札幌記念 予想メモ


コース形態

札幌の王道コース。小さい周回ながらスタートから1角までは長く取られているので、そこまでには隊列が決まりやすい。特に前の隊列が固まれば1角付近から比較的ペースも落ち着くので、そこからは各々の道中の動きが重要になる。
周回、直線は短いがコーナーが緩く平坦でトリッキーなところがないので能力を発揮しやすい。
コーナーがキツいほど操縦性の高い逃げ馬にとっては息を入れやすく楽できるので、そういう意味でもこのコーナーの緩さは脚質フラットで施行しやすい。(のだが、スローで前で決まることが多いのが実情)
まさに、札幌記念とはスーパーG2といえるものであり、G1馬の秋への一叩きとしてはこれ以上ない舞台である。

TB想定

先週時点では差しも可能だったが、Bコース替わり。
内有利ならば先行馬の前残りには注意したい。

プログノーシス

現役5強の一角。現状の格だけで言えばドウデュース、スターズオンアース、リバティアイランドには少し劣るものの、実力的にはほとんど大差なく、地力と少しの展開だけで逆転可能である水準。
つまり、G1を力で勝てるポテンシャルをすでに持っていると言っていいものであり、今回のメンバーで真っ向から立ち向かえる資格のある馬は不在。見た目は豪華だが、実際はG1でも通用するだけの馬はほぼいない。
昨年の札幌記念は道悪適正の差があったとはいえ楽勝、天皇賞秋は追い込みに展開が向いたとはいえジャスティンパレスに肉薄した3着、香港カップは前残りかつ進路が塞がるなどスムーズさを欠いての物で度外視可能、金鯱賞はドゥレッツァを除く他のOP~ハンデ重賞レベルの相手を子ども扱いする楽勝ぶりで連覇。
QE2世Cは負けはしたものの出遅れ大外ぶん回しながらも香港中距離最強馬のロマンチックウォリアーにクビ差まで詰め寄る内容であり、むしろ内容だけなら勝ちに等しいものであった。そのロマンチックウォリアーは安田記念に出走して見事にナミュールらを倒して勝っているだけに、十分価値がある。
よって、実績実力ともに断然なだけに、今回はこの馬一強と断じて問題はないが、取りこぼすとすれば後方脚質なだけに内前有利の展開・TBで差し届かず、というパターンくらいだろう。
1着候補。

シャフリヤール

一昨年のドバイSC制覇、昨年のBCターフ3着、今年のドバイSC2着と海外実績が多く、今回もBCターフへの前哨戦としてここを選択。
今年のドバイSCは負かした相手がその現役5強のうちの3頭、リバティアイランド、スターズオンアース、ジャスティンパレスと立派な内容だが、スローペースの前残り展開に恵まれたことや、その3頭が初の海外遠征で適性面などが不明な点もあったので鵜呑みにはできない。
国内においては、昨年札幌記念は苦手な道悪(神戸新聞杯より)なうえに喉鳴りがあったようで惨敗はやむなしだが、有馬記念は臨戦過程に同情の余地があるとはいえ好位の内をロスなく立ち回っての5着(着差的にはジャスティンパレスと僅差で悪くないが)、JCの2着(2022)、3着(2021)はいずれもG1級が少ないやや低調なレースであったこと、2022天皇賞秋はイクイノックスやダノンベルーガに差し脚で伸び負けての5着と勝ちきれない競馬続きで、現役5強には少し見劣りする実力であると言わざるを得ない。
今回のメンバーで芝G1で通用しうる馬はプログノーシス以外にはこの馬くらいしかいないが、以上より展開やTBの助けがないとG1では好走できないレベル、と判断するのが妥当なところである。
よって、実績はあるが評価としてはプログノーシスの下と判断するのが妥当である。それなりに先行力はある馬なので、好位の内で流れに乗れれば連対は可能。勝つにはやはり内有利TBかつ先に抜け出さないと厳しい。
2着以下候補。

ドゥラエレーデ

芝に参戦のためダートの好成績は今回は参考外。
ここまでの芝の戦績はホープフルS勝ち以外には好走歴がなく、そのホープフルSもメンバーが強くなかったうえにスローの行ったっきりの流れに恵まれた。
2023宝塚記念の10着はいきなりの古馬たちとの戦いで前崩れになったため酌量できるが、セントライト記念は楽に逃げても惨敗しているため、芝ではダートよりも通用していないと見るのが妥当である。
よって、楽に単騎で逃げられるメンバーでもないので高評価は不要。
見送り。

ボッケリーニ

G2番長。
鳴尾記念の2着は位置取りの差で敗れたもので負けて強しではあるが、別定G2でも比較的上位で安定して戦えていたことを考えれば、負けたヨーホーレイクはG3程度の重賞なら勝てる程度のレベルくらいまでしか示せていなかったことを踏まえれば、勝たなければならない相手関係だった。今年に入ってからの競馬の内容もそれまでと比べるとやや芳しくなく、衰えの兆候は見え始めている。
そうはいっても、今回のメンバーで別定重賞級は意外にも少ない。持ち味の好位で流れに乗る競馬なら、好走の可能性はあるが、2着以下候補にできるほど力が残っているかはなんとも言えない。
3着候補。

ジオグリフ

安田記念の6着はG1にしては若干スローだったことから好位の内で流れに乗ったことで前残り気味の展開に恵まれてのものであり、力負けである。
大阪杯の5着も若干内有利のTBかつスローペースでやや前残り展開だったことを考えると、好位内から雪崩れ込んでのものなので力負け。
中山記念の3着もかなり内有利のTBで好位内からロスなく運ぶもドーブネすら交わせなかったものなので、悲観すべき内容。
よって、現状このメンバーでもやや荷が重いように見受けられる。内有利TB・内枠でギリギリ抑えまで。
見送り。

ステラヴェローチェ

安田記念の9着は好位外から直線も積極的に仕掛けてロマンチックウォリアーに喧嘩を売りに併せに行ったが、楽に突き放されて格の違いを見せつけられてしまった。しかし、コース取りを考えればロスなく自分の競馬ができたジオグリフと差はなく、着順ほど悪くない。
長欠前の実績は非常に強く、G1級と評価できるものだったが、復帰してからの内容は芳しくない。
しかし、大阪杯の4着は前残り気味の展開を追い込んで僅差に持ち込んだことからも、復調気配があったのは事実である。
よって、展開や位置取り次第では巻き返す可能性があると考えていい。
2着以下候補。

ノースブリッジ

QE2世Cの3着は楽逃げによるものであり、それでもロマンチックウォリアーとプログノーシスに差されて突き放された。
なお、2023天皇賞秋、オールカマー、大阪杯どれも力負けであり、G1に出てくるようなメンバー相手では力不足であった。
それでも2022エプソムC、2023AJCCと別定重賞2勝の実績があるのは事実なので、TBの助けや好位の内で流れに乗れそうなときに抑えておきたい。
3着候補。

トップナイフ

函館記念の10着はスローの好位から伸びを欠いて力負け。
昨年札幌記念の2着は数々の強豪に先着したものだが、道悪適正とガラ空きになった内を捲る競馬に恵まれたものである。それでもプログノーシスには大きく離された。
よって、道悪になりそうな時に相手に入れるくらいの評価で十分。
2着以下候補。(道悪時)

チャックネイト

函館記念の6着は内前残りの展開を考えれば外を回って差しに行ったことと58.5kgのトップハンデを考えれば酌量の余地がある。
なお、不良馬場とはいえAJCCでボッケリーニに競り勝っていること、その前のARG共和国杯では初重賞ながら3着に好走し目処を立てていたことからも、一線級相手では厳しいものの展開次第では重賞級相手でも戦える素質は持っている。
よって、差しが届く展開ならば立ち回り次第では巻き返す可能性がある。
2着以下候補。(一発穴)

アウスヴァール

函館記念の3着は54kgかつ内有利のTBとスローで離し逃げを打てた展開に恵まれたものであり、高評価は不要。
流石にメンバー強化かつ定量の58kgでは同じ手は通用しなそうである。
見送り。

モズゴールドバレル

OP昇格以降は見せ場のあるレースがなく、レベルの低い牝馬戦線でも敗れている。
よって、今回は厳しい。
見送り。

ホウオウアマゾン

近走は逃げる競馬すらできていないことを考えると厳しい。
見送り。

総評

プログノーシスが抜けており一強だが、コース替わりなのでTBや隊列想定次第では取りこぼしの可能性も拾っておく必要がある。とはいえ、見た目こそ豪華メンバーだが対抗できるだけの力がある馬もほとんどいないので、買える馬は限られる。オッズを確認して厳しければ見送りが妥当だろう。

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