中京記念 予想メモ


コース形態

小倉1800での施行となる。

周回コースで施行される1800の中ではかなりのスピードコースであり、登りのある前半は緩め、後半は下り坂に乗っての脚比べというパターンが多い。
1角までは270mほどとやや短め。ペースを落とせるコーナーが近いぶん、先行争いが長引かなければ前の馬は息を入れられるし、1角手前から2角の入りまでコース唯一の登り坂があることもペースを緩めるのに一役買っている。
よって、序盤のペースは先行馬が混み合わない限りそこまで上がらないことが多く、そのまま下り坂の加速を生かした惰性による内前残り決着が起こりやすい。
しかし、それはあくまでも開幕週あたりの芝が綺麗なときであり、ペースを緩めすぎるとマクリが入る可能性があるし、芝が傷んで内外フラットのTBとなるとさらに話は別で、大外を回っての追い込みがくるパターンも存在する。TBを確認したうえで、各馬の脚質分布を考慮して展開も考えていきたいところ。
なお、外枠は内に潜り込むだけの直線距離がないので、外を回らされがち。距離ロスが大きくなって脚が溜まらなくなるリスクがある。よって、コース的には内枠先行馬が比較的有利なのだが、過信しないように。

TB想定

フラットで問題ないと思うが、先週は不良馬場だっただけに掘れて内が使えない馬場となっているかもしれない。
つまり、全馬外回しで逆に内有利か、外差し優勢のどちらかに傾く可能性がある。

エルトンバローズ

昨年毎日王冠覇者、マイルCS4着馬であり、実績面だけならダントツ。
毎日王冠自体はソングラインやシュネルマイスターがヘマこいて大不発したのと、この馬がスローのなか内ラチ沿いの2番手を取ってロス無く立ち回ったことに恵まれたところがあるので価値自体はそこまで高くない。
マイルCSでは古馬G1に出るようなメンバー相手に締まった流れでも戦えることを示し、今後を期待させる内容だったが、昨年および今年の安田記念よりもややレースレベルが低かったのもあった。実際、今年の安田記念は内に潜り込んで脚を溜めたもののジリ脚で8着が限界で力負けと言える。
この馬の武器は器用さでTBに恵まれた走りが出来ることであり、特に内有利のTBや展開ならば上手に立ち回って格上相手でも実力をカバーして戦える強みがある。
中山記念の7着は道悪の要素もあったと思うが、それよりも内枠に先行馬が集まったため内に潜り込めず極端な内有利TBを生かせなかったところが大きく、度外視可能ではある。
よって、極端な相手弱化も含め、基本的には実績断然で最上位評価を与えるべきではあるが、59kgである点や、フラットな力比べでは若干疑問は残るため、なるべく内枠や展開に恵まれたいところである。
1着候補。

ニホンピロキーフ

マイラーズCの3着は上2頭がG1級で格上すぎたとはいえ、初重賞ながらほかの重賞級には先着しており立派な結果である。ただし、ロスなく立ち回る展開に恵まれたところはある。
鳴尾記念は2000mにカテゴリ強化かつ折り合いを欠き気味に終始外を回され12着に大敗してしまったが、今回は距離を詰めての参戦であり、メンバーもマイラーズCに比べればかなり楽になっている。
しかも56.5kgと比較的手頃な斤量ですんでいるため、マイラーズCくらい走れれば今回巻き返して勝ち負けに加わることには十分期待できると言える。
1着候補。

セオ

都大路Sの勝ちはスローペースの2番手追走から上がり33.5で押し切ったものであり、道中ほとんど競りかけられてもいないことからかなり展開に恵まれて楽に運んでのものである。
しかし、負かした相手はアルナシームやピンハイなどハンデ重賞程度ならそれなりに通用する馬たちであったため、この馬もTBや展開次第では重賞でも好走できる素養はある。
よって、高い先行力で楽に先行してTBや展開の助けがあれば好走可能ではあるが、人気ほど力があるかは疑問であり、絡まれたりしてペースを乱されストレスが掛かる競馬になると余力無くさっぱり、というパターンも考えられるため、全体的にはやや条件悪化になる可能性が高いと判断すべきである。
57kgもやや見込まれた印象。
3着候補。

エピファニー

小倉大賞典覇者でコース実績は持っている。
その内容は、メンバーは今回とほぼ同等だったが、外目の枠と縦長展開だったため被されずに立ち回り抜け出したもので、TBも少し内有利のなか3角は内目をロス無く回ってはいたので、恵まれてはいる。
能力自体はチャレンジCの負けて強しの内容など重賞でも通用する水準だが、中山金杯で包まれて折り合いを欠いて撃沈しているように気性的な危うさを持っている。また、小倉大賞典を勝ったことで今回1kg増えて58kgと背負わされる。
大阪杯は内前残りのなか出遅れて脚を余した感はあるが、さすがに相手が悪かったと見て今回は度外視可能。
よって、包まれずスムーズに立ち回れば勝ち負けは可能であるが、枠関係やTBには注意が必要である。
1着候補。

アルナシーム

都大路Sの2着はスローペースを好位のインでロスなく溜めて立ち回る競馬に恵まれており、勝ち馬とは位置取りの差ではあるが高評価まではしにくい。
エプソムCの5着は道中ポジションを上げて3番手につけて直線を向いたのはスローの前残り展開であったため正解も、前を交わせず、粘りきれず後続に差された。ポジションを上げるために脚を使ったという意味ではやや酌量はできるものの、総合的には高評価できない。
また、小倉大賞典の4着は前残り気味の展開を好位の単騎で運びながらも伸びきれていないため、全く重賞で力が足りてないと言うわけではないが、恵まれても勝ち切るまでではない。
よって、展開やTBが向きそうなときの連下までが妥当である。
3着候補。

アナゴサン

米子Sの3着はスローのほぼ行ったっきりの流れに恵まれたもので、それでも外のディオに差されていることから高評価はできない。
この馬のOPでの好走は緩い流れの行ったっきりのみであり、これに恵まれないといけない。
今回セルバーグやセオ、テーオーシリウスなどがおり、楽な流れになるとは考えにくい。
よって、内枠かつ内有利TBとなった際のみ抑えを回せば十分である。
見送り。

ロングラン

小倉大賞典の2着はやや内前残りのところを中団の外を回って差してのもので、内容だけなら勝ち馬エピファニーをわずかに上回る。
単純に考えれば、そのエピファニーが58kgに増えたことで今度は57kg据え置きのこちらが優勢になるため、差せる展開やTBであれば逆転の可能性があると言っていい。
福島民報杯の7着はトップハンデ57kgかつ最後方からでは後ろすぎたうえにロスのある大外まくりで脚が止まってしまったもので、ロスを抑えながら仕掛けを待った55kgリフレーミングが上手く立ち回っただけであるため度外視でよく、ディセンバーSでは出遅れながらも後方2番手から直線だけでまとめて差し切っており力を見せていた。
よって、力を発揮できれば勝ち負け可能な水準に達している。
1着候補(一発穴)。

セルバーグ

小倉大賞典の3着は少し内有利のTBとやや前残りの展開に助けられた面はあるが、他にも昨年中京記念(中京1600)で逃げ切っているなど楽に先行できた場合は重賞でもそれなりに粘れる力はある。
ただし、この馬のテンはそこまで速くない。昨年中京記念も小倉大賞典も12.3-11.2程度であり、セオやアナゴサンとほぼ同値、テーオーシリウスとは1F目12.1、2F目10.7が最速であるため、若干不利。ワールドリバイバル(12.7-11.4)よりは少し速い。つまり主張し合うとかなり競りそう。
斤量57kgとほかの逃げ馬より重いのも向かい風であるため、楽に先行するには内枠が欲しいところである。
エプソムCの7着は大外枠で先行するために脚を使いすぎたものであり度外視可能である。やや前残り展開で大きく負けなかった、と見るのが妥当。
よって、内枠を引いて楽に先行し、かつTBや展開に恵まれれば好走可能である。
2着以下候補。

タガノパッション

斤量53kgは魅力だが、能力としては牝馬限定G3で通用する水準であり、今の牝馬限定戦の低調ぶりを考えれば相手強化である。つまり恵まれてもギリギリ。
また、どちらかというと32~33秒台の速い上がりで差すよりも消耗戦寄りでしぶとく伸ばす競馬のほうが結果が出ているので、瞬発力勝負よりはそういう展開が欲しい。(ローカル小回りならそうなりやすいが)マーメイドSは負けすぎではあるが斤量が物言うレースかつ前残りとなったため酌量は可能で、中山牝馬Sも福島牝馬Sもスローの前残りで脚を余しただけ。愛知杯くらい走れればというところである。
よって、差しが届く展開かつ斤量の比重が少し大きく出る高速馬場であれば抑えに入れられる。
3着候補。

ボーデン

錦Sの勝利は前が速めでやや上がりが掛かるレース展開のなか後方から33.3の1頭抜けた上がりで差し切る派手な競馬だったが、後半手前から最後方ポツンで気分良く運べる状態になり能力を全開できたうえに、その日は少し内有利TBがあったなか道中も最終直線もロス無く最内を通す競馬で最高に恵まれたと言える。
また、1.31.8の高速決着のなか55kgとやや軽斤量ハンデも向いた。
なお、それまでの3勝クラスではほとんど見せ場無く敗れている。
よって、54kgではあるが、相手強化かつ前走以上に恵まれるのは困難であり、基本的には厳しいと考えるべきである。
見送り。

カテドラル

小倉大賞典の7着は展開に恵まれなかったにしろ自力で差したロングランに置いていかれてしまった。
ローカルハンデ重賞までなら実績豊富で足りる馬なのだが、昨年小倉大賞典2着を最後に見せ場すら作れていない。大阪杯、安田記念は相手が強すぎたので仕方ないにしろ、8歳なのもありそろそろ衰えは隠せないといったようにも見える。また、昨年の数戦はダートなのでそこは度外視できるにしろ、斤量58kgのままで軽くなっていない(まあ、今年の小倉大賞典の58.5kgよりはマシ)し、位置を取れない馬なので、よほど前が潰れてくれないと好走は厳しいようにも見える。
ただし、逃げに参加しそうな馬が複数いて競り合いそうにも見え、差し展開になる可能性はそれなりにありそうなので、抑え程度ならギリギリ。
3着候補。

ワールドリバイバル

巴賞の15着は行ったっきりの展開にもかかわらず2番手から直線余力無く後退してしまったものである。また、ポートアイランドSもスローで逃げたわりにあっさり番手のドーブネらに捕まった。
昨年の小倉日経OPで2着に好走しているものの、逃げ馬の大きく離れた番手をポツンと追走する隊列に恵まれたうえに3番手以降も離れていたのでセーフティリードを保てたことによるもの。結果的に逃げ馬が勝手に潰れた以外は前残り展開だった。
よって、逃げ馬が複数いる今回は恵まれる要素も少なく厳しい。
見送り。

テーオーシリウス

福島民報杯の13着は少しペースが速かったので仕方ないにしろ、4角で既に捕まって垂れてしまっていた。
また、他の重賞もやや展開に恵まれなかったにしろあっさり大敗しており、逃げられなかったときは何一ついいところがない。
今回の逃げ候補と比較すれば、枠が良ければハナは主張できる斤量・テンの速さではあるものの、今回は複数同型がおり、自分が離し逃げを敢行しない限りは競りかけられて沈む可能性が高いが、それが出来れば小倉記念2着のように好走できる可能性は僅かにある。ただし、小倉記念はやや内有利のTBにも恵まれた結果でもある。
よって、自分が早々に先手を主張できて離し逃げが出来た場合のみチャンスはあると言えるが、セルバーグもその経験があるため、枠と展開次第。
3着候補。

ソレイユヴィータ

50kgは魅力だが、3勝クラスすら見せ場がないことを考えるとよほど超高速馬場で斤量の比重が大きくならない限り重賞では土俵にすら立てないと見るのが妥当。
この馬も斤量を生かした逃げを打とうとする場合はさらに先行争いが激化するリスクも。
見送り。

総評

メンバー的にはエルトンバローズが1つ抜けているので好走しなければならない感はあるものの、59kgで能力差を埋められているので、展開次第では伏兵の一発に警戒が必要。
次点でエピファニー、ニホンピロキーフが続き、ロングランも逆転を狙う。
全体的に逃げ先行が多く揃った構成であるため、TBにもよるが高配当を狙う場合は差し馬に目を向けたいところである。

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