メイSの2着は行ったっきりの流れに恵まれたものの、プレサージュリフトと差のない競馬はできており、あれだけ走れれば通用する。
基本的にちょっとスピード不足感があり、上がり33秒台を出せたのが1度しかない。
そのため巴賞など洋芝の競馬は合っていたのか上がり最速で追い込めていたのだが、函館記念は先行して追いかけた結果脚が上がってしまった。今となっては2000では力が足りないことの表れでもある。
そのためマイル路線へ戻したこと自体は悪くなく、先行力はあるので逃げ馬を行かせた2.3番手を楽に取れれば、TBも生かして粘り込める可能性はあるものの、前述の通り瞬発力勝負が得意でないようにも見えるので、どれだけやれるか。
3着候補。

メイショウシンタケ

米子Sの5着はスローペースの前残り展開を後方から上がり32.8で詰め寄っても届かなかったもので酌量の余地がある。
しかし、近走は堅実に追い込めるとはいえ、OP1勝なだけに1kg斤量を背負っているのもあるが、重賞やOPで掲示板付近をうろうろして好走まで足りていないのも事実である。
関屋記念0.3差5着、京成杯AH0.3差4着くらい走れればチャンスはあるものの、先行馬少数でTB継続ならば差しが届く展開や内で脚を溜められる枠順に恵まれる必要がある。
3着候補。

ダディーズビビッド

この馬が好走するのはスプリント路線で、1400が1番合っているようである。
全く足りてないわけではないが、マイル路線の重賞だと基本的には力不足である。
見送り。

ラインベック

先行力はあるので、昨年関屋記念3着くらい走れれば可能性はあると言いたいのだが、その後があまりにも情けない内容が続いており、特に前走の米子Sは3番手から前残りの展開にも関わらずメイショウシンタケに差されての6着なのでかなり印象が悪い。
今回は先行できるメンバーが限られているので、スッと2番手につけられるようであれば前残りで粘る可能性は否定しないが、最近の競馬を見るとさすがに…という印象しかない。
見送り。

タイムトゥヘヴン

毎回そこそこ追い込める馬ではあるが、圏内までは遠い。今回のメンバーだと差しに出番があるかどうかも疑問なTBやメンバー構成であることも踏まえると、今回は手を出せない。
見送り。

グランデマーレ

オーロC、信越Sの好走はどちらも1400で、マイルだと最後に好走したのは2年前のOP。
年明け後の3戦はどれも負けすぎだし、マイルの重賞では現状流石に厳しいと見ざるを得ない。
見送り。

ワールドウインズ

六甲Sの2着はメンバーレベルが低調なうえに前崩れの展開に恵まれたもの。
タイムトゥヘヴン同様、今回のメンバーだと差しに展開が向きにくそうだし、そもそももっと強い差し馬がいるので、今回は厳しい。
見送り。

総評

全体的に先行馬が少ない。
新潟の今のTBが続けば、差し勢を捨てた前残りに振った予想を作るのも手である。
あとは3歳馬の取捨。どちらも通用の可能性はある。個人的にはディスペランツァよりも素直にロジリオンを上に取るが、人気はどうなるだろうか。

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