ADHDっぽい人

 私は精神科医でもない(ただのワープアだ)し診断もされていないが、自分をADD、母についてもADDかADHDと考えているし、ADHDの人ならちょっと見分ける自信がある。
 
 そもそもADDやADHDが世間で話題となり自分が知るきっかけになったのは2001年頃、いわゆる「片づけられない女たち」、一見普通の社会人しかも女性の自宅が、実は驚くべきゴミ屋敷だった!というキャッチーな現象が、夕方のワイドショーで囃された時だ。
 
 ゴミ屋敷の原因はどうやら「注意欠陥障害(ADD)」というものらしい。そこでその分析本、ダニエル・エイメン著「わかっているのにできない脳」が日本でもヒットし、知人に教えられたことを機に、あぁ自分はADDなるもんなんだと判った。当時確定診断できる医者は日本にほぼおらず、初診予約10年待ちとかだったので諦めた。

 ADD(ADHD)は基本的に子供に特徴が顕著で、成長し適応していくことで大人では目立たなくなるというのが当時の説だった(今は違うかも)。実際、自分の片づけ嫌いは治らないものの、足の踏み場がないというレベルは高校くらいで脱せた。今はただのだらしない部屋ぐらい。

 そんなADDの自己診断からほどなくし、仕事上ばらばらに知り合った二人の人間(男性と女性)が奇しくも、後から考えればかなり典型的?なADHD(多動のあるタイプ)だった。今からその共通点や特徴を語るので興味ある方は聞いて欲しい(笑)

 まず野性的な挙動。
例えば室内に入った時(初めての場では特に)、彼らは鋭く周囲を睥睨し、場が許せば猛獣かのようにぐるぐる動き回る。そんな大人普通いないから目立つ。緊張や不安からくるマーキングなんだろう。

 第一印象が魅力的でつかみがうまい。
表情がころころ変わったり射抜くように見つめてきたり。人心をつかむ話術を本能でわかっているし、媚びる事に臆面がない。

 良く言えば嘘がつけずありのまま。悪く言えば精神性に奥行がない。
普通、人と付き合いが長くなると、今まで知らなかった闇なる一面や意外な悩みを知って仲を深めてゆくものだが、彼らは第一印象のインパクトが最大で、ほぼそのまんま変わらない。「さぁどんな人だろう」と部屋(=人間性)のドアを開けていったら、開ききる前に壁にぶつかってしまった感じ。

 幼少時代の記憶がない。
秩序を仕込まれる小学校は、自由闊達な彼らにとって極まれる地獄だったのだろう、何か質問してもすっぽり記憶が抜け落ちている。親も養護学級を薦められたりしており(今は認知度も上がり違うだろうが)、苦労の過去が窺える。その反動に、高校大学でだいぶ解放されるのか、明るくグレてある意味頭角を顕す(笑)

 性欲強め。
男性の方は、女好きかつ有名人だったため、トイレで遊ばれたなんて話を聞くほど、彼女がいようが隙あらばの野獣だった。女性の方は逆に、常時短髪すっぴん、スカートも持たず恋人も長年いないような人だったのが、しっかりセフレだけはいたんで仰天した。
性にも他者にも依存的(依存的なのはADDも同じだが)で、二人とも大変な甘えん坊タイプ。女性には近寄られすぎて仕事の仲が破綻した。

 以上、なんだかここまでずっと同じような事を書き連ねている気がしてきたが、しかし両者の類似点たるや‥とにかく本能の人、行動が派手な人達だった。
 それからはや15年。この人ADHDかも、と彼らぐらい強烈に確信する人は、旅行先で見かけた他には、長らく知り合えていない。

 ちなみに母は上記の二人とはだいぶ違って、落ち着きもないが派手さはもっとないのでADD寄りかと思う。自分はさらに地味。親しき仲だけで暴れる内弁慶のADDだ。
 さらに誠に勝手で失礼を承知で言えば、作家の中島らもはADDだと思っている。不注意の多さと嗜癖に走りやすい所。賛同求ム。

 また面白いADHDの人と出会ってみたいし、誰かとADDやADHDにまつわる話をしたい。こんなマニアックな話を出来る人が身近にいないのが切ない。




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