阪神牝馬S 予想メモ


コース形態

過去記事の通り。

加速力の高さを生かしやすく、4角後半から始まる下り坂でスピードに乗り始める都合上、直線を向いてもまだ最高速にはなれず、コーナーの緩さも含めて直線はそこまで馬群がバラけない。下り坂&馬自身の加速力で早く最高速に辿り着ける馬が有利であり、あとは下り→登り坂と一気に勾配が変わるのでそこで耐久力を見せられるかどうかというところ。下り主体のコースなのでスピード決着になりやすく、TBにもよるがとにかく脚の速さ、末脚の質がモノを言うことが多い。TBフラットならば最後の急坂で前が止まって様相一変になることもあり、位置取り不問の決着になることもしばしば。
前半は300m地点でほんの少し登りがある程度で、下り坂もなく平坦なので、直線勝負を意識してそこまで流れないことが多い。
ただし、明確にペースを上げにくい要因となるものがないので、スピードに任せて逃げた馬がいたり、前の競り合いが長引いたりするとペースが流れる可能性が京都よりはある。
総評すると、中央4場のマイルの中ではスタミナ要素が少なく、オーソドックスに瞬発力、トップスピードに優れた馬が実力を発揮しやすい舞台である。

TB想定

コース2週目あるあるの内が踏み固まって内有利が加速しない限りは、やや内有利~フラット。

マスクトディーヴァ

東京新聞杯の6着は、かなりの内有利のTBだったうえに大きく出遅れて、向正面や3,4角で外を回って位置を押し上げる最悪の競馬(騎手が悪いわけではないが)だったが、それでも0.4差まで詰めたことはむしろかなり強い内容であった。
なお、この馬の世代としての実力はリバティアイランドには劣るものの、その2番手候補であり、他の同世代の馬たちとは力差があることはローズS、秋華賞でほぼはっきりしている。
よって、(ルーラーシップ産駒らしく)気性的に再度出遅れたりTB不向きでなければ、巻き返して勝ちきる可能性はかなり高い。
モレイラ騎手によって人気を再度集めそうだが、牝馬限定の弱いメンバー相手で逆らうのは難しい。
1着候補。

ドゥアイズ

桜花賞はややスムーズさは欠いたものの、かなりの内有利TBを生かした側であることを考えると5着の価値は高くない。
オークス、秋華賞は完敗だった。
出直しのリゲルSはマテンロウスカイとエスコーラ以外に骨っぽい馬はいなかったが、スローの脚比べの展開になり位置取りの差で負けただけの2着なのでそこまで悲観する必要は無いが、この展開は斤量が軽い牝馬は有利になるため、3kg差貰っても差せなかったとみると力負け感もある。
続く洛陽Sは中団好位抜け出しから追込馬を凌いで押し切りOP勝利を収めたが、これもエスコーラ以外は大して強い馬はおらず、ハンデ重賞でも勝ち負け出来ないであろうレベルの馬たちであった。
よって、基本的にはマスクトディーヴァよりは下であることが大前提であり、他の馬たちとの比較となる。
2着以下候補。(割り切りもあり)

ウンブライル

東京新聞杯の9着は長欠開けと多少外を回ったにしろもっと外を回ったマテンロウスカイやロスだらけのマスクトディーヴァに完全に伸び負けており、力負け。
NHKマイル組の低調さをさらに決定づけたものとなった。
牝馬限定戻りかつ少頭数のため巻き返す可能性は否定しないが、良くて抑えまで。
3着候補。

モリアーナ

AJCCの4着の価値をどう見るかにもよるが、不良馬場適性が高かったなかで追い込んだ結果とも見れるので、このレースで適性以外を持ち出すのは得策では無い可能性は高く、ノーカン。
紫苑Sの勝ちは内有利TBかつハイペースで追い込みが届く展開だったためである。
秋華賞の5着はTBはフラットだったが内でロス無く溜めて差しただけであるため上位4頭とは力負けであるが、世代3(4)番手候補ハーパー、ドゥーラに迫れたことは評価したい。
なお、この馬もまた低調なNHKマイル組の6着馬ではあるが、その前の同コースのクイーンCの方が内容自体は良いので、クイーンCで6着から巻き返したウンブライルがこの馬を逆転したと言うよりも、この馬が使い詰めなど何かしらの要因で不発し、紫苑Sで出力更新したと結論付けた方が今後を考えると辻褄が合う。
よって、AJCCよりも相手弱化の牝馬限定かつカテゴリ弱化のマイル戻りも含め、ウンブライルよりも高評価を与え、秋華賞の内容からもドゥアイズも負かす可能性が十分あると判断すべきである。
追走力はあまりなく後方から溜める競馬なので、差しが届く展開なら。
2着以下候補。

ライラック

これまでG1ローテが主だったため、相手弱化となった府中牝馬Sではやや恵まれたとはいえ近走の低迷から一変。
トップスピードはやや劣るため直線の上がり勝負やマイルらしいスピード勝負となると後れを取るリスクはあるものの、
このメンバーの中でエリ女4着相当の力があると言えるのは勝ったブレイディヴェーグと同格のマスクトディーヴァと3着ハーパーに秋華賞で僅差に迫ったモリアーナくらいであるため、能力上位という見方は出来る。
よって、弱いメンバー相手が多いここならば圏内の可能性は十分。
2着以下候補。

テンハッピーローズ

昨年の阪神牝馬Sの7着はかなり内有利TBかつスローの流れで後方から外を回った馬には用無しだったため酌量可能であり、牝馬限定常連のコスタボニータなどと比べても着順ほど差は無い。
しかし、昨年よりはややメンバーが揃っており、単純に自力で通用しない可能性が高そうである。
京都牝馬Sも伸び負けて力負けの内容だった。
よって、TBや展開、相手の不発に恵まれないと好走する可能性は高くないと考えるのが妥当。
3着候補。

ゴールドエクリプス

小倉大賞典の12着は中団から追い上げたが脚が止まってしまったものであり、同型のロングランと比べても力負けである。
また、このメンバーはほぼOPの弱いメンバーであり、この相手に力負けだと厳しい。
小倉記念の3着は高速馬場&軽斤量に加え、内有利TBを生かしてなお3着止まりであることを考えてもこれ以上を望むのは馬の出力が上がらない限り厳しい。
よって、マイルにカテゴリ弱化といえども今回は厳しい。
見送り。

モズゴールドバレル

京都牝馬Sの8着は見た目は差し決着の前崩れだが、展開的にはペースは普通なので、どちらかというと先行馬がみんな弱かった&唯一有力なプレサージュリフトが不発の可能性が高いため、力負けと見るのが妥当。
今回はこれといった先行馬がいないので、これが逃げるかな?と思っている。楽に先手を奪って展開を味方に付けてどこまでという感じであり、地力だけなら足りない。
3着候補。

シングザットソング

京都牝馬Sの5着は勝ち馬ソーダズリングのやや後ろから空いた内を通って差したものの届かずという内容であり、突き放されたことを考えても力負けではあるが、G2勝ち実績から57kgを背負っていたことを考えれば0.2差なら逆転不可能ではなさそう。
ただし、京阪杯も含めそれまでのOPの内容が芳しくないので、年を開けて馬が成長し始めて出力が上がってきたと見ていいのかは疑問である。
よって、同斤量なら差し決着を考える場合注意は必要ではある。
崩れていないとはいえOP実績しか無いドゥアイズ、マイルで忙しくなるリスクがあるモリアーナ、ライラックがそろって不発の場合はこの馬が浮上する可能性は否定しない。
1400→1600でカテゴリ強化だが、相手もこれら以外は弱いので、成長したと見るなら穴として。
2着以下候補。(一発穴)。

サブライムアンセム

昨年阪神牝馬Sの2着はかなりの内有利TBを活かしたことに加え、この馬のタイプとして内で脚を溜めることは出来るが壁を作らないと折り合いが難しい馬であることから、最内枠を引いたことが噛み合ってのものである。
中京記念5着はそこまで悪い内容ではないものの、相手もディヴィーナ以外は強くはないので、今回のメンバーを考えるとこれだけ走れば通用するとは断言できない。
スワンSは大外枠で長所を生かせず、コーラルSはダートなので度外視可能。
ポートアイランドSは再び最内枠でチャンスはあったものの、逃げた馬を行かせようとした際に、内に切り込まれる&急減速で手綱を引くことになりかなり折り合いを欠いてしまった。
よって、再び内枠を引いて力を出し切れれば好走の可能性はあるものの、昨年ほど内有利TBがあまりなさそうなので、基本的には抑えまで。
先行馬が少ないので、モズゴールドバレルあたりを行かせての2番手が理想か?
3着候補。

スピーディキック

浦和の女傑。とはいえ、地方ダートでも中央OPレベルの牝馬たちに負けており、よほど芝適性がないかぎりは基本厳しい。
見送り。

総評

人気馬が普通に能力上位で順当に決まりそうなので、TBがほぼフラットで、この人気通りならドゥアイズに割り切りを入れて馬連3点を買いたいが、まともなオッズがつかないようなら見送りが妥当。

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