全日本選手権感想(種目編)
体操天皇杯 第76回全日本体操個人総合選手権全日本選手権大会を観戦した感想です。
まず全体的に思ったこととしては、やはりオリンピック前と比較すると点数が低めになっていると感じました。丁度リオオリンピックが終わって大幅なルール改正があった2017年の全日本の時のようなイメージ。(単純にDスコアが下がったというのもありますが、それを踏まえても点数は低くなっていたと思います。)
Eスコアの採点がさらに厳しくなったというよりは、演技構成を変えた結果、まだ仕上がり切っていない選手が多いのかな、といった印象でした。また、組み合わせ加点のルールが変更になったり、難度が下がった技が出てきたことも要因かもしれません。ルール変更によって演技構成を変えざるを得なかった選手、そうでない選手はいると思うので、そこに関しては多少有利不利があったかもしれないと思います。ルール変更に対応することも選手に求められるスキルの1つなのかもしれないですね。そう考えると、ルール変更に対応し続けて世界トップに居続けた内村選手は改めてすごいなと再認識させられました💦
ここから種目ごとの演技構成についての感想です。(個人の感想なのであしからず)
まず、ゆかについては、大きなルール変更があった種目の一つだと思います。個人的には演技時間が伸びたことは衝撃で、最初ルールを聞いたときは驚きました(自分は70秒でもめちゃめちゃきつかったのに💦)
後は、ひねり系の技同士の組み合わせが無くなったことも大きいですね。ただ、伸身前宙との組み合わせなら加点が取れるというのは盲点でした。(あ、そういう事なん?って思ってしまった(笑))
伸身前宙は着地が取りにくいと思うので、0.1を取るためにわざわざやるべきかなあ...と思ったのですが、多くの選手が取り入れてきていました。そしてきっちり着地をまとめていました。また、ダブル系の組み合わせを狙ってくる選手はそこまで多くない印象でした。ただ今後種目別などでは入れてくる選手も増えてくるかもしれません。(やるときは怪我に気を付けてほしい....)
細かいところだと、技に行く前の立位で2秒以上静止すると減点という事が明確に記載されたので、各選手気を付けていたかなと思います。ただNDではなくEスコアの減点項目になるので、結局審判一人一人のさじ加減にもよるかなと。なので実際にどういう減点になっていたのかはわかりません。タンブリング数が増えて着地が多くなったこと、そしてDスコアが上げづらくなったことで、総合的に考えてゆかの点数は上げづらくなったのではと思います。
次に、あん馬について、同系統の技の繰り返しが制限になったことで、色々な技を組み合わせて演技を構成する必要があるようになりました。それによって、演技構成を変える必要がある選手も多かったと思います。また、バックセア倒立がC難度になったことで、リーニンやCセアなどを実施する選手が増えてきました。採点の傾向自体には大きな変化は無かったように思います。
次につり輪について、十字倒立系の難度が格上げになったことで、十字倒立を入れてきた選手が多かった印象です。また、振り上がり閉脚上水平~中水平を入れてきた選手が多かったのかなあと。けあがり中水平は持ち込みの減点が多く、後転中水平も姿勢や持ち込みの減点が多いため、この技の流れは今後行う人が増えてくるのではと思います。(正直これもめちゃきついですが)
跳馬について、種目別で2本跳躍を行う選手は、ひねり系の技+回転系の技もしくはロンダート入りの技を行わなければならず、2本ちゃんと揃えられる選手はまだ少ないように感じました。このルールだとカルロス・ユーロ選手や安里選手が強いかな?と感じます。ただ米倉選手もリ・セグァンが安定すれば強いですね。また、1本目にひねり系の跳躍(ロペス・ヨ―2など)をやって、2本目にカサマツを行う選手も何人かいました。
次に平行棒ですが、この種目は演技構成にあまり大きな変化は無かったかな?と思いました。ただ車輪ディアミは今後やる人がさらに増えるのではと思いますが、あまり皆がやりすぎるとまた難度が下がってしまう気もします。
あとは棒下ハーフの手の握り替えの回数制限が付いたことで、技術の修正を求められる選手も多かったのではないかと思います。そこで少しミスも出ていた印象でした。その他だと、降りの前方ダブルハーフの難度が下がったことで、降り技を後方屈身ダブルや前方ダブルに変えてくる選手も多かったです。
最後に、鉄棒種目について、同一系統の離れ技の回数制限が加わったことで、人によってはかなり演技構成の変更を余儀なくされたのではないかと思います。組み合わせ加点のルールが追加され、アドラーハーフから手放し技の組み合わせもちらほら見られました。特にアドラーハーフ~コールマンは、0.2の加点がもらえるので、種目別を狙う人を中心に今後流行るのではないかと予想してます。また閉脚のエンドーとシュタルダーがC難度になったことでかなりの選手が取り入れてきましたが、肘曲がりや倒立の角度などでかなり減点はできるので、ここは実施によって差が出てきそうです。
個人的には、閉脚のシートリバルコが体操の全技中一番かっこいいと思っているので、どうせならそこも格上げにしてほしかったです(笑)
まとめ
ルール変更後初の国内大会という事で、演技構成を変えてくる選手がほとんどで、「この選手がこの技やるんか!」、という新鮮さはかなり感じました。そういう意味では、非常に楽しめた大会でした。ただ、それの影響かはわかりませんが、全体的にまだ仕上がり切っていない印象も持ちました。加えて今回怪我をしてしまった選手もいたので、NHK杯ではなるべく多くの選手が満足いく演技ができるといいなと思っています。
次の投稿では選手ごとの感想、もしくはNHK杯の展開予想などしていこうと思います。
慣れるまではマイペースに投稿していきます。
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