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2024年度インターハイ奈良大会展望~Dブロック編~

 ラストのⅮブロックは個人的に今大会一番注目している優勝候補の畝傍高校と、選手権&新人戦の2季連続準優勝の生駒高校が入っているブロックです。


奈良大会トーナメント表

■Ⅾブロック編成

・畝傍高校(8シード)
・郡山高校
・東大寺学園高校
・桜井高校
・帝塚山高校
・高円芸術高校
・合同2(県立大附属・国際)
・生駒高校(4シード)

■Dブロック注目校


【畝傍高校】

何と言っても畝傍が県内チャンピオン奈良育英の対抗馬一番手だと考えています。
 今季はリーグ戦も開幕6連勝と首位をキープしており、新人大会で奈良育英との直接対決では、ゲーム内容的にも添付noteにある通り試合終盤まで奈良育英を圧倒していたからです。


NFAリーグ第6節 五條高校戦


 畝傍高校の強さはポジショナルプレーにより中盤を制圧して底からビルドアップができる所だと思います。
 基本的にシステムは1-4-3-3で逆三角形のポジションを取るボランチ6番とIH10番と11番の計3人が中盤で躍動します。
 この3人が中心となり両ウィングの5番、7番、8番がインサイドに絞ったり、トップの9番が落ちたりと4人目のMFとして存在して躍動しており、中盤四角形を縦横無尽にボールと人を動かしながら、相手ゴール前へとビルドアップしていきます。

4人目のMFの活用(SB編)

 これは県内の高校サッカー界で縦へのロングボール戦術が主体になっている中、敢えて対角へ攻め上がるビルドアップのクオリティを上げて、ロングボールを無力化にさせ再現性の高い攻撃パターンにより、相手をゴール前に釘付けにし必然的に得点する確率を上げている戦術だと感じ取られます。

対角へのビルドアップ

 この様に畝傍はボールと人を動かして対戦相手の守備を剥がしながら、ゴール前でのシュートチャンスを必然的に作ろうとしている所に魅力を感じます。
 まだまだパス精度やパススピードは落ちますが、ポジショナルプレーを目指そうとする指導者さんには拍手したいです。
 だからこそ、インハイを3年生の引退試合にするのではなくて、この精度を更に高めて高校サッカー選手権本大会に出場して、全国大会で畝傍高校という進学校でも全国区のサッカーを魅せれるという意味で名を轟かせてほしいです。
 3年生にとって一生に一度しかないチャンスを生かしながら、国立大受験の準備との両立を覚悟を持って取り組めば本当に可能だと思います。
 畝傍OBで12月までサッカーと受験勉強を両立させて、見事に現役で国立大に合格したヤツを身近で見てきたので、こんな二度とないチャンスを逃さず是非ともチャレンジしてほしいと個人的には思います。


【郡山高校】

 昨季のインターハイではポテンシャルの高い選手が揃っていた事で、観ていてワクワクするサッカーを魅せてくれた郡山ですが、新チーム以降の選手権及び新人戦の県大会や、今季のリーグ戦でも観戦できていませんでしたが、なかなか勝てず勝点7に留まり得失点差で6位に甘んじています。

県2部リーグ戦績【第6節時点】

 更に初戦の相手が畝傍と言うこともあり厳しいゲームになりそうです。
 …とは言え、畝傍はリーグ戦の五條戦で苦戦してした様に、郡山が個人技を駆使して局地戦での守備を敷いて来ると、畝傍も70分ゲームで延長戦もないので意外に手こずるかもしれません。
 もし郡山が畝傍にジャイキリするようであれば、郡山の準々決勝への道も一気に視野が開けるので今大会も注目校の1つに入れておきます。


【生駒高校】

 奈良育英の壁を破れず選手権と新人戦県大会では2季連続準優勝に甘んじた生駒は、今大会こそ奈良育英に雪辱して2年ぶりインハイ県代表に返り咲きたいところです。

NFAリーグ1部第6節 奈良育英高校戦

 前哨戦となった奈良育英とのリーグ戦では、前半開始早々にPKを獲得した先制のチャンスを枠外シュートにて得点できず…これが生駒にとって最後まで響く事になりました。
 生駒のゲームは山辺戦、奈良クラブユース戦、奈良育英戦を観ましたが、3試合とも底から中盤を使ってのビルドアップができないため、どうしてもロングボール主体のゲームとなり、前線がボールを納めて起点を作ってからの攻撃となるので、偶発的なチャンスしか期待できない感じでした。
 そのため、リアクションになりますが相手ボール保持時のハイプレスからのショートカウンターが一番可能性が高い攻撃プランになります。
 よってハイプレスからボールを奪える相手だと強みを発揮する生駒は組合せ的に準々決勝まで進出するのは難しくなさそうです。
 準々決勝で対戦する相手が畝傍になった時に、果たして生駒はどうプランするのか?というポイントが、Dブロック最大の見所になると考えています。
 山辺戦や奈良育英戦はハイプレスした時にボールを保持しようとせず蹴ってくれるので上手く機能しており、更に後半スタートから前線3人に対して交代カードを切ってくる2段構えもあり有効な戦術だと思いました。
 しかし、奈良クラブユースの様にハイプレスを掻い潜ってビルドアップしてくるチームには相性がめちゃめちゃ悪くて、ハイプレスにより間延びしたFW裏のライン間へ、ボール循環で広げて開けた選手間に難なく縦パスを通して難なくMFがビルドアップしていきます。
 畝傍も奈良クラブユースほどパススピードとパス精度は無いものの、ある程度は生駒に対してビルドアップで攻略してくると思われます。
 ただ生駒にとってアドバンテージになるのはレギュレーションで、まずは70分というショートゲームによるスタミナ消耗が少ないこと、それにプラスして準々決勝の日程が5月25日(土)ということで、気温が上がればウォーターブレイクではなく3分間のクーリングブレイクに変わり、ベンチから指示する時間が生まれ仕切り直しが出来るということの2点です。
 畝傍が警戒すべきは生駒のスタミナ温存できる事でハイプレスを継続する可能性であり、ここを消耗させる事で70分間で仕留められずとも、延長戦で攻略することが出来るということです。
 当該ブロックは畝傍vs生駒の準々決勝は必至と思えるぐらい鉄板な対戦カードと思います。
 リーグ戦での直接対決では畝傍が3対0で快勝しているので、生駒がどこまで走れるかに勝負の行方はかかっていると思います。


■Best4予想

 Dブロックの展望をまとめると準決勝に進出する高校は下記と予想します。

本命:畝傍高校
対抗:生駒高校
大穴:郡山高校

以上、Dブロックの大会展望でした!
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