Noam chomskyとの出会い

大学生のとき、英語学という科目を履修した。とても難しい講義で、「何とかやりきった」という思いで単位をようやくとったというのが正直な感想だ。その授業で何度も登場した知的巨人がいた。

Noam Chomskyである。

変形生成文法の説明はとても革新的で、それまでの伝統文法を吹っ飛ばしたのである。彼の理論は難しかったが、非常に理系的であり、数理を用いて言語を解き明かしていくという面白いことをしていた。

しかし、自分が興味を持ったのはその言語学的な分野ではなく、彼の哲学、政治学の面である。

9.11以降、アメリカを取り巻いている民主主義を脅かすものは何なのか。人身を惑わせるメディアコントロールは
どのように行われるのか。社会の闇の部分を彼は照らし続けた。

アフガニスタン紛争、イラク戦争、トランプ大統領の誕生。

彼は今でもアリゾナ大学で警鐘をならし続けている。大学を卒業してから、長らく彼のことを忘れていたが、最近ようやく思い出した。それはこんな不安定な社会であるからこそ、行く末を照らす灯りを求めたからだろう。

YouTubeで彼の取材動画を見つけた。彼は今年90才になる。知的巨人が警鐘をならす現代を生き抜くには私たちはどうするべきなのか。時間がある人は是非見てほしい。

https://youtu.be/cEtHVRVoAqo

福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》