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1/12 ナマケモノは口当たりのいい夢を好む

 おひるねって、至高の時間だよね。
 休みの日を有意義なものにするのなら、朝から起きてお出かけに行くといい。お昼を食べることを忘れて、未知の土地を探索するのもかけがえなく楽しい。だけど、そんな時間を敢えて惰眠に費やす。夜には味わえない、最悪で最高な一時になる。
 休みの日はお昼すぎまで寝ることが多い。ぎりぎり午前中に起きたとしても、布団の中で正午になるのを呆然と過ごしてしまう。これはもはや“おひるね”ではなく、“おひるまでね”になるのかもしれないが。スマホでなんとなしにツイッターを眺め、動画を見たり、あるいはスマホを投げ出してただ天井を見つめるだけだったり。カーテンで遮りきれない薄い光で、部屋中がミルクティー色に染まっている。夜更かししたあとの常夜灯の明かりも、陽光のはしくれに適わない。布団の温もりが体をだるくさせる。手元のスマホには、外出を楽しんでいる人たちと、私と同様にお昼にのそのそと起き出す人がまちまちと。それを「この人いっつもアクティブだな〜」と片方の瞼を擦りながら眺める。
 お昼に起きた日は、基本的に昼以降も何もできない。11時以降に目が覚めたら、そこで「今日はおわり」を悟るのだ。ここまで何もしていないし、これからも何かを起こす気など出るわけがない。二食口にして、夜行性らしく深夜にゲームをしてまた一日が終わる。それでいい。ヒトという生物の特徴は、他の動物にはない怠惰性である。思考し行動する力があるから、逆に「何も考えず何もしない」ことに意義がある、気がする。ただの独善的な言い訳だけど。
 だから、課題とか授業なんかで私の最高時間を奪わないでほしい。望らくは、この五畳半ないくらいの、甘い液体に浸された部屋での永眠なんだ。

 言いたいことを言ったので、転結を書くこともなく終わりにする。一生眠っていたいね、以上。

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