スカしてるは死語かもしれないが

 ※これは若かりし頃に見聞きした事を思い出し連ねた散文であります。

 スカしちゃう男性の困るところ。
 
 それは初対面から。緊張なのかキメ顔なのか知らないが、無愛想で反応も薄いため、対す女は身構えてしまう。 
 
 たとえ間違って二人で飲むことがあったとしても、オチのないオレ語りが空気を重くする。
 
 他方、ただの同僚で互いの心的距離が全く縮まっていないのに、突如として勝算無視の大告白をしてきたり。
 あの最初の無愛想は意識してたからなのか!と遡行してわかる。が、当方、その後社交の範疇で感じ良くしたまでを、そんなポジティブに受け止められましても。理想を壊すこと請け合いですよ、と固辞すること請け合い。

 だからといって、話合わせ過ぎ男も鼻白む。

 好きな物を話したら、俺もそう!なんて、後ですぐバレる嘘をつく。好きな物を軽んじられたようで不愉快だ。
 とか憤りつつ、ゲイの噂が立つほど女と共感的に話せる手腕に、ついつい心を許しがち。でもそういう手合にとっては、口説き落とす事がゴールゆえ、いざ付き合えば自分しか可愛くない輩で幻滅必至。

 理想は、気づいたら隣にいた付き合ってた添い遂げてた、のパターン。

 だるまさんが転んだくらいに、にじり寄りが上手い男。好きな女たる標的から目を離さず、意識しない隙または気付かない速さで、ようは全き自然さで距離を縮めているタイプ。軽薄男と何が違うかといえば、嘘をつかない所。

 恋愛に限らずコミュニケーション全般に通じるが、自分に固執しているとモテないか付き合っても続かない。自意識は若さの証拠でもあるけど。年とると良くも悪くも自分を飾るエネルギーがなくなるもんね。
 
 だからありのまんまの、ハタから見たらただの冴えないオッサンを、余裕の構えと見まごうて好きになる若い女子とかいるんだろうね。
 
 それじゃあ例えば今自分の隣にいる愛しい人が、ハタから見たらしがない中年男性では決してないか、と問われたら答えに窮すよね。

 恋愛の形は人それぞれですからね。
 はい、おばちゃんが上から何かを語ろうとして失敗したパターン。

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