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奈良県内高校サッカー界の課題~新人大会2回戦3試合を観戦して~

2023年が有観客試合として新人大会が開幕したので3年ぶりに2回戦3試合を観戦してきました。

観戦した試合は奈良県フットボールセンターで開催された下記3試合でTwitterにて結果速報したツイートは添付します。




今回はメモを取れたのが天候の関係で第1試合だけだったので観戦記ではなく、3試合共通して感じた県内高校サッカーの課題を雑感として書きます。

これまで奈良県を代表する高校が全国大会やプリンスリーグ昇格戦で、他府県の強豪校と対戦した時に結果もそうなんですが、ゲーム内容で見劣りする試合が続いてると感じていました。

これは県内での公式戦ですら攻撃パターンが少なく構築できてない為、他府県の強豪校と対戦した時に県内の公式戦ではボール保持する高校でも、守備を固めて蹴って走りカウンターに賭けるスタイルに変更せざる得ないのかなと…この日の新人戦を観ても感じました。

そういう意味では守備ブロックを組んで守勢に回っても粘り強く跳ね返しす守備力は、年々ある程度他府県の強豪校と対戦しても対応できているかもしれません。

そのため県内高校サッカー界の課題はボール保持している時のフィニッシュまでの過程だと感じているんです。

何でそう思うかというと県内には止まった状態でボール受けても、圧倒的なステップとドリブル力で突破してゴールを奪える三笘薫の様なウィンガーや、フィジカルとスピードで破壊力抜群の前田大然の様なトップの選手がいない為、ボールと人を動かし相手守備ブロックを崩してゴール前でフリーにシュートできる決定機を数多く作る必要があると思うからです。


上記のツイートは一条高校に限ってではなく県内の強豪校は全てこの状態だと思います。

奈良県はジュニア時代からドリブルに優れた選手が多く、高校でもボールを持つことを苦にしない選手が、DFやMFのポジションで活躍できる選手は多いと思います。

しかし対戦相手の守備強度が上がってくると、それだけではボール保持出来ても得点がなかなか入らず、一発勝負のトーナメントでは格上と思われる高校が格下と思われる高校に苦戦を強いられたり、負けたりする事も多々あります。

この日の2回戦3試合も全てその様相は出ていました。

一条高校もスコアこそ快勝ですが序盤は県立商業・奈良情報商業高校の守備に苦しみ、ミドルシュートをハンド判定して貰ってのPKで先制できてなかったら、この膠着した展開も少し変わってたかもしれません。

法隆寺国際高校はボール保持できる選手が多くいたのでポゼッションでは圧倒していましたが、天理高校にセットプレーから失点を重ね、最後は焦りから単調な攻撃を繰り返し零封され自滅しました。

生駒高校もボール保持するも奈良学園高校の粘り強い守備にゴール抉じ開けれず、最後はPK戦で辛くも勝ちましたが80分間で得点する事は出来ませんでした。

それでボール保持する高校が共通して陥ってる現象がハーフスペースを上手く使えていないという所に目がいきました。
強いて言えば一条高校は前半飲水タイム以降から前半終了まではハーフスペースを使えていましたが、後半戦になると選手も大幅に交代した事もあり鳴りを潜めました。

上手く図を作成できてないかもしれませんがイメージだけでもして貰えればこんな感じです。

サイド展開による大外からのクロス!

ボール保持できる県内の高校だと、底でボール循環してサイドチェンジ⇒サイドアタックしてくるケースが多いのですが、大きなスペースのある大外へのサイド展開する事がほとんどです。
その結果、大外のレーンから精度低いクロスをゴール前に上げる事になるので、なかなかゴール前に走り込んだ選手にピンポイントでシュートできるケースは少ない。

カウンターを狙うため守備を固めた対戦相手に外からの攻撃は得点の確率は落ちるけど、県内の高校サッカーでは当たり前の様にこういう攻撃パターンで、お互いの陣地を行ったり来たりする事は少なくありません。

そのため、もう一つインサイドのハーフスペース(選手間)を攻めてほしいのだけど、例えそこを狙ってスルーパスを出せる選手がいても、そこを走り抜ける選手のタイミングが遅れ間に合ってないケースも多いのです。

上手く選手の配置を出来ていないかもしれませんがハーフスペースの攻略をイメージしてもらうのに図を作成しました。

オーバーラップを組み合わせての
ハーフスペースからのショートクロス

サイドチェンジからの展開で大外へ蹴らずIHが落ちてボール受けて、その間にSBがオーバーラップして相手SBを釣り出し、SHがインサイドへ絞りSBーCBの選手間を抜ければ、IHが前を向いてハーフスペースにスルーパスを出しても、SHはパスに間に合ってDF裏でボールを受けれるはずです。

そこからペナルティエリア内に入り深さを取って折り返せば、ゴール前に走り込んだ選手がピンポイントでシュートできる確率も上がるので、これなら圧倒的な決定力を擁するスーパーな選手でなくても得点の可能性が増えて、一か八かのクロスやミドルシュートでなく再現性も出てきます。

これはほんの一例ですが、県内の公式戦ですら準々決勝以降になるとセーフティな戦術を取ったり単調な攻撃を繰り返すので、このようなボールと人が動くシーンを数多く作れる様になっていかないと、将来的に県外の強豪校と互角に闘いながら結果を出して勝っていけないと思っています。

2023年シーズンも始まったばかりですが今年は現地観戦を再開できそうなので、県内の高校サッカー界が発展していくのを見届けていけたらと思います。

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