キーンランドC 予想メモ


コース形態

ほぼド平坦の芝1200。
とはいえ、ほんの若干だが向正面は登り坂、L3Fあたりから下り坂である。(軽微ゆえに馬自身にはほとんど影響はないと思うが)
先行争いに使う向正面はほぼ2F。それなりに距離があるので、ダッシュ力がそのまま隊列になって落ち着いたあたりでコーナーを迎えやすい。
函館よりも起伏(特に登り)がないぶん先行馬の消耗がしにくいコースとなっているが、その代わりコーナーが緩いのでペースの持続性が求められやすく、息を入れるところが難しくなっている。
直線も短いため基本的にはロスなく回れる先行馬が優勢なコースではあるが、早仕掛け気味に外から進出し前を潰そうとする中団の馬が出現しやすかったり、洋芝の生育の進行・馬場の傷みの進行により時計が掛かって惰性が効かない(=差し馬のゴール前強襲が起こりやすい)時期であることには注意を払うべきである。

TB想定

先週時点ではやや内有利TB、かつ洋芝の生育が暑さで遅れて時計が普通に出ている。
これが継続の場合、差し馬は例年よりさらに苦戦する可能性が高い。
また、雨予報のため、そもそも不良レベルの極悪馬場となればそもそも馬券を買えない状態になりかねないことを頭に入れておくべきである。

ナムラクレア

何度も触れているので説明不要レベルだが、安定感の高いスプリントの現役トップクラス。
G1こそ噛み合わずに取りこぼし続けているが、その全てのレースが負けて強しで内容は1番いい。
とにかく出力にムラがないのが長所であり、馬場・展開不問でキッチリ走れる。
2歳から活躍しているのもありそろそろ衰えが見えてくる5歳後半の牝馬、かつ高松宮記念から5ヶ月の休み明けのためどんな走りを見せるのかという懸念はあるにはあるが、それは走らないとわからないことである。
昨年も勝利している舞台、かつウインマーベルやトウシンマカオなど複数重賞を勝っている実力馬が今年はいないので、昨年比ではやや相手弱化といえる。
よって、ここまでのレースぶりから能力を評価するならば、戦ってきた相手も考えれば問答無用で最上位評価を与えるのが妥当である。
1着候補。

サトノレーヴ

函館SSは楽に先行馬群にとりつき、内をロスなく立ち回りつつ、直線狭いところを脚を使って抜け出す競馬で完勝と、TBに若干恵まれたとはいえ内容だけならケチの付けようがない勝ち方だった。
負かした相手もスプリント重賞級のウイングレイテストであり、悪くない。
この内容をみても、揉まれる競馬などでも気性的な脆さがないので、ナムラクレア同様出力に安定感のあるタイプに思える。
今回のメンバーは全体的に重賞で通用し得る馬が多く若干相手強化ではあるが、まだまだ底を見せていないので、通用の余地は十分。ナムラクレア相手に好勝負できるようであれば、スプリンターズSへ視界良好となる。
1着候補。

オオバンブルマイ

オーストラリアのGイーグルを勝っており4歳マイルの稼ぎ頭。
古馬になってからはドンカスターカップ、チャンピオンズマイルでは通用しなかったが、海外の特殊舞台、かつG1で相手が強かっただけとも言える。
ただし、国内ではアーリントンCで負かした相手がスプリントでも重賞級ではないセッション、NHKマイルで負けたのがシャンパンカラー、ウンブライル(混合戦基準)とこれも重賞級とは言い難い面々で、4歳マイル路線は朝日杯が超低調だったことから始まりかなりメンバーが弱い。
スプリント転向のためカテゴリ弱化、かつG3重賞でメンバーは楽になったといえるが、もともと差し脚質なのもあってスプリントの流れについていけない可能性がある。
よって、通用する可能性はあるといっても材料に乏しく、あまり過信はできないと判断するのが落としどころとしては妥当である。
3着候補。

モリノドリーム

青函Sはカンティーユが楽に逃げるところを差し切る着差以上の内容。3.4着も行ったっきりで前残り展開だったことからも価値はある。
モルガナイトSも負けた相手は重賞級のアサカラキングのため悪くない。
3勝クラスのTVh賞ではCBC賞勝ち馬のドロップオブライトに勝利している。(レベルは高くないが)
ただし、昨年セントウルSはテイエムスパーダが逃げ切る展開を2番手から伸びを欠いて11着と大敗していたり、2勝クラスの勝浦特別ではサトノレーヴに完敗している。
つまり、青函Sのレベルがあまり高くないだけという可能性がある。
よって、好位で流れに乗れれば好走の可能性はあるが、地力的にはナムラクレアやサトノレーヴよりは劣ると見るべきである。
3着候補。

エドヴプレ

葵Sの4着は、桜花賞でスピードの高さを見せて5着に残すだけの走りを考えると、中団の内をロスなく立ち回った割には案外の内容ではあったが、桜花賞、Fレビューが単騎逃げだっただけに、今回は本格的なスプリントの流れで若干出負けして中団馬群で揉まれる競馬となってしまったこと、そもそも行ったっきりの決着だったことを考えると多少酌量の余地がある。
勝ち馬ピューロマジックが北九州記念でも逃げ切ったり、パラダイスSをファルコンS2着のオーキッドロマンスが制したりしたことを考えれば、3歳のこの路線の上位馬は古馬OP以上でも通用する下地がある。
よって、流れに慣れてもう少し楽に先頭グループに取り付く競馬ができれば前進の見込みはある。
2着以下候補。

ビッグシーザー

青函Sの6着は前残りの展開を考えれば3番手から伸びを欠いたのはいただけないが、59kgと背負ったことを考えれば酌量の余地はある。
函館SSの3着は着順通りの評価ではあるが、ロスなく回った馬が上位に来るなか、やや外のコース取りを考えればそこまで悪い内容ではない。
徐々に重賞も慣れて安定感のあるパフォーマンスは出せるようになってはいるので、実績的には巻き返せる。人気先行しなくなってきたので、紐に入れやすい馬にはなっている。
3着候補。

ゾンニッヒ

しらかばSは前残り展開ではあったが出遅れながらも外を回って差し切っており、昨年の青函Sのように重賞級のパフォーマンスを見せつけたが、包まれない競馬が得意なだけに器用さに欠けるので、いざ重賞だと追い込みきれていない。
ただし、函館SSは少し内有利のTBながらも外を回って追い込んでの0.4差6着なのでそこまで悪くはない。
よって、外目の枠かつ差しが届くTB・展開ならば通用する。
2着以下候補。

エイシンスポッター

重賞実績もあり、末脚は強烈。
北九州記念の9着は内前残りの決着のなか内から位置を押し上げようと動いたのはいいが直線で進路を無くしてしまっておりチグハグな競馬だったので度外視可能。
展開待ちの馬だが、前崩れになれば通用する。
2着以下候補。

ダノンマッキンリー

気性に難しいところがあり、現状ではスタートは宥めて後方から溜める競馬がベスト?
UHB賞は出して行ったことで脚がたまらなかったような印象を受けたが、それでも前残りの展開を考えると負けすぎである。メンバーもお世辞には強くなかった。
よって、重賞で相手強化かつもっとタイトな競馬が要求されて気性的な好走のハードルがより上がることを考えると、一戦様子を見た方が無難。
見送り。

プルパレイ

UHB賞は前残りの展開を内の番手でロスなく立ち回る流れに恵まれての勝利であり、高評価は不要。
しらかばSも3着に好走しているが、これもロスのない立ち回りによるものであり、勝ったゾンニッヒとは着差以上に内容に差があった。
よって、相手強化を考えると内枠でロスのない立ち回りができてどうか?というレベルであり、その時だけ抑えればいいくらいの考えでいい。
3着候補。

オタルエバー

函館SSの5着は若干出負けしたとはいえ好位に取り付いて内をロスなく立ち回ったので、TBには恵まれた。内容としてはほぼ着順通りでビッグシーザーらには力負けである。
逆転不可能な差があるわけではないが、今回若干相手強化なのと、そもそも重賞では今のところ通用していないので高評価は不要である。
見送り。

セッション

函館SSの8着は初のスプリントで出負けし流れに乗れなかった感はあるが、ゾンニッヒなどに遅れをとってしまった。
もう少し追走に慣れれば着順を上げられる余地はあるが、今回更なる相手強化を考えると、今回はまだ手を出しづらい。
見送り。

シナモンスティック

しらかばSの2着は逃げて前残りの展開に持ち込んでのものなので、差したゾンニッヒの方が着差以上に内容が上だった。
函館SSやUHB賞では先行できなかったので度外視可能ではあるが、重賞やOPで好走するには楽に先行したうえで道悪や行ったっきりの流れに恵まれないといけない馬なので、基本的には力が足りないと見ていい。
見送り。

マテンロウオリオン

スプリントでも重賞では見せ場なく敗れ続けているので、力が足りないと見るべきである。
見送り。

シュバルツカイザー

OP2勝馬だがどちらもかなり低調なレースであり、重賞では一度も評価できる内容がなく力不足である。
見送り。

ジュビリーヘッド

実績はある馬なのだが、最近のレースの内容が悪すぎるので、もうピークアウトしてしまっているように見える。
見送り。

総評

基本的にはナムラクレアが1,2枚上で彼女が中心。その相手筆頭がサトノレーヴという構図。
それ以下もサトノレーヴとは逆転不可能な差ではなく、食い下がれる候補はいるので、上位混戦というところ。
枠の並びから隊列を考えて、オッズの割に合えば購入する、くらいの気持ちで十分では。

※新潟2歳Sは函館2歳と同じ理由で予想メモはなしです。回顧のみ行います。

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