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電動バイク(notte V2)で1000km走行した感想

電動バイクの原付一種であるXEAMのnotte V2に乗って約3ヶ月、1000km走ったので、良い点と悪い点を挙げて感想を書いておく。電動バイク全般に言えることとnotte V2だけについて言えることが混ざっているが、メモ書き程度に読んでもらえたら嬉しい。加筆訂正は適当にやる。

本記事と内容は被るが、電動バイクに興味のある人は先人の作成した動画も参照してほしい。
【notteV2】電動バイク「ノッテV2」に半年間乗って思ったこと【メルトラ】

1.悪い点

1.1.キーが2つ必要
上記の動画でも述べられているが、notte V2にはメカキーとワイヤレスキーの2種類がある。どちらか片方を選べるのかと思いきや、実際は両方とも必要という不便な設計となっている。「メカキー」を使用して走行した後に電源を切ると自動的にタイヤロックが掛かり、解除には「ワイヤレスキー」が必要となる。ワイヤレスキーのみでも運転できるが、バイク本体のブレーカーを切るとワイヤレスキーは反応しなくなる。つまり始動できなくなる事故が発生しうるため、念のためにメカキーも必要ということになる。

1.2.アラームがうるさい
こちらも動画に詳しいが、notte V2はさまざまな場面でアラームが鳴る。ブレーカーを入れた時、自動ロック時、ロック解除時、ワイヤレスキーで走行モードにする時、ボックスを開ける時など、割とびっくりするくらい大きな音量が出る。大音量は防犯用のアラームのみにして、操作音は控えめにしても良かったのではと思う。

1.3.航続距離が短い
notte V2の航続距離は60kmで他メーカーと比べると優秀であるが、やはりガソリンエンジンには大きく劣る。充電に時間が掛かる(0→100%に約10時間)ため、行動範囲はかなり制限される。私は近距離の使用が多いのでそれほど不便に感じないが、それでも時折「ガソリンエンジンならこの場所は行けたな」と思う場面がある。

航続距離の短さは電動バイクの運命のようなものと割り切っている。航続距離を伸ばすためにバッテリーを大きくすると充電時の取り回しが悪くなる。このジレンマが解消できないため、うかつにバッテリーを大容量化できない。バッテリーを室内で充電できるのはnotte V2の強みの一つだ。このバッテリーは重量が約9kgで、充電のたびにこれを腰の高さまで持ち上げる必要がある。女性ユーザーにはこの重量がギリギリだろう。もちろん室内充電を諦めてバッテリーを大型化する方針もアリだが、それはそれで不便な面もある。

1.4.静か過ぎて気付かれない
電動バイクの良い点とも言えるが、とにかく静かなので歩行者や自転車に存在が気付かれない。道に広がっている高校生をよく驚かしてしまうが、マジで危ない。後ろからライトで照らしても、相手は無音のバイクを想定していないため判断が遅れる。クラクションの多用も考えられるが、通常以上に相手はこちらに気付かないという前提で行動しなければいけない。

1.5.バッテリーとケーブルが接続しにくい
バッテリーを本体に取り付ける際、バイク内部のケーブルとバッテリーを繋ぐのだが、接続が上手くいかずにイライラする時がある。特に接続の作業を夜にやる場合はスマホで照らしてやらないと大変に難航する。充電自体が面倒と言えばそうなのだが、充電操作の細かい部分に面倒臭さを感じる。

2.良い点

2.1.とにかく静か
近くを走る自転車のチェーン音が聞こえるくらい静かで、走行時に聞こえるのは殆ど風切り音のみである。走行はエンジンの振動が無くスーっと前進する感じで、微かに聞こえるロードノイズとモーター音が電動バイク特有の心地良さを感じさせてくれる。閑静な住宅街を電動バイクで走るのは、ガソリンエンジンのドライブでは得られない独特の快感がある。

2.2.排ガスがない
電動バイクを使うようになってから、他の原付やバイクの「排ガス臭さ」を強く感じるようになった。自動車と違い身体が外気にさらされている分、曝露される排ガスの量が減るのは電動であることの大きな利点である(他人の出した排ガスをかぶることに変わらないが・・・)。

2.3.人気者になれる
コンビニや駐輪所で「それ凄いね!電動?」と声を掛けられたのが3ヶ月で3回で、いずれもおじさん。とにかく好奇心旺盛なおじさんに人気である。自分のバイクに興味を示されるのはちょっと嬉しい。スーパーカーに乗ってる人ならこの感覚を分かってくれるはず(?)

2.4.コスパが良い
私はnotte V2を新車で購入したが、当時は本体価格が4万円ほど安くなるセール中で、購入金額は送料(バイク店で受け取り)込みで14万5640円。これに自賠責や任意保険の料金がプラスされる。これなら一般の原付より安いくらい?

燃費に関しても優秀である。XEAMのHPによると、一般の原付(50ccスクーター)が1kmあたり3.4円で走行するのに対し、notte V2は1kmあたり0.5円で走行する。一般の原付の燃費が37.5km/Lで計算されているため、単純計算するとnotte V2の燃費は37.5×3.4÷0.5=255(km/L)となる。原付の燃料費なんてもともと大した事ないが、それにしても凄い数値である。またエンジンが無いためオイル交換が必要ない。

一方でネックとなるのがバッテリー費用である。追加で購入すると4万円するため、バッテリーの消耗を抑える走行を心掛ける必要がある。もう少し距離を走ったらその辺りも検証したい。新車購入時の航続距離については先人達が動画を出しているので、バッテリーの劣化具合も知りたいところである(まあ例えバッテリーの劣化でたとえ航続距離が半分になってもヤマハのE-Vinoと同程度の航続距離があるのだが)。

※4/2追記
https://youtu.be/Mgru44FpbDA
XEAMから新型のバイクが出てるみたいですね。値引きはこのため?

2.5.普通に使える
利点と言って良いのか分からないが、私が電動バイク購入前に最も気にしたのが普通の原付と同様に使えるかどうかである。結論から言うと、電動バイクは普通に使える。もちろんデメリットはあり、長距離移動には向かなかったり速度が出なかったりするが、原付で長距離移動なんてそうしないし速度もそれほど必要ない。問題なく原付として機能するので安心してほしい。
まだ乗り始めて3ヶ月ちょっとなので、何か他に問題が出たらまた記事を書くと思う。

3.その他感想

3.1.パワー不足について
ガソリンエンジンに比べるとパワー不足なのは間違いない。制限速度未満でトロトロ走る車両を追い抜く場合や、上り坂を走行する場合にはしばしばバイクに対して「頑張れー!」と声を掛ける。しかしパワー/スピード不足について私はあまり気にしていない。最高速は43kmに設定されており原付にもガンガン追い抜かされるが、それは法令順守の観点では(こちらには)問題ない。

実は私は一度だけガソリンエンジンの原付でスピード違反を犯しており、青切符を切られている。当時は雨が降っており、楽器を背負っていた私は雨に濡れるのを嫌い、無意識にスピードを出していた。その結果白バイに捕まり、長時間にわたり雨と通行人の視線にさらされることになった。その時の嫌な思い出もありスピード違反で捕まるのはもう御免だ。パワー不足を感じる場面はあれど、安全のためと割り切っている。

3.2.結論?
いくつかの不満点はあれど、私は電動バイクに大変満足している。原付というレギュレーションのなかで十分なパフォーマンスを発揮しているし、何より乗っていて楽しい。電動バイク、EVに興味がある人は試してみたらどうだろうか。

2000km乗った時の記事はこちら

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