エルムS レパードS 振り返り


エルムS

最終印

TB・展開

TBは雨で少し湿ったが時計水準も変わらず、フラット。
3F37.1-36.9、4F49.3-48.8とペースは上がらず、小回りダートにしてはスロー。逃げ馬多数のメンバー構成だったが、意外とすんなり譲ったことで隊列は短い1角までの直線の内で大方固まったことが要因。
そのため、1~4番手で決まる前残り決着に。ペースアップが速かったぶんかラストは11.9-12.3-12.7と垂れた分若干逃げ馬の後ろが抜け出せる隙ができたものの、差し馬が弱いのもあって後方は4角で離されており、何もできなかった。

ペイシャエス

ドゥラエレーデの後ろをマークしついていく競馬で、彼が前を競り落とし抜け出すところを差す競馬。
手応えは4角でイマイチかと思われたが、そこからしぶとく伸びた。気難しいところがあり、不得意な終始被される競馬ではあったものの、今回はクリア。これは好感が持てる。1kg重かったことを考えても悪くない。
ただし、勝ちに行ったドゥラエレーデについていくことで展開に恵まれたことや、そもそも前残り展開であることも考えると、何とも言い難い。今回はドゥラエレーデ、ミトノオー、プロミストウォリアはともかく他はOP級。ミトノオー、プロミストウォリアは不発であり、本格化かと聞かれると違うと思う。

ドゥラエレーデ

逃げるミトノオーをぴったり被せて3角で潰しに行く正攻法の横綱競馬で抜け出したが、そこから突き放せず後ろのペイシャエスに差された。
前残り展開とはいえ、自ら動いて勝ちに行った競馬のぶん酌量は出来るが、1kg差があったことを踏まえればペイシャエスと内容は互角までか。
見方としては2つ考えられて、この手頃な相手でも負けるくらいの力なのか、やや不発だったのか。
前者の場合、フェブラリーS等でも書いたように、真の一線級(ウシュバテソーロなど)以外は団子であるということ。たしかにここまでのダート重賞を見てもその傾向はある。後者の場合は単に力を出し切れなかった、で片付ければいい話。揉まれたりする競馬がいい馬ではないので、勝負どころの3角からテーオードレフォンに被されてはいたことを考えればやや同情の余地はある。
あくまでも今回は、最低限の格好は付けたが、展開には恵まれているので、ローカルG3として見れば相手関係的には不満が残る、という結論。高評価はできない。

テーオードレフォン

外を回らされたぶん着差は少し開いたが、前残り展開を外目で気分良く運んだというもので、そこまで高評価は不要か。
手薄な相手関係で恵まれてギリギリというところか。

シルトプレ

2年連続で掲示板。前残り展開をよく追い込んできただけに、中央ダートは合うのかもしれない。門別から移籍してもいいのでは?
ただし、手薄な相手関係のほかに、後方ポツンで気分良く運んだ点は考慮する必要がある。

ミトノオー

前残り展開ではあったが、気難しいというか典型的な絡まれたくないタイプの馬なので、ハナは主張できたがドゥラエレーデに外からガッチリ併せられながらの競馬では厳しかった。
この馬が好走するには単騎逃げがほぼ必須条件。
メンバー次第では意外とチャンピオンズCで単騎逃げして穴を開ける存在になるかも知れないな、とは思っている。

レパードS

最終印

TB・展開

TBはフラット。新潟らしく大外ぶん回しや中団以降の差し追い込みは決まりにくいくらいで、それほど優位な差は見られなかった。
3F35.7-37.8、4F48.5-50.2(5F61.0)とミドルペース。昨年とほぼ同程度。
昨年に引き続きほぼ前決着。
(過去を見ても、差し決着だと前後半で3秒差くらい差が欲しい)
古馬重賞だとこれなら差しが決まってもおかしくないのだが、前に6頭が固まって、7番手以降が離されていた隊列である(=追走力に明確な差がある)こと、追い上げられた馬が数頭しかいなかったことを考えると、前が潰れなかったというより、世代重賞なので重賞・OP級と条件級で実力差が出た、という見方が正しいのかもしれない。

ミッキーファイト

中盤までは好位のインコースだったが、3角手前から外に持ち出されて3頭分外を回って抜け出す横綱競馬。ユニコーンSの雪辱を果たした。
ただし、負かしたのは兵庫JG2着、全日本2歳5着、サウジダービー10着のサトノフェニックス。お世辞にも強いとは言い切れない。それに0.2差。
また、サトノフェニックスを負かしたイーグルノワールは東京1600のOPで通用せず、全日本4着のナスティウェザーは1400の世代OPでも勝ちきれず、2勝クラスを突破したばかり。
また、ユニコーンSの内容的には2着馬サトノエピックとほぼ同等で、彼はユニコーンS、東京ダービーともにラムジェットに完敗している。
つまり、彼も古馬に混じればOPで通用するかどうか、というところではないか。
この世代はフォーエバーヤングとラムジェットの2強。サンライズジパングが今ダートでどれだけやれるかは未知。(不来方賞の内容次第)
そういう感じの勢力図なのだろう、と推察する。つまり、レパードSのレベルはユニコーンSよりやや下か。

サトノフェニックス

正直思ったより走ったので意外。
単騎逃げじゃないと好走できないブルーサンに序盤からプレッシャーをかけ続けて競り落としたのは、前までブルーサンに乗っていた和田騎手が勝手を知っていてこの馬が嫌がることを実践し勝たせまいと思っていたのかも知れない。それに馬がよく応えた。番手から上がり3位を出したのは立派。
ただし、前述の通りこの馬が強いとは思えない。好走の要因は、他の有力馬の惨敗ぶりを考えれば、彼らのそれまでのレースレベルが低かったということなので、レパードSのメンバーレベルの問題であろうと思われる。

ミッキークレスト

中団のインコースを追走し徐々に内から押し上げて直線入口では5番手。
直線でも脚を使って追い上げたが、サトノフェニックスには3馬身差つけられており、位置取りの差と言えなくもないが力負けである。
条件級なら通用しそうだが、勝ち馬とは0.7差。果たしてOPまで行けるかどうか。

バロンドール

先行馬群の後ろを進め、3,4角ではちょうど先頭集団3頭の1つ後ろのインベタで回っていたので、完璧な内容だったが、ミッキーファイトに引き離され、さらにミッキークレストに差された。つまり力不足である。

ハビレ

ミッキークレストの後ろをついていく形で進め、3、4角もそのまま位置を上げに行った。内ラチ沿いを上手く使ってミッキークレストに並び、併せて伸びてきたものの、垂れたブルーサンの対応で進路を切り替えるロスがあり、交わすところで若干もたついてしまったぶん遅れを取ってしまった。
内容的にはミッキークレスト・バロンドールと0.2差ほどの差はなさそうだが、彼は東京ダービー5着(2.4差)、羽田盃4着(1.9差)と世代トップクラス相手では食い下がる余地もなく完敗しているため、結局大成するまで行くかと聞かれるとちょっと厳しいか。

ブルーサン

力不足なのもそうだが、楽に単騎逃げできないと脆いと見ていいのだろう。
すこし急かされたり外から被せられるとあっさり潰れるので、この馬が好走するにはかなりメンバーを選びそうである。

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