小倉記念 予想メモ


コース形態

中京2000で施行される。

全体的に起伏だらけのダートコースとは違い、芝コースは1.2角と向正面前半は比較的穏やか。(ジワジワ登っていく感じではあるが、まあそこまで負荷がかかるほどの角度ではない)
1角までは300m程度と標準的ではあるが、坂途中からのスタートであるため、スタートの巧拙に差が生まれやすいのと、テンから飛ばしにくくそこまで速いペースにはならないことが多い。3.4角のスパイラルカーブも含め、内を生かした逃げ先行馬に展開が向くことが多いので隊列はしっかり考える必要がある。
向正面半ばが最高点で、そこからは3.4角と直線入口にかけて4Fほど駆け下りたあとに直線の急坂、登り切ってから1Fほぼ平坦、というレイアウト。
レースごとに下り坂のどこでペースを上げるかどうかばらつきがあり、求められる末脚が変わるので、一概にこういう脚を使えるといい、とはいえない。ギリギリまで溜めて瞬発力勝負になることもあるし、下り坂から速いラップを刻み続けるタフな持久力勝負になることもある。重賞になると後者の方が多いものの、前述の通り前半が速くなりにくいコース形態なので、そこできっちり溜められれば、どちらの展開だとしても大方対応出来るだろう。

TB想定

開幕週でまずは様子を見たい。
中京はコース的に内前が恵まれやすいのもあり、極端な内有利TBになることも珍しくない。そうなると実力関係なく行ったっきりの決着になることもあるので、逃げ馬の数や枠には特に注意すること。

※今週分から、ハンデ戦は各馬見出しに斤量を追記します。(別定は、加重されることが限定的なので、短評内に入れる程度)

ディープモンスター 58.5

金鯱賞や天皇賞春は今ひとつだったものの、徐々に力をつけている。
オクトーバーSはスローペースで前の行ったっきりのワンツーであるため、脚を余したと見れば酌量可能。
アンドロメダSは大外を回しながらも悠々差し切りの完勝であり、OPでは3勝目(古馬OP2勝)をあげ今回のメンバーの中では実績最上位クラスであることは示している。
そこまで相手強化でもないローカルハンデ重賞ならば、勝ち目十分。
(ここまで小倉大賞典のとおり)
今回に関しては、重賞級が誰1頭として不在の超低調なメンバーでOPレベル。この馬も例には漏れないが、今回の比較だとOP3勝の時点で実績が抜けているので力を出し切れるなら勝ち目はある。しかし、如何せんメンバーが弱く見えるので人気を背負いそうなことや、軽斤量馬が多いので、TBや時計水準次第では足下を掬われるリスクはある。
1着候補。

シリウスコルト 54.0

3歳世代と古馬OPとの比較になる。
この馬は3歳世代ではお世辞にもトップクラスとはいえないが、それを除けば上位には立てる、昨年のノッキングポイントに近い立場といっていいだろう。
3歳牡馬のレベルはなんとも言えないが、牝馬に関しては世代トップとは言えないボンドガールやコガネノソラが牝馬重賞級相手にクイーンSでワンツーを決めたように、そのくらいの立ち位置でもOPレベルなら通用しうる水準にあることが示されている。この世代はこれまでの世代重賞の内容(特にNHKマイル路線)から考えると牡馬の方がやや優勢。
つまり、彼もハンデ重賞、しかもOPレベルの低調な相手ならば十分可能性はありそう。
この馬の現状の最大パフォーマンスは弥生賞。展開に恵まれたとはいえ、世代トップレベルの皐月賞2着馬(コスモキュランダ)、ダービー3着馬(シンエンペラー)相手に0.2~0.4差でまとめているのはまあまあ評価していい。
ラジオNIKKEI賞は若干内有利TBかつインベタ追走で自ら位置を上げて抜け出したところを追い込み強襲を食らっての2着なので悲観する内容ではない。
よって、OPレベルの相手しかいない今回、54kgの軽斤量であることも踏まえると好走の可能性は高そうであると判断するのが妥当。
競馬が上手なので、内枠でロスのない競馬が出来れば開幕週のTBを生かせる可能性も上がる。
1着候補。

リフレーミング 57.0

七夕賞、新潟記念の5着は差し損ねという見方も出来るが、同脚質であるキングズパレスに置いていかれており、力負けだった。
今回はそのキングズパレスが不在どころか、相手関係的には福島民報杯と同等で、十分チャンスはある。ただし、見た目は派手な差し切りだったが、そのときは55kgだったうえにロスを上手く抑えて乗った側面もある。
よって、このメンバーならば差しが届く展開なら好走可能だが、川田騎手に乗り替わることでオッズが下がりそうなのと、福島民報杯より2kg増の57kgであること、そもそも開幕週の中京で内有利TBの場合は外差しが全く効かない、ということも考えられるため、場合によっては過剰人気として切ることも検討が必要。
1着候補。

コスタボニータ 56.0

唯一の重賞馬だが、現在の牝馬限定重賞はOPレベルであり、この馬はLでも負けている馬である。
マーメイドSの10着は出遅れて好位を取れなかったうえに斤量が物言う高速決着、かつ大逃げ馬の一人旅で2番手以下スローの脚比べであったため、トップハンデなのも向かず度外視可能。
この馬の好走パターンは単純で、好位の内でロス無く立ち回れたときである。内有利TBの恩恵を受けやすい器用なタイプなので、斤量はやや見込まれたが、内枠を引ければ紛れにくい少頭数かつ開幕週のTBを生かせそうなので無条件で高評価する必要がある。メンバーもOPレベルしかいないので、この程度なら実績上位馬。
1着候補。

セントカメリア 53.0

マーメイドSの6着はコスタボニータには先着したが、前述の通り斤量が物言うレースかつコスタボニータが自分の競馬を全く出来なかった(不発)ことを考えると手放しに高評価はできず、上に取るのは難しい。
今回も3kg差をもらっているので、差しが届くTBや展開では再逆転はありえるが、少頭数で隊列がすんなり決まりそうなことを考えると果たして?
能力自体は都大路Sで3着に入った(2着に中京記念を勝ったアルナシームがいる。0.3差だが上がり33.1でも詰められなかったので位置取りの差と見れば・・・)くらいの実績でも通用水準。
2着以下候補。

ファユエン 53.0

マーメイドSの4着はほぼ最後方から外を回して追い込んでおり、セントカメリアにも先着している。同脚質、同斤量なのも考えるとこちらの方が高評価できる。
新潟大賞典の6着も前残り展開だったことを考えれば、今回のメンバー構成ならば相手弱化で悪くない。
ただし、直線一気タイプで今回も最後方グループから、ということを考えると、外差しが届く展開やTBでないと買いにくい。
2着以下候補。

メモリーレゾン 54.0

8ヶ月ぶり。
新潟牝馬Sの勝利は低調な牝馬戦線のOPレースなので評価し難いが、2着ホウオウエミーズがその後福島記念を制していることを考えれば、今回のメンバーと同等レベルなので悪くない。
その前の西宮Sは56kg(定量)で中山金杯勝ち馬リカンカブール、鳴尾記念3着エアサージュとタイム差なしで、これも内容は悪くない。このくらい走れれば通用するので、外差しも出来る馬ではあるが、開幕週なので好位の内で流れに乗れればチャンスはある。
1着候補。

レッドランメルト 56.0

七夕賞の6着はハイペースのところを先行集団から運んだと見れば悪くないようにも見えるが、若干内有利TBかつ縦長隊列のおかげで前半を単騎で4番手ポツンできたことを考えれば、着順ほどの高評価は不要。
それ以外の重賞・OPでもほぼ見せ場がないことを考えると、ここまでメンバー弱化ならばとも思うものの、基本的には買いづらい。
見送り。

グランスラムアスク 52.0

関越Sの5着は高速馬場でややスロー展開、かつ内有利TBのところを楽に2番手から追走しても押し切れず後続に差されたことを考えると力負けで高評価不要。
それ以外の重賞・OPでも全く見せ場が無いことを考えると、基本的には買いづらい。
52kgなので、惰性押し切りを狙って一発逃げる可能性はあるものの、そこまでテンが速い馬ではないし、テーオーシリウスが譲るとは思えないので、行かせた番手から突かず楽に運んで、かつTBにかなり恵まれてようやくワンチャンスあるくらい。よほど内枠かつ行ったもん勝ちレベルの強烈な内有利TBが無い限りは・・・。
見送り。

ヴェローナシチー 54.0

1年半ぶりのテレQ杯は全く見せ場がなく、大きく離された。3勝クラスの身なのだが、毎回人気先行型。そのテレQ杯ですら4人気だった。
京都新聞杯や京成杯では好走したものの世代間では低レベルな重賞であり、ほかの世代OPでも勝ち切れていなかった。神戸新聞杯以降はほとんど見せ場すらなく、最後に好走したグレイトフルSの2着も負けた相手は2023ダイヤモンドSで3着のシルブロンであり、低レベルの長距離路線かつそのなかでも低レベルの重賞でようやくギリギリ好走である。
54kgは日経新春杯の11着と同じ斤量であり、スローペースの前残り展開にも関わらずあっさり番手から垂れたことからも重賞級とはとても言えない。
まだOPに上がれていないことを考えても高評価は不要。
見送り。

テーオーシリウス 54.0

昨年小倉記念の2着だけ走れれば通用する相手関係。
近走は競りかけられたり展開が向かなかったり斤量的なハンデがない別定重賞だったりでなかなか自分が優位に立てる状況になかったので、昨年よりも軽い54kgかつ少頭数で単騎逃げできそうな今回は巻き返す可能性がある。(グランスラムアスク次第だが)
福島民報杯の負け方はペースも速くなかったのでいただけないが、スタート後に不利があり一旦引いた後に2、3馬身前に出ていたバビットを強引に交わしに行って逃げていたので、そこで脚を使いすぎたと見れば酌量の余地がある。
つまり、自分が有利になるような競馬を昨年小倉記念以降できていない。
よって、楽に先行さえ出来れば開幕週で内有利TBが強ければ強いほど残り目に警戒する必要がある。
2着以下候補。(一発穴、TB次第で昇格)

コスモカレンドゥラ 53.0

OPのケフェウスSで勝ったことはあるが、スローペースで単騎で逃げ切っただけで、それも2年前。近走は前にすら行けず、OPでも見せ場がない。
よって、高評価不要。
見送り。

総評

何度も書いているが重賞級すら不在の低調なメンバーで、ハンデで補正されることでさらに混戦ムード。
TBと展開一つで大きく着順が変わりそう。
ただ、開幕週ということもあり、内有利TBなら内枠先行馬に当然目を向けるべきであり、それで配当がそこそこつくなら買えなくもなさそうだが、フラットだともはや誰にでもチャンスがある状態で、手を広げても12頭立てなぶん配当も望めない。それなら見送りが妥当なレースとなりそう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?